【相続問題】葬儀代は誰が支払うのか
- 行政書士 服部祥明

- 5月21日
- 読了時間: 3分

亡くなった方の葬儀代は誰が支払えばいいのでしょうか?相続手続きの一番はじめに悩む問題は実はこれかもしれません。
相続人の誰かが一旦立て替えればいいのか、相続人のひとりが立て替えて支払った場合に、その他の相続人に請求することはできるのか、それとも被相続人の相続財産の中から出せばいいのか。どれが正解かについて、定説があるわけではありません。
葬儀代と遺産相続
相続財産は、債権だけでなく、債務を含めて、被相続人が生前に有していた財産に限られるので、死後に発生する葬儀代は相続人が相続する債務ではありません。
相続財産ではないとすれば、誰が葬儀代を支払うのものなのでしょうか。
(1)慣例としては喪主が支払うもの
一般的な慣例としては、葬儀代は喪主が支払うべきと考えられています。もしくは、実家の家業や自宅不動産を継いだ相続人が負担することもあります。
(2)相続人で分担して支払う
葬儀費用を長男や長女だけが負担するのは不公平感があり、トラブルにもつながるため、兄弟姉妹間で葬儀費用を分担するケースもあります。
(3)故人の銀行口座からの支払い
故人の銀行預金などから葬儀費用を支払うケースがあります。
この場合、預金を引き出した相続人が、他の相続人から横領や私的に使用した使途不明金であるという疑いをかけられたり、相続放棄ができなくなるするリスクがあるので注意が必要です。
故人の口座から預貯金を引き出す際には、仮払い制度を利用することも可能です。ひとつの金融機関で150万円を上限に、各相続人が相続分の3分の1の仮払いを請求できます。
仮払いを申請する際には、戸籍謄本を一式揃える必要があります。また、預金の全額は引き出すことはできず、銀行の相続手続きを完了できるわけではないので注意が必要です。
(4)香典の扱い
香典は、死者の霊前に供えるものであり、相続財産ではないので、各相続人が分割請求することはできません。
香典によって葬儀代を支払い、足りない場合は喪主が負担、もしくは各相続人が分担して費用を出し合います。
(5)死亡保険金から葬儀代を支払う
被相続人が生命保険(死亡保険)に加入をしていた場合は、死亡保険金から葬儀代を支払う方法も考えられます。
死亡保険金は、遺産分割前であっても、被相続人の死亡を証する戸籍謄本を提出すれば、すぐに受け取ることが可能です。実際に、被相続人が葬儀代に充てる目的で、死亡保険金に加入しているケースも多いはずです。
お墓について
(1)お墓の購入費用
お墓や仏壇、仏具は「祭祀財産」と呼ばれ、相続財産とは区別されます。
相続財産は遺言書や遺産分割協議によって分配されますが、祭祀財産は法律に基づき、原則一人の方(祭祀承継者)が承継するものとされています。
(2)お墓の維持管理費等
お墓の維持管理費は、墓地使用者(祭祀承継者)が負担するものと考えられます。ただし、この場合の費用負担についても、法律で決められているわけではありません。
お墓の承継者(祭祀承継者)が維持管理費を全額負担するケースが多いですが、家族で負担する割合を話し合い、その額を負担するケースもあります。





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