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【相続問題】疎遠な相続人と円滑に遺産分割協議をすすめる方法

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 1月15日
  • 読了時間: 5分


遺産分割協議書は、複数の相続人が遺産を分けて相続する際に作成する書類です。

相続人になる人は法律で決まっています。遺産分割協議は法定相続人全員が参加して行わないと無効になるので、疎遠で全く会ったこともないような相続人であったとしても、遺産分割協議に参加させなければいけません。

 

  疎遠になりがちな相続人とは

 疎遠な相続人には、長年連絡を取っていない親戚関係のほか、過去にトラブルがあって。縁を切ってしまったケースも含まれます。主に以下のパターンが疎遠な相続人の典型例です。

①被相続人の前配偶者の子ども

②被相続人が過去に認知した子ども

③被相続人の兄弟またはその代襲相続人(甥姪)

④過去にトラブルがあって疎遠になった相続人

 

  疎遠な相続人へのアプローチ手段

疎遠な相続人との遺産分割は、初動が重要です。相続はお金に絡む問題なので、慎重に注意しながら進めていくのが肝心です。

(1)住所がわかれば手紙を出す

疎遠にしている相続人の住所や連絡先を知っていれば、その住所に宛てて手紙を送ってみましょう。

最初の連絡は、なるべくなら専門家(弁護士や行政書士、司法書士など)からではなく、自分自身で手紙を書いて送った方がいいでしょう。誰しも、突然知らない士業事務所から封筒が届くのは気味が悪いし、警戒されてしまいます。

専門家の中には、いきなり遺産分割協議書を送りつけるようなことをする事務所もあるようですが、それは非常に危険です。

(2)住所がわからない場合
①戸籍調査

疎遠な相続人の住所を調査する方法として、被相続人の戸籍から相続人(対象者)の戸籍をたどり、対象者の最新の戸籍にまでたどり着いたら、その本籍地で戸籍の附票等を取得することが可能です。戸籍の附票には、対象者の住所地が記載されています。

ただし、個人が遠い親族の証明書を取得するのは非常に難しいため、職務上請求ができる行政書士や司法書士に、相続手続きを含めて依頼をした方が賢明です。

②住所地に居住していない場合

場合によっては、住民票上の住所と、実際に生活している居住地が合致しないことがあります。住民票登録の住所に居住していない場合は、それ以上追跡する公的書類がないので、相続の専門家に依頼しても、そこで相続手続きは手詰まりになってしまいます。

探偵を使って調査する方法も考えられますが、かなりの費用がかかるうえ、確実に行方不明者にたどりつけるかどうかは不明です。

③失踪宣告制度

行方不明の相続人がどうしてもみつからないときには、失踪宣告の制度を利用する方法があります。

ほかの相続人などが家庭裁判所に失踪宣告の申立てをすると、法律上死亡したものとみなす審判を得ることができます。

家庭裁判所から選任された不在者財産管理人が、不在者に代わって、遺産分割協議に参加します。なお、不在者財産管理人を交えて遺産分割協議を行う場合は、遺産分割協議に参加するための権限外行為の許可を取得しておく必要があります。

 

  疎遠な相続人との交渉の注意点

(1)はじめの手紙は相続の経緯説明と連絡先だけ

ケースバイケースではありますが、疎遠な相続人に手紙を送る場合、いきなり財産目録等を付けて、遺産分割方法を提案するのではなく、まずは、自分の連絡先と、被相続人が亡くなった経緯、相続手続きに協力してほしい旨にとどめた内容で送るのがいいと思います。

(2)疎遠な相続人に財産の内訳は伝えるべきか

ほとんど関わりのない相続人に相続財産の内訳を伝えたくない気持ちは理解できますが、相続手続きに協力してもらうわけですから、財産状況がわからなければ、相手も対応を検討することができません。

したがって、被相続人の財産は、包み隠さずに全てを提示すべきです。財産の内容は、最初に挨拶文を送ったあとに公開するといいでしょう。

何かを隠すと相手に不信感を抱かせることに繋がるので、最初から全部を伝えて、相続手続きに協力してもらうことを最優先に考えましょう。

(3)連絡を無視されたらどうする?

手紙を送っても、全く音沙汰がなく無視される場合もあります。

大変困りますが、こちらからの連絡に対して何も反応がないケースは少なくありません。あるいは、面倒ごとに関わりたくないという場合も多いと思います。

手紙を送っても何も反応がない場合は、何らかの反応があることを祈って、もう一度、手紙を送ってみましょう。ケースによっては、自宅へ訪れてみる方法が有効かもしれません。

(4)家庭裁判所に調停を依頼する

最終的に、相手がまったく反応しない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停を利用することができます。

裁判所からの出廷に応じないと、調停が不成立になり、自動的に「遺産分割審判」の手続が開始します。最終的に、裁判所の審判において遺産分割方法が決まると、ようやく遺産分割方法が決定します。

調停や審判には専門知識も必要になるので、専門の弁護士に任せましょう。その際にはかなりの費用も発生するので、可能であれば、調停にすすむ前の段階で、疎遠な相続人を含めた相続人全員によって、円満に遺産分割協議を成立させるのがベストです。

 
 
 

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