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【離婚問題】交際相手の配偶者から不倫の慰謝料請求をされたら

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2025年11月26日
  • 読了時間: 5分


「交際相手が実は既婚者だった」という事実に直面したら、多くの人は、ショックや怒り、悲しみなど、さまざまなマイナスの感情に苛まれるでしょう。

結婚を前提にお付き合いしていた場合もあると思いますが、あるいは、既婚者と知って交際していたケースもあるでしょう。

このようなときに、相手の配偶者から慰謝料請求される場合があります。

 

  不倫(不貞行為)と認められる条件

(1)肉体関係の有無

不倫と認められる基本的な条件は、肉体関係がある場合です。

複数の異性の友人や同僚と仲良くしていた、数回デートをしたにとどまる場合であれば、基本的には慰謝料請求を行うことは困難です。なお、肉体関係がなくても、交流が頻回で家庭を顧みない等の事情がある場合は、不倫ではなくても慰謝料が認められることもあり得ます。

(2)過失の有無

客観的に見て、相手が既婚者であることに気づいたと判断されれば、慰謝料を支払う義務が生じますが、過失がなければ義務を免れます。

客観的というのは、たとえば、交際相手が左薬指に指輪をしていた、共通の友人がいて皆は既婚者であることを知っていたなど、確認すれば知ることができた事情があれば、相手が既婚者であることを知ることができた(過失がある)と判断されます。

 

  慰謝料を支払う義務がある場合とない場合

既婚者との不貞は、その配偶者に対する不法行為ですから、配偶者に対する損害賠償責任として、配偶者に慰謝料を支払わなければならないのが民法上の原則ですが、ケースによっては支払いを免れることがあります。

あくまで参考ですが、それを踏まえて、支払い義務の有無について考えてみます。

(1)支払い義務がある場合

基本的には相手が既婚者だと知ったうえで肉体関係を結んだ場合は、その配偶者に対する慰謝料の支払いを覚悟するべきでしょう。

不倫相手が長期間に渡って別居状態にあり、婚姻生活が完全に破綻している場合を除いて、不貞行為という評価は免れません。

(2)支払い義務がない場合

不貞行為があった場合でも、慰謝料を支払う義務がない場合もあります。

1.不貞行為から時間が経過して、時効が成立している場合

2.相手が既婚者だとは知らず、知らなかったことに過失がない場合

3.相手の結婚生活が完全に破綻していると認められた場合

 

  不倫相手に慰謝料請求できるか

それでは、反対にこちらから不倫相手に慰謝料請求する可能性を検討します。

(1)すぐに別れることが重要

相手が既婚者だとは知らなかった、騙されていたという場合に、慰謝料を請求することは可能です。法的な根拠は、「貞操権の侵害」です。

相手が既婚者であることがわかったら、すぐに交際をやめましょう。既婚者であると知った時点で、その後の関係は不倫になってしまいます。すぐに相手との関係を解消するのが賢明な判断です。

(2)貞操権の侵害があるか

貞操権とは、あなたが誰と性的な関係をもつかを自由に決めることができる権利です。

この自由を侵害されると、「貞操権の侵害」になり、慰謝料請求ができます。

交際相手が独身だと信じていたから付き合いを続けていたのに、「実は結婚している」と判明した場合、つまり騙されていた場合に、貞操権の侵害を理由として、相手に慰謝料請求できる可能性があります。

(3)「結婚」がポイント

貞操権の侵害を慰藉料請求の根拠とするためには、「結婚」に対する期待があったかどうかが、判断のポイントになります。

逆に「結婚」するつもりなく、性的な関係になったとすれば、貞操権の侵害を根拠に慰謝料請求することは難しいと考えます。

 

  慰謝料を請求する方法

相手から「独身である」と騙されて交際を続けていたときに、慰謝料請求をするためには、具体的に手順を知る必要があります。

(1)証拠を揃える

いきなり相手に「慰謝料を払ってほしい」と切り出すのではなく、先に証拠を集めましょう。

プレゼントされた婚約指輪や、結婚を前提にした旅行の資料(写真やレシート類)など、結婚を前提にした付き合いがあったことを示す証拠を押さえましょう。

(2)慰謝料を請求する

証拠を集めたら、相手に対し、「慰謝料を支払ってほしい」と伝えます。

話し合いによって、穏便に慰謝料を支払いそうな相手であれば、まずは電話や直接話してみます。

話し合いで慰謝料を支払ってもらえない場合には、内容証明郵便で「慰謝料請求書」を送る手段があります。内容証明郵便には、請求する慰謝料の金額と支払期限、支払い方法などを書き入れて、相手に誠意ある対応がみられない場合には損害賠償請求訴訟を検討していることを記しておくといいでしょう。

(3)示談書を作成する

相手と話し合い、慰謝料について合意ができたら「示談書」を作成して、合意内容に従って慰謝料を支払ってもらいます。

(4)最終的には裁判に訴える

話し合いによっては解決できない場合は、慰謝料請求訴訟を起こして損害賠償請求を行い、判決によって相手に慰謝料を支払わせることも視野に入れて検討すべきです。

 

  既婚者と知ったらすぐに別れるべき

不法行為には、「故意」または「過失」が要件となっています。交際当初に相手が独身であると信じていたのであれば故意がありません。

しかし、繰り返しになりますが、交際相手が既婚とわかっても、別れることができずに、ずるずると不倫関係を続けていると、相手の配偶者から慰謝料請求をされてしまう可能性が高まります。相手が結婚していると知った時点から「故意」に不倫を行ったことになるからです。

以上のことから、相手が既婚とわかったら、たとえ辛くても、すぐに別れてリスクを避けることが大変重要になります。

 
 
 

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