【離婚問題】共同親権の仕組みと問題点について
- 行政書士 服部祥明

- 7月24日
- 読了時間: 4分

2026年(令和8年)4月1日に、共同親権が導入されました。
従前は、離婚後に父母のどちらかが親権を持つ単独親権が採用されていましたが、共同親権の導入によって、離婚後の夫婦と子どもの親子関係の形が大きく変化することになりました。
今回は、共同親権の目的や手続き、問題点についても解説していきます。
共同親権とは
(1)共同親権の目的
親権は親が未成熟子を監護養育し、子の財産を管理する、親の権利であり義務です。共同親権とは、文字通り、離婚後も父母双方が子どもの親権をもつことです。
婚姻中の夫婦は子どもの共同親権を有しています。これまでは、夫婦が離婚する際に父母のどちらかを親権者(単独親権)に定める必要がありましたが、今後は離婚後も共同親権を選択できることになりました。これによって、離婚後も父母そろって子育てに関われることが期待されています。
(2)実際の共同親権の運用
子どもを引き取った親は、これまで通り日常的な世話を、他方の親の同意なく単独でおこないます。一方で、住む場所や進学、手術を受けるかどうかといった、子どもの人生に大きな影響を与える事柄については、両親が協議して決めます。
共同親権の手続き
共同親権の手続きは、3つあります。ひとくちに共同親権といっても、離婚届の段階なのか、離婚後の変更なのかによって手続きが異なります。
(1)離婚時に共同親権に合意している場合
離婚時に父母の合意ができていれば、共同親権を選んで届出をすることができます。
未成年の子が複数いる場合には、子ごとに親権者を決めます。制度上は、兄は共同親権、妹は単独親権という選択もあり得ます。
(2)離婚は合意しているが親権だけ決まらない場合
離婚すること自体は決まっているが、共同親権か単独親権がまとまらないケースがあります。この場合は、家庭裁判所において、親権者指定調停、審判を活用して、いずれかの親権を選択するかを決めることができます。
(3)離婚後に親権を見直す場合
すでに離婚している場合は、家庭裁判所への申立てにより、子の利益のため必要があると認められれば、親権者を変更することができます。一般的には父又は母が申立をしますが、子ども自身や親族の請求も認められています。
共同親権導入で変わること
(1)親権争いを回避できる
父母双方が親権者になりたいと主張している場合は、話し合いがなかなか進まず、離婚協議が調停や裁判に発展する可能性もあります。
共同親権であれば、親権の争いを避けることができるので、スムーズに離婚が成立する可能性も高まります。
(2)子どもの連れ去り問題を回避できる
子どもの親権を獲得したいという思いから、子どもを連れて強引に別居してしまう事例も多く発生しています。共同親権とすることによって、親権問題で争うことも少なくなり、子どもの連れ去り問題を防ぐ期待がされています。
(3)養育費の不払いを防げる
単独親権の場合は、非親権者の責任感が希薄になり、養育費が不払いになってしまうケースも多くあります。共同親権の導入によって、離れて暮らす親も子育ての責任を実感しやすいことから、養育費の不払いを防ぐ狙いがあります。
なお将来的には、共同親権の養育費に関して、新たな制度の導入が検討されています。
(4)離婚後も両親が子育てに関わることができる
共同親権によって、両親が積極的に子育てに関わることは、子どもの利益につながります。別居親にとっては、親子交流(面会交流)の実施が促進されるという期待があります。
離婚後も父母双方が子どもの養育について話し合い、協力して子育てをすることは、子どもの健やかな成長にもつながるでしょう。
(5)DVやモラハラが継続するおそれがある
共同親権の影響はプラスの効果だけに限りません。
離婚後も両親が連絡を取り合わなければならないため、DVやモラハラの被害が継続する危険があります。法改正により、一方の親や子どもがDVやモラハラの被害を受けている場合は、単独親権にしなければならないとされていますが、現在はまだ、裁判所の基準や判断が明確でないという課題があります。





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