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【相続問題】相続した不動産の価値を知る方法

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2025年11月25日
  • 読了時間: 5分


相続財産に不動産が含まれている場合、不動産の評価額が極めて重要な意味を持ちます。不動産は価値が高く、相続財産の金額に占める割合も大きいことが多いので、評価方法で遺産分割の結果が大きく変わる可能性があります。不動産の評価次第では、相続人同士が揉めることも少なくありません。

そこで今回は、相続財産に不動産が含まれる場合を想定して、不動産の価格がどのように決まっていくかについて解説します。

 

  不動産の評価方法はいくつもある

不動産の評価には、「公示地価」、「相続税路線価(路線価)」、「固定資産税評価額」といった、複数の評価方法があります。

遺産分割協議においては、どの評価方法を選んでも問題になることはありませんが、評価方法がいくつもあることが紛争の種になるのです。

たとえば複数の相続人がいる場合、不動産を相続する相続人からすれば、ほかの相続人に支払う代償金を減らすために評価額をなるべく下げたいと考えるでしょう。不動産を相続しない相続人からすれば、受け取る代償金を多くなるために評価額を高い評価額を希望するのではないでしょうか。

 

  実際にどのような評価方法があるのか

早速、主な不動産の評価方法を見ていきましょう。

(1)実勢価格

実際に市場で取引される価格のことで、不動産の評価方法として用いられることが多いです。

ただし、業者の査定によっても、かなりの誤差が生じることがあるので、注意が必要です。

●実勢価格を知る方法

概略はこのようなデータに掲示されています。

1.国土交通省のサイト

国土交通省が公表している土地総合情報システムは、不動産の実勢価格を検索できるサイトで、誰でも利用可能です。不動産の取引価格以外にも、公示地価や基準地価も閲覧できます。

2.レインズのサイト

レインズが公開している、レインズ・マーケット・インフォメーションというサイトには、レインズに登録されたマンションや戸建ての直近一年の成約価格が公示されています。

建物を含めた実勢価格を調べる場合には大変便利です。

3.ほかの指標から実勢価格を逆算する方法

・実勢価格の目安=(固定資産税評価額)÷(0.7)×(1.1)

・実勢価格の目安=(公示地価・基準地価)×(面積)×(1.1)

・実勢価格の目安=(路線価)×(面積)÷(0.8)×(1.1)

4.不動産会社にヒアリングする

取引計上のタイムラグが発生するため、より実態に近い価格を知りたい場合は、現地周辺の不動産会社に相談するのもいいでしょう。複数の不動産業者に査定を依頼して、その中間や平均を評価額として用いる方法がよく利用されています。

(2)路線価

路線価(相続税路線価)とは、相続税を算出する際に基準として用いられる価格です。

路線価は、実勢価格の8割程度になるとされています。お、路線価は土地の評価額を対象にしているので、建物の価額は算出できません。

●路線価を知る方法

国税庁が運営する「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」のホームページ、もしくは、一般財団法人資産評価システム研究センターが運営する「全国地価マップ」からも路線価図をチェックできます。

日本国内のすべての地域で路線価図が作成されているわけではなく、郊外を中心に路線価が割り振られていない地域(倍率地域)もあります。倍率表は路線価と同様に、国税庁のホームページから確認することが可能です。

(3)固定資産税評価額

固定資産税評価額は、固定資産税路線価に従って算出される評価額で、土地、建物それぞれに設定されています。

固定資産評価額は、実勢価格のおよそ7割程度になることが多いです。

●固定資産税評価額を知る方法

固定資産税評価額を調べる方法は、主に下記の3つです。

1.課税明細書

毎年4月ごろに固定資産税・都市計画税の納税通知書と一緒に送られてきます。

2.固定資産税評価証明書

自治体窓口で取得することが可能です。

3.名寄帳(固定資産税台帳)

名寄帳は、所有者ごとに土地・建物の情報をまとめた一覧表です。

(4)公示価格

公示価格は、地価公示法に基づき、国土交通省土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示する指標です。

公示価格と実勢価格は一致するものではありませんが、土地取引においては、公示価格を指標とするように努めるべきとされています。

ただし、公示価格をそのまま評価額として利用するケースはないので、参考程度におさえておくとよいでしょう。

 

  どの評価方法を使うべきか

このように、不動産にはいくつかの評価方法がありますが、相続人の間で評価方法が合意できるのであれば、どの評価方法を使っても問題ありません。

もっとも、不動産を売却する際に用いられるのは実勢価格であることから、評価方法としては実勢価格を参考にするのがベターといえます。協議や調停でも実勢価格を用いることが多いです。

ただし、実勢価格といっても、業者によって査定価格に開きが出ることがあるので、遺産分割協議の際は、複数の業者の見積もりを開示するなどして、相続人全員が納得できるよう、慎重に取り扱うべきでしょう。

また、相続人の間で、不動産の評価方法等について意見が折り合わず、遺産分割がすすまない場合はがよくあります。

そのような場合は、一度相続問題に精通した税理士や会計士に相談することをおすすめします。相続問題に精通した税理士であれば、過去の経験等を参考に、当該事案に即した適切な評価方法の選択をアドバイスしてくれるでしょう。

 

 
 
 

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