【離婚問題】子どもの姓の問題
- 行政書士 服部祥明

- 4月16日
- 読了時間: 4分

結婚によって夫の姓を名乗っていた妻は、離婚によって基本的に旧姓に戻ります。
多くの人が誤解していますが、両親の離婚によって子どもの姓(苗字)は変わりません。子どもの姓を変更したとき、変更しないとき、それぞれどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。また、離婚後に子どもの姓を変更するためには、どのような手続きが必要なのでしょうか。
離婚によって姓はどうなるか
(1)改姓した妻は離婚したらどうなるか
結婚した際には、夫婦どちらかの姓を名乗ります。以下で、婚姻時に夫の姓を選んだ妻のケースで考えてみましょう。
夫婦の離婚が成立し、離婚届を提出すると、自動的に妻は結婚前の姓に戻ります。ただし、離婚後も婚姻中の苗字を継続して使用したい場合は、離婚の日から3か月以内に「婚姻時の氏を称する届」を市区町村役場に提出することによって、引き続き同じ苗字を名乗ることが可能です(婚氏続称)。婚氏続称をした場合でも、離婚した夫婦は別の戸籍になります。
(2)離婚しても子どもの姓はそのまま
両親が離婚しても、自動的に子どもの姓が変わるわけではなく、父親の姓のままです。
なぜかといえば、両親の離婚によって両親の戸籍は別々になりますが、子どもは父親の戸籍に残るからです。なお、これは親権をどちらの親がとるかとは関係がありません。
(3)子どもの姓を変えるためには戸籍の変更が必要
離婚後に旧姓を選んだ母親と、子どもの姓を同じにするためには、「子の氏の変更許可の申立て」を家庭裁判所に行い、許可を得る必要があります。
離婚後の子どもの姓をどうするべきか
(1)子どもを父親の姓にする場合
①メリット
子どもを父親の姓にする場合は、子どもの生活への影響を最小限に抑えられるというメリットがあります。
姓が変わると、学校や習い事などで登録情報の変更が必要です。これまでと違う苗字で呼ばれることへの抵抗感が生じ、両親の離婚を周囲に知られることにより、子どもにとって精神的な負担になる可能性があります。
②デメリット
両親が離婚をして母親が旧姓に戻ると、子どもは同じ戸籍に入ることができず、父親の戸籍に入ります。
学校や日常生活の中で、母子で異なる姓を記入しなければならない場面では、子どもが「なぜ自分だけ苗字が違うのだろう」と不安になり、精神的な負担を感じる可能性があります。
また、元夫は、自分の戸籍を通じて、子どもの住所(つまり同居する妻の住所)を知ることができます。元夫との関係性が悪いケースでは、自分の住所を知られることについて抵抗があるのではないでしょうか。
そのほか、離婚後に旧姓に戻った後、母親が再婚すると、「元夫姓→旧姓→新夫姓」と次々姓を変えることになるので、このことにも抵抗感をもたれる人もいるでしょう。
(2)子どもを母親の姓にする場合
①メリット
離婚しても姓が変わらなければ、離婚した事実を伝えるきっかけになるものは何もありません。
公的手続きも、とくに必要ありません。子どもが同じ学校に通い続けても、友達からあれこれ言われることもないでしょう。
②デメリット
元夫の姓を名乗るということに、屈辱を感じる人は少なくありません。
苗字が元夫姓のままであるというだけで、けじめをつけることができずに、いつまでもズルズルと過去を引きずっている気持ちになってしまうかもしれません。
子どもの姓を変更する手続き
(1)家庭裁判所に子どもの氏の変更申立てを行う
離婚後に子どもの姓を変更するためには、子どもの住所地を管轄する家庭裁判所に対して、「子の氏の変更許可の申立て」を行う必要があります。
申立ては、子ども自身が行うのが原則ですが、子どもが15歳未満の場合は、親権者が法定代理人として手続きを進めます。
(2)家庭裁判所から審判書を受け取る
申立てが受理されると、家庭裁判所で審査が開始します。
離婚を理由とした子どもの氏の変更は、一般的に許可されることが多いでしょう。ただし、事案によっては、書面による照会や審問が行われる場合もあります。変更が認められた場合は、家庭裁判所から「子の氏の変更を許可する」という内容の審判書謄本が自宅に郵送されます。
(3)市区町村役場に入籍届を提出する
審判書謄本を持参して、子どもの戸籍を母親の戸籍に入れるための手続き(入籍届)を住所地もしくは母親の本籍地の市区町村役場で行います。以上で、手続きは完了です。





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