【相続問題】独身の兄弟姉妹が亡くなった場合の相続について
- 行政書士 服部祥明

- 6月9日
- 読了時間: 3分

昨今は、生涯独身の方(いわゆる「おひとりさま」)が増えていますが、独身者が亡くなったときには、誰が相続人になるのでしょうか。
本人が遺言書をのこしたときは、その内容に従って財産の承継が行われますが、遺言書がない場合は、基本的には法定相続人が財産を引き継ぐことになります。
今回は、兄弟姉妹が独身者の場合の相続について考えてみましょう。
独身者の相続人は誰か
独身者が亡くなった場合、相続人の範囲は家族状況によって違ってきます。
(1)親が相続人になるケース
独身者が亡くなると、親が健在であれば、相続人になります。
両親が健在であれば、父母がそれぞれ遺産の2分の1ずつの割合で相続し、父母のいずれかが亡くなっている場合は、存命の親がすべての遺産を相続します。
(2)祖父母が法定相続人になるケース
可能性として、あまり多くないですが、両親がすでに死亡している場合に、祖父母が存命であれば、祖父母が相続人になります。
(3)兄弟姉妹が相続人になるケース
両親、祖父母ともに亡くなっている場合は、独身者の兄弟姉妹が相続人です。兄弟姉妹が複数いる場合は、均等に遺産を相続する権利を持ちます。
なお、片親だけが共通する異父母兄弟姉妹の相続分は、両親共通の兄弟姉妹の半分になります。
(4)甥姪が代襲相続するケース
独身者の両親、祖父母が亡くなり、兄弟姉妹が亡くなっている場合に、甥や姪がいれば、かれらが代襲相続人になります。なお、甥姪の子は代襲相続人になりません。
相続人が誰もいないとどうなるのか
(1)相続財産清算人が財産を清算する
法定相続人がいない場合、その人の財産を清算する役割をするのが相続財産清算人で、利害関係者や検察官が家庭裁判所に申し立てて選任します。
相続財産清算人が選任されると、官報で公告されます。一定期間を過ぎても相続人が名乗り出ない場合は、債権者や特定受遺者(相続人ではない親戚)に財産が分配されます。
(2)特別縁故者への財産分与
債権者や特定受遺者に財産が分配されたのち、残った財産があれば、特別縁故者に与えられます。
特別縁故者とは、法定相続人ではないものの、被相続人と特別の縁故があった人のことです。特別縁故者として認められるためには、家庭裁判所に申し出て認めてもらう手続きが必要です。たとえば、被相続人を療養看護していたとか、同一生計にあった(内縁の妻や夫など)ことなどが該当します。
(3)最終的に国庫に帰属する
特別縁故者が不在であれば、独身者の財産は、最終的に国庫に帰属します。
家庭裁判所で相続財産清算人が選任され、債務整理などを行ったうえで、残った財産は国に引き継がれます。
独身者の相続における注意点
(1)兄弟姉妹、甥姪は相続税が2割加算される
独身の兄弟姉妹が亡くなった場合、相続人となる兄弟姉妹や甥姪には、相続税が通常より2割多く課税されます。相続税の試算や資金準備を早めに行う必要があるでしょう。
(2)内縁の配偶者には相続権はない
独身の兄弟姉妹が内縁の配偶者と生活していた場合でも、内縁の配偶者には相続権が認められません。可能性としては、家庭裁判所への申し出を経て、特別縁故者として認められるという道があります。
(3)相続手続きする人がいない
独身者が亡くなったあと、各種手続をする人がいないケースは少なくありません。
親族がいても、高齢者ばかりだったり、関係が疎遠になっている場合もあるでしょう。相続手続きを実行できる人がいないと、相続税の申告期限に間に合わないなど、さまざまなトラブルにつながります。





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