【離婚問題】子どもの養育費はいつまで支給されるべきか
- 行政書士 服部祥明

- 1月6日
- 読了時間: 4分

離婚後の養育費は、いつまで支給されるべきでしょうか。
養育費は子どもが自立するまでに必要な生活費や教育費などを支払う義務のことで、一般的に、子どもが成人するまで支給するのが目安とされています。ただし、子どもの進学の状況や障害の有無、再婚や養子縁組などの事情によって期間が変わってきます。
そのほか、成人年齢が20歳から18歳になったことから、支給年齢の変化についても気になるところです。
養育費の支払い義務
養育費とは、民法が規定する「子の監護に要する費用」のことで、「生活保持義務」という義務に基づくものといわれています。
離婚した後でも親であることに変わりはないため、非親権者は親権者に対して養育費を支払う義務があります。具体的には、衣食住に必要な費用、医療費、教育費などが該当し、「生活に余裕がないから支払えない」などという主張は認められません。
養育費はいつまで支給されるのか
養育費を支給すべき期間は、一般的には子どもが成人するまでが目安とされていますが、子どもの状況によって変化します。
(1)子どもの成人以降も養育費の支給が続くケース
●子どもが大学等に進学した場合
離婚時に子どもが大学に進学している場合や、子どもが大学進学を望み、両親の経済状況に合致する場合は、大学卒業までを養育費の支払い期間とします。
●子どもが自立できない場合
たとえば、子どもが病気のために就労できない、障害があるなどの事情によって自立が難しい場合は、20歳を超えても養育費の支払い義務が継続することがあります。
(2)子どもの成人以前に養育費の支給が終了するケース
●親権者が再婚して、養子縁組した場合
養育費を支払う側や受け取る側が再婚しても、父母と子どもとの関係がなくなるわけではないので、養育費支払い義務は消滅しません。
親権者が再婚し、再婚相手と子どもが養子縁組をした場合は、再婚相手である養親が実親に優先して子に対する扶養義務を負います。
したがって、その場合は、実親による養育費の支払いが減額・免除される可能性が高まります。
●未成年の子どもが自立した場合
たとえば、子どもが高校を卒業してすぐに働き始め、経済的に独立しているケースでは、実親の養育費の支払い義務が免除される可能性があります。
●実親の経済的な事情
実親が病気や失業などで収入が減った場合は、実親双方の協議により、養育費が減額・免除になる可能性があります。
成人年齢の引き下げによって養育費の支払いはどうなる?
2022年4月に、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。ただし、これは養育費の支払い期間とリンクしているわけではありません。養育費は、あくまでも子どもが経済的に自立するまで支払われるべきものです。
2022年4月以前の取り決めによって、養育費の支払いを「成人まで」とした場合でも、20歳まで支払い義務があるものと考えられます。
再婚したら養育費の支払い義務はどうなる?
養育費を支払う側や受け取る側が再婚をしても、それだけで子どもに対する扶養義務がなくなるわけではないので、養育費の支払義務もなくなりません。
しかし、受け取る側が再婚し、再婚相手と子どもが養子縁組をおこなった場合は、養育費が減額・免除される可能性もあります。
養育費を確実に受け取るためには公正証書を作成する
養育費の金額や支給期間の条件について取り決めをしても、実際に受給されなくなってしまえば、約束の意味がありません。
公正証書を作らずに離婚した場合に、相手の不払いが発生すれば、養育費調停を起こさねばなりません。合意が整わず、調停が不成立となれば、審判の手続きによって、裁判所から相手に対して支払いを命じる審判を出してもらわなければなりません。その間に、相手が会社を辞めて支払い能力を失ったり、財産を隠す危険もあります。
養育費の不払いトラブルを防ぐためには、養育費をはじめとした離婚条件の取り決めを、公正証書にしておくことが重要です。公正証書にして執行受諾文言を入れておけば、相手が養育費の不払いをしたときに、すぐに相手の預貯金や生命保険、給料等を差し押さえることができます。
離婚後に養育費の金額を決め直したときにも、公正証書を作り直しておきましょう。





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