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【相続問題】内縁の妻が夫の遺産を相続する方法

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 6月10日
  • 読了時間: 3分


内縁関係とは、婚姻届を役所に提出していないものの、夫婦と変わらない関係にある男女関係のことで、事実婚ともいいます。

内縁の妻は、婚姻しているわけではないので、内縁の夫の法定相続人ではありません。つまり、内縁の夫の遺産を相続する権利はありません。しかし、遺言書を作成して遺贈する、生前贈与する、生命保険の受取人にするなど、内縁の妻に財産を取得させる方法はあります。

 

  内縁の妻が財産を引き継ぐ方法

冒頭で言及したとおり、内縁の妻に相続権はありませんが、夫の財産を引き継ぐ方法がないわけではありません。

(1)内縁の夫の遺言書や生前贈与

内縁の夫が遺言書をのこし、内縁の妻に財産を遺贈すると記載しておけば、内縁の妻は財産を受け取ることができます。

あるいは、内縁の夫が、存命中に内縁の妻に財産を贈与することも可能です。生前贈与は契約であり、血縁関係がなくても有効なので、双方の合意があれば成立します。

(2)特別縁故者として認められた場合

内縁関係のどちらかが亡くなって、残された内縁の妻や夫が財産を引き継ぐ方法のひとつに、「特別縁故者」になるという選択があります。

特別縁故者とは、相続人ではないが、被相続人(亡くなった人)と特別な関係にあったために、財産を受け取る権利が発生した人のことです。特別縁故者になるためには、家庭裁判所に相続財産の分与を求める申し立てを行い、認めてもらう必要があります。

(3)内縁の夫との間の子には相続権が認められる

内縁の夫が子どもを「認知」すれば、その子どもは相続人になります。なお、結婚した妻との間の子と、認知した内縁の妻との子の相続分は同じ割合になります。当然ですが、認知していない子であれば、相続権はありません。

(4)生命保険の受取人になれる

生命保険金の受取人は、基本的に戸籍上の配偶者と2親等以内の血族または親族とされていますが、内縁の妻や、同性パートナー等でも受取人として認めている保険会社もあります。

(5)賃借権が認められる場合がある

賃借権は、賃料を支払って借りた住宅などを使用する権利です。

内縁関係の夫が亡くなった場合、残された内縁の妻に賃借権が認められる場合があります。内縁の夫が借りた賃貸住宅で同居していた場合、残された内縁の妻が、引き続き、その住宅に住み続けることができる場合があります。

 

  内縁の妻が財産を引き継ぐ際の注意点

(1)税金の優遇制度などは受けられない

法律上の配偶者であれば、相続税額を計算する際に、様々な特例や控除を適用できますが、内縁の妻は相続人ではないので、これらの各種特例や控除が適用できず、税額が加算されてしまいます。

たとえば、遺言書による遺贈によって、内縁の妻が財産を取得した場合は、相続税の配偶者控除が適用されrません。内縁の妻が夫名義の自宅を取得した場合は、小規模宅地の特例が適用されませんし、生命保険金の非課税枠も適用されません。

(2)遺族年金を受け取ることができる

遺族年金を受給できるのは、亡くなった人によって生計を維持されていた人です。

そのため、法律上の配偶者ではない内縁の妻であっても、所定の要件を満たせば遺族年金を受け取ることができます。

前例によれば、内縁の夫が結婚していた場合、戸籍上の妻との婚姻関係が形骸化して、事実上の離婚状態にあると認められるケースでは、内縁の妻が遺族年金を受け取ることができるとされています。

(3)死亡退職金を受け取れる可能性がある

死亡退職金は、労働者の死亡に伴う退職により発生する退職金や功労金などのことで、労働者(会社員)の遺族に支払われます。

会社の規定によって対応は異なりますが、受取人に「法的な配偶者であること」という定めがない場合であれば、内縁の妻が死亡退職金の受取人になることは可能です。

 
 
 

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