top of page
検索

【相続問題】遺言執行者の選び方について

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 7月23日
  • 読了時間: 5分

遺言執行者は、遺言者が亡くなった後で、財産の分配や名義変更、相続手続きなどを進める役割を担います。相続トラブルを未然に防ぎ、遺された家族の負担を大きく軽減するためにも、遺言執行者の役割は大変重要です。

相続手続きには、専門的な知識や調整力が必要となる場合が多く、遺言執行者の選定を間違えると、相続手続き全体に支障をきたす危険があります。また、不動産の名義変更や預貯金の解約、遺贈の実行など、実務面で大きな責任が伴うため、慎重な人選が求められます

 

  遺言執行者の権限と制限

遺言者は、遺言執行者を指定することも、指定しないことも自由ですが、遺言執行者を指定ししておくと、遺言者が亡くなったあと、相続手続きをスムーズにすすめる効果が期待できます。後述しますが、相続人が家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立てる方法もあります、

遺言執行者には、遺言に記された内容を確実に実現する責任があります。遺言執行者が適切な手続きを行うことで、相続人同士の意見の食い違いによるトラブルも防ぐこともできます。

遺言執行者には、遺言書の内容を確実に実現するための強い権限が与えられ、銀行口座の解約や不動産の名義変更など、相続手続き全般を単独で進めることができます。

その一方で、たとえば、遺言書に記載されていない内容や、相続人の生活に重大な影響を及ぼす場合は、遺言執行者が勝手に判断して実行することはできません。

 

  遺言執行者を選任するメリットとデメリット

(1)選任するメリット

遺言執行者を選任することによって、相続人同士の意見対立や遺産分割協議の混乱を避けることが期待できます。とくに、親戚関係が疎遠な場合には、遺言執行者の存在が大きな安心につながります。

また、遺言執行者に専門家を指定した場合は、手続きの円滑化や、第三者が間に入ることで公平性が保たれやくなります。

(2)選任するデメリット

特段、デメリットは考えられませんが、なんといっても、誰を選任するかに尽きます。適切な人物を選任しないと、かえってトラブルを招く場合もありえます。

相続手続きには、相続人全員の同意や協力が必要です。関係がこじれてしまうと、手続きが延々と長引いてしまうだけでなく、最悪の場合は、遺言の内容に不満がある相続人が手続きを妨害するケースもあります。

 

  遺言執行者の選び方

遺言執行者に誰を選ぶかという課題は、遺言内容を確実に実現するために非常に重要です。誰を選ぶかによって、相続手続きの円滑さやトラブルの有無が大きく左右されます。

選任方法としては、2つの方法があります。

(1)被相続人自身が遺言書で指定する

遺言の内容を実現するために一番確実な方法は、遺言者自身が遺言書で遺言執行者を指定する方法です。遺言書以外の方法で遺言執行者を指定する方法は、かえってトラブルの原因になる可能性があるので、おすすめしません。なお、遺言書には、「誰々を遺言執行者に指定する」旨、フルネームや続柄も正確に記載します。

なお、遺言執行者は複数でも構いません。その場合、「遺言執行者は単独でも遺言執行できる」旨、記載しておきましょう。

(2)家庭裁判所に選任を申し立てる

遺言書に指定がない場合は、家庭裁判所で選任を申し立てる手続きが必要です。その場合、家庭裁判所は、弁護士や司法書士など、士業の第三者を選びます。

通常、申立人は相続人ですが、利害関係者が行うことができる場合もあります。遺言書の写し、相続人全員の戸籍謄本、申立書などの書類を揃えて提出し、その後、家庭裁判所から選任の結果が通知されます。

 

  遺言執行者の人選のポイント

遺言の内容を正確に実現するためには、相続人同士の利害調整や複雑な手続きを冷静に進める力が求められます。人間性が誠実、公平であり、事務処理能力や調整力を有する人です。法律や税金、各種行政手続きにも精通した人物が理想ですが、弁護士、税理士、行政書士、司法書士などの専門家を選ぶケースもあります。

なお、親族、専門家に限らず、多忙な人物は避けたほうがよいでしょう。遺言執行の手続きは、予想した以上に時間を要します。

 

  遺言執行者の報酬について

専門家に遺言執行者の就任を依頼する場合、報酬が発生します。遺言執行者の報酬は、一般的に遺産の総額や業務の内容によって異なりますが、一般的な相場としては、遺産総額の1~3%程度が目安とされています。

金額が高額であるという印象を受けるかもしれませんが、業務の煩雑さや責任の重さを考えると、適正な金額といえます。なお、遺言書に具体的な報酬額が記載されている場合は、その金額が優先されます。また、遺言執行者の報酬は、基本的に相続財産から支払われることが一般的です。

 

  遺言執行者の解任や辞任について

通常はあまり考える必要はないと思いますが、最後に遺言執行者の解任や辞任について解説します。たとえば、遺言執行者が不適切な行為をした場合や、健康上の理由などで職務が困難になった場合などが考えられます。

(1)解任について

遺言執行者の解任は、重大な問題が発生した場合に限って認められています。遺言執行者が職務を適切に果たさない、または不正行為などの事由があるなどの場合、相続人や利害関係者が家庭裁判所に解任を申し立てることが可能です。

(2)辞任について

遺言執行者はやむを得ない事情がない限り、自己都合で辞任することはできません。

遺言執行者が辞任理由を書いた申立書と必要書類を家庭裁判所に提出し、その後、裁判所が事情を審査して許可が下りれば、正式に辞任できます。

 
 
 

コメント


bottom of page