top of page
検索

【相続問題】遺産分割協議が必要ないケースについて

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 7月31日
  • 読了時間: 4分

相続が発生した際に、遺言書がなければ、多くの場合は法定相続人全員による遺産分割協議が行われ、遺産分割協議書がつくられます。ただし、かならずしも遺産分割協議書を作成しなくてもいい場合があります。

今回は、遺産分割協議書なしで相続が完了するケースを紹介します。

 

  遺産分割協議が必要なケース

(1)相続税の申告義務がある

相続税の申告義務がある場合は、遺産分割協議書が必要です。税務署に提出する申告書に、相続財産の分割等に関する書類として、遺産分割協議書や遺言書の添付が求められるからです。

なお、相続税額の軽減に繋がる「小規模宅地等の特例」や「配偶者控除(配偶者の税額軽減)」などの特例を適用する際にも、遺産分割が成立していることを証明するために、遺言書か遺産分割協議書の提出が必須です。

相続税の申告期限は、相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。それまでに遺産分割協議書を作成しましょう。

(2)相続登記義務がある

相続財産に不動産が含まれ、相続登記が必要な場合は、遺産分割協議書が必要です。法務局に提出する相続登記申請書には、遺産分割協議書や遺言書の添付が求められます。

 

  遺産分割協議書が不要なケース

法律的に有効な遺言書があり、その遺言書に誰がどの財産を引き継ぐかについて指定されている場合は、遺産分割協議書は不要です。

法定相続人がひとりしかいなければ、その相続人が全ての遺産を引き継ぐことになります。相続人がほかにいなければ、遺産を相続するにあたって、合意を得る必要はないので、当然のことながら遺産分割協議書は不要です。戸籍謄本などによって、唯一の相続人であることを証明すれば、単独で相続登記をすることができます。

相続人のひとりだけを残して、他の法定相続人全員が相続放棄をした場合も、単独相続と同様です。

法定相続人が複数であって、なおかつ遺言書がない場合でも、法定相続分通りに遺産分割するのであれば、遺産分割協議書は不要です。

たとえば、法定相続人が妻と2人の子の場合、法定相続分は妻が2分の1、子どもはそれぞれ4分の1ずつになります。

(4)現金や預貯金だけの遺産相続

遺産の内容が現金や預貯金だけであれば、遺産分割協議書は不要です。

金融機関での相続手続きは、金融機関が指定する書類に法定相続人全員が署名捺印をして提出すれば、遺産分割協議書の提出は不要とされています。

 

  相続が発生した際の注意点

(1)法定相続人の調査を行う

ここまで解説したように、法定相続人が単独、もしくは法定相続分での相続をする場合については、かならずしも遺産分割協議書は必要ありません。

しかし、相続人が確定されていないまま、相続手続きをすることは危険です。これは遺産分割協議書がある場合も同じなのですが、遺産分割が完了したあと、あらたに相続人が現れたときは、遺産分割協議をやり直さなければならなくなるのです。

(2)不動産を法定相続分で共有にすることは避けたい

不動産を法定相続分で遺産分割をすると、不動産は必然的に法定相続人全員の共有名義となり、権利関係が複雑化するため、おすすめしません。

当該不動産を売却したり、抵当権(根抵当権)を設定するためには、共有者の全員が合意したうえで、手続きをする必要があります。特別な理由がない限りは、相続不動産を単独名義にする、もしくは換価分割や代償分割なども活用して、相続トラブルを回避しましょう。

(3)相続財産の調査を行う

相続人の確定と同じく、遺産分割の前に相続財産の調査を行い、相続財産の全体像を把握しましょう。

相続税が発生するかどうかは重要な問題であり、前述のように、とくに遺産に不動産が含まれている場合は注意が必要です。なお、被相続人の保有していた不動産は、固定資産税の納税通知書や、市町村が保有する「名寄帳」、所有不動産記録証明制度で確認することができます。

 
 
 

コメント


bottom of page