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【離婚問題】自分が有責配偶者になった場合の離婚について

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 1月6日
  • 読了時間: 4分


有責配偶者とは、離婚原因について責任のある配偶者のことで、他方の配偶者の信頼を裏切る重大な行為をした人のことです。

自分が有責配偶者になってしまうと、離婚をしたいと思っても、有責配偶者側からの離婚請求は認められません。自ら離婚原因を作っておきながら、相手が拒否しているのに離婚を請求するのは、あまりに身勝手だからです。

 

  有責配偶者となるケースとは

自分が離婚原因を作ると、有責配偶者になります。代表的な原因として、以下のようなケースがあります。

●不貞行為

●悪意の遺棄(同居、協力、扶助義務に反する行為)

●生死不明(おおむね3年以上)

●強度の精神病で回復の見込みがない

●その他婚姻を継続しがたい重大な事由(DV、モラハラ、ギャンブル依存など)

 

  基本的に有責配偶者からの離婚請求は認められない

有責配偶者となった場合、一定の条件を満たす例外を除いて、相手が受け入れない限りは、離婚は認められません。

たとえば、不倫している本人が、不倫相手と再婚するために今の配偶者に対して離婚裁判を起こしても、裁判所は離婚を認めてくれません。

 

  離婚が認められる例外ケース

(1)離婚協議の合意など

有責配偶者からの離婚の請求であっても、当事者間の協議によって離婚の合意ができれば離婚することは可能です。

協議が決裂しても、離婚調停や離婚裁判で話し合いが継続され、合意に至れば、離婚は成立します。

ただし、離婚が成立した場合でも、有責である以上、被害側配偶者から多額の慰謝料を請求されることがあります。

(2)裁判で離婚が認められたケース

以下は、裁判で離婚が認められたケースです。

①夫婦の別居が長期間に及んでいること(7~8年以上別居が続いている場合など)
②未成熟の子がいないこと
③離婚の結果、被害側配偶者が経済的に苦しい状態にならないこと

 

  有責配偶者であることと離婚条件への影響

離婚をする場合は、慰謝料、財産分与、親権、養育費、面会交流など様々な条件を取り決める必要があります。

有責配偶者の場合、これらの離婚条件がどのように影響するのかは気になるところです。

(1)慰謝料

有責配偶者の場合、訴訟をしても離婚が認められない可能性が高いので、離婚するためには被害側配偶者に離婚を納得させるしかありません。

多くの場合、相手に慰謝料を払う必要があります。

(2)財産分与

夫婦が婚姻期間中に形成した財産を、離婚に伴って分割するのが財産分与です。

基本的に、財産分与に有責性の有無が影響することはありません。

一般的に、離婚原因がどちらにあるかは問わず、夫婦の共有財産は、平等に2分の1で分け合うとされています。ただし、有責配偶者側からの離婚請求のケースでは、離婚を成立させるために2分の1を超えて財産分与することはよくあります。

(3)婚姻費用

婚姻費用は、離婚前に別居している期間にかかる生活費全般を指します。

夫婦それぞれが同水準の生活をするために、収入の多い配偶者がもう一方の配偶者に婚姻費用を払うことになります。

しかし、自から別居理由を作り出した側が、被害側配偶者に生活費の支払いを求めることは信義則に反するので、有責配偶者による婚姻費用の請求は認められにくくなります。

(4)親権

離婚する際には、子どもの親権をどちらにするかを定めます。

親権は子どもにとって、どちらの親と一緒に暮らし、生活していくことが有益かを総合的に判断されるため、親権の獲得に有責性は基本的に影響しません。

有責配偶者であっても、きちんとした態度で育児を行い、子どもとの信頼関係が構築できているのであれば、親権者として認められます。

(5)養育費

夫婦の離婚原因や離婚原因などは関係なく、監護していない親(非監護親)が監護している親(監護親)に養育費を支払います。

有責性の有無で養育費が増減することは、基本的にはありません。

(6)面会交流

両親がどのような理由で離婚に至ったかについては、子どもには関係ないので、有責配偶者にも面会交流する権利があります。

ただし、DVやモラハラなどによって、円滑な面会交流が実現できない場合もあるため、有責性の内容によっては、面会交流に制限が加わることは十分に考えられます。

 

  有責配偶者が離婚する際の注意点

(1)有責配偶者

有責配偶者であっても、相手が離婚を受け入れれば離婚可能です。

相手に離婚を求めること自体は可能であり、離婚協議が成立すれば離婚はできますし、調停の申し立てや離婚裁判もできます。

その際に、自ら相手を裏切ったのであれば、慰謝料として代償を支払うのは当然のことです。

(2)被害側配偶者

注意しないといけないのが、被害側配偶者から有責配偶者に対して慰謝料を請求する場合に、時効があるということです。

「離婚成立時から3年」または「離婚後有責行為が発覚したときから3年」、「有責行為があったときから20年」で時効になるので、要注意です。

 
 
 

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