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【相続問題】相続人がいない人に知ってほしい「特別縁故者」という仕組み

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2025年12月22日
  • 読了時間: 4分


少子化が進み、独居世帯が増加しています。

亡くなった方に相続人がおらず、さらに、遺言書もない場合は、遺産を引き継ぐ人がいないということで、最終的に国庫に入る流れとなります。

しかし、内縁の配偶者やいとこ等の親族、親しい友人等が、「特別縁故者」として裁判所に認めてもらうことができれば、遺産の一部を受け取ることが可能となります。

今回は特別縁故者について解説します。

 

  誰が特別縁故者になるのか

相続人がいない場合、相続財産は債権債務関係の清算後、最終的に国庫に帰属します。

しかし、被相続人と親密に交流していた人や、生前の被相続人に対して多大な貢献をした人がいる場合は、その人に遺産を分け与えることが、被相続人の意思に沿う可能性が高いと考えられます。

そこで、相続人がいないケースに限って、相続財産を国庫に帰属させる前に、特別縁故者が相続財産の分与を受ける道(特別縁故者制度)が開かれているのです。

民法では、特別縁故者となり得る者として、次の3つの類型が規定されています。

(1)被相続人と生計を同じくしていた人

被相続人と同一の生計を営んでいた、内縁の妻や夫、被相続人の子の妻、伯父(叔父)・伯母(叔母)などの相続権のない親族などは、特別縁故者と認められる可能性があります。

(2)被相続人の療養看護に努めた人

被相続人の療養看護に尽力した人は、特別縁故者と認められる可能性があります。

高齢の被相続人の看護を行ってきた、入院先のサポートや身の回りの世話を継続していたといった場合などが考えられます。

ただし、家政婦や看護師のように、報酬を得て介護に従事していた場合は、特別縁故者に該当しません。

(3)その他被相続人と特別の縁故関係があった人

生計同一者や、療養看護者には該当しないものの、これらと同程度に被相続人と密接な関係があったなど、さまざまなケースが考えられます。

個人だけでなく、地方公共団体や学校法人などの法人や団体も対象となり得るとされています。

 

  特別縁故者の手続き

(1)相続人の調査

特別縁故者になるためには、裁判所に特別縁故者であることを認められる必要があります。

相続人がいないことを確認するために、戸籍等の調査を行います。行政書士や司法書士等の専門家に依頼すると手続きがスムーズです。

(2)相続財産清算人の選任

申請者が戸籍で相続人の不存在を確認したうえで、家庭裁判所に対して、相続財産を管理するための相続財産清算人の選任を申し立てます。相続財産清算人は、あらためて相続人、相続債権者及び受遺者の申し出を求める旨の公告(捜索)を行います。

申し出があった債権者等に対しては、相続財産から債務を清算します。

(3)財産分与の申立て

上記の捜索の結果、相続人等申し出がなく、清算後の残余財産がある場合は、特別縁故者は家庭裁判所に対し、被相続人の財産分与を申立て(請求)することができます。

家庭裁判所が相当と認めれば、特別縁故者は、清算後残った相続財産の全部又は一部を取得することができます。

 

  特別縁故者の限界

(1)相続人がいる場合には適用されない

特別縁故者制度は、あくまでも相続人がいない場合の例外的な制度であり、相続人がいる場合には適用されません。

相続人がいるが、特定の縁故者に相続財産を渡したい場合は、遺言を作成して、その縁故者に財産を分けるように指定する必要があります。

(2)取得できる財産は被相続人との関係によって変わる

特別縁故者に分与される財産の割合は、被相続人との関係性など、様々な事情を考慮して裁判所の裁量により決定されます。

被相続人との交流が少ない特別縁故者への分与合は少なくります。被相続人と同居し、長年にわたって身の回りの世話をしていた特別縁故者に対しては、相続財産の全部や大部分が分与されるでしょう。

 

  単身者の相続の相談は専門家に

特別縁故者は、相続人がおらず、かつ生前の被相続人と非常に深い関係にある場合に限って、認められます。

特別縁故者が相続財産の分与を申し立てるまでには、相続財産管理人を選任したうえで、公告手続きを経る必要があり、かなりの時間と手間がかかります。

したがって、単身者の心構えとしては、やはり自身の生前に、公正証書による遺言書を遺されるべきと考えます。遺言書作成については専門家にご相談ください。

 
 
 

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