【相続問題】非協力的な相続人がいる際の遺産分割協議
- 行政書士 服部祥明

- 4月21日
- 読了時間: 4分

身内の方が亡くなり、遺産分割協議をしようとした場合に、連絡を無視したり拒否する相続人がいるケースがあります。
相続人全員が合意しないと遺産分割を実行できません。このような場合には、どうしたらいいのでしょうか。遺産分割手続きが遅れると、相続税の申告期限に間に合わないリスクもあり、早急な対応が求められます。
今回は、連絡を無視、拒否するなど、非協力的な相続人がいる場合の相続分割協議の進め方について解説します。
遺産分割協議書が必要になる場面
遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ成立しません。 たった一人でも非協力的な相続人がいると、預貯金の解約も不動産の名義変更もできず、手続きが完全に止まってしまいます。
具体的には、被相続人名義の不動産の名義変更や、預貯金口座などの解約、払戻しなどを行う必要があります。その際に、被相続人の遺言書がなければ、遺産分割協議書の提出を求められます。
遺産分割協議書の捺印を拒む理由を知る
なぜ相続人が遺産分割協議書に協力しないのかを明確にする必要があります。理由がわからなければ、対応できないからです。相手の状況を理解することが、解決の第一歩になります。
(1)感情的な対立
生前の親との関係や、他の兄弟姉妹への不満や不信感から、話し合いに素直に応じないケースがあります。離婚などによる過去の家族問題の拗れから、相続手続きの連絡が無視されるケースも多々あります。
(2)自分がもらえる遺産が少なくて納得できない
提示された遺産分割方法に不満があって、相続手続きに応じない相続人もいます。適切な情報開示や、丁寧な説明が不足していたのかもしれません。
(3)面倒ごとに関わりたくない
相続問題という面倒なことに関わりたくないと考える人も少なくありません。
連絡を無視したり拒否する相続人のなかには、被相続人との関係が疎遠になっている場合があります。遠方に住んでいるなどの理由で、手続き自体を面倒だと感じる人もいます。
(4)判断能力がない
高齢の相続人のなかには、認知症で判断能力がない、協力したくても、法的な判断ができない状態にある場合があります。
遺産分割協議書への協力を拒む相続人への対応
相続人が遺産分割協議に協力してくれない理由がわかったら、その内容にあわせた対応方法を検討していかなければいけません。
相手が感情的になっている場合は、遺産分割協議書の作成を焦らず、ゆっくり話し合いの場を持つことが重要です。感情的になっている状況で、捺印を急かせても、ますます意固地になるばかりで、逆効果です。
もらえる遺産が少なくて納得できない相続人に対しては、すべての遺産情報の開示や、あらためて遺産分割協議を行って、相手が納得する内容を再考する必要があります。
強引に納得させようとしても、相手は不信感を募らせ、遺産分割協議をまとめることが難しくなってしまいます。最悪の場合は、「遺産分割調停」に発展する可能性も生じます。
遺産相続に関わりたくないと考えている相続人の場合は、専門家に依頼するか、仲立ちをしてくれる親族に間に入ってもらう方法が考えられます。協議から逃げて、話し合いに応じてくれない相続人に対しても、根気よく説得して、遺産分割の場に引き込むしかありません。
うまく対応できない場合は家庭裁判所へ
長年の確執や誤解が存在すると、話し合いが難航することがあります。このような場合には、感情的な対立を避け、冷静かつ中立的な立場での対応が求められます。自分達だけで為す術がなければ、弁護士に交渉してもらうことを検討しましょう。
弁護士の交渉によっても、遺産分割協議書への捺印をしてくれない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を提起するしか方法がありません。遺産分割調停は、客観的な立場の第三者を間にはさんで行う協議で、相続人の合意を目指します。
感情的な対立が激しく、話し合いが成立しない場合や、相続人が裁判所に出頭せず、調停が不調に終わる場合もあります。このような場合は、最終的に遺産分割審判をもって結論を出す形になります。
家庭裁判所のお世話になるケースでは、弁護士の費用は膨らみ、時間も掛かるので、可能な限り、その前の段階で決着したいところです。
遺言書があれば問題解決
遺言書があれば遺産分割協議は必要ありません。遺言書の内容に沿って手続きを進めることができるため、相続人全員への連絡は不要です。
相続人間の人間関係が疎遠、険悪である家庭の場合は、被相続人は生前に遺言書を遺しておくべきです。遺言書にはいくつかの方式がありますが、可能であれば信頼度の高い公正証書遺言を選択してください。





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