【離婚問題】解決金ってなに?
- 行政書士 服部祥明

- 2025年11月26日
- 読了時間: 4分

離婚する際に、通常は夫から妻に、財産分与や養育費、慰謝料といった名目のお金が支払われますが、その中に解決金というものがあります。
耳慣れない言葉と思いますが、解決金とは、離婚問題を円満に解決するために、一方の配偶者から支払われる精算金のことで、法律で定められた義務ではなく、夫婦間の合意で取り決めるものです。
今回はこの解決金がどのような時に支払われるのか、また、そのメリットとデメリットについても解説します。
慰謝料と解決金の違い
(1)慰謝料とは
慰謝料は、不貞や暴力などの不法行為をした配偶者が、相手方の配偶者が被った精神的苦痛を慰めるために支払われるお金です。
民法に基づいて請求するものであり、法的根拠があり、慰謝料を請求する場合は、相手の不法行為や自分の精神的苦痛を証明する証拠などが必要です。
(2)解決金とは
解決金は、離婚に関する問題を解決する目的で、一方の配偶者から他方の配偶者に支払われるお金です。冒頭で紹介したように、法律上の支払義務はないので、理由や内容を明らかにする必要はなく、双方の合意で成立します。
たとえば、一方が再婚を検討している場合に、早急に離婚問題を解決するために、解決金を相手側に渡すケースなどが考えられます。
解決金が支払われるケース
(1)夫か妻のどちらか一方が離婚を拒否しているとき
どちらか一方が離婚を拒否している場合に、解決金を支払うことで、離婚に応じてもらえることもあります。離婚を拒否している原因が金銭的な理由にある場合には、応じてもらえる可能性が高まります。
(2)離婚時の金銭をひとまとめにしたいとき
離婚時には様々な金銭のやり取りが発生しますが、それらをひとまとめにして、解決金という名目で支払うこともできます。
(3)慰謝料という名目で支払いたくないとき
「慰謝料」という名目で金銭が支払われると、支払った側は自分に非があることを認めたことになります。したがって、自分に非があることを認めたくない場合などに慰謝料ではなく、解決金という名目で精算を希望するケースがあります。
(4)定期的な支給を一括払いに変更するとき
たとえば、「離婚後3年間、婚姻費用相当額を支払う」という決定や合意がなされたとき、定期的に支払うのではなく、解決金という名目で一括払いで精算する場合があります。
(5)性格の不一致で離婚するとき
本来性格の不一致で離婚する際、慰謝料は支払われません。どちらに非があるというわけではないからです。
しかし、実際の夫婦生活では、片方が一方的に我慢して生活を続けてきたという事情もよくあることです。そのような場合に、解決金を支払うことで離婚に合意してもらうという交渉があり得ます。
解決金のメリットとデメリット
(1)解決金のメリット
金銭的な理由で離婚に応じてくれない場合は、解決金を支払うことで離婚できる可能性が高くなります。
裁判離婚では、性格の不一致での慰謝料請求は認められませんが、解決金は離婚理由を挙げる必要がないので、合意をすすめる効果があるでしょう。
(2)解決金のデメリット
解決金を慰謝料のつもりで支払ったとしても、法的根拠がないので、受け取った側から改めて慰謝料請求されてしまうリスクがあります。
また、解決金には相場がないので、高額な支払を要求されてしまうことも考えられます。なお、高額な解決金の支給は課税対象になるので注意しましょう。
離婚協議書は公正証書で
解決金の支払い額が決まったら、離婚協議書で書面化するべきです。後々のトラブルの元になりますから、口頭で約束することはくれぐれも避けてください。
さらに、離婚協議書は信頼性の高い公正証書(離婚給付等公正証書)にしておくことをおすすめします。
なお、公正証書には必ず、以下のような清算条項を入れましょう。
甲及び乙は、以上をもってすべて解決したものとし、今後、財産分与、慰謝料等名目の如何を問わず、相互に何かの財産上の請求をしないことを約する。
この一文を入れることで、今後は双方において一切お金の請求をしないことが約束されます。
離婚の公正証書を作成する際は、ぜひ行政書士にご相談ください。





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