【離婚問題】離婚協議書を離婚届の前に作成するべき理由
- 行政書士 服部祥明

- 1月19日
- 読了時間: 3分

離婚協議書を作成するときは、基本的には離婚届提出の前に行うべきです。
離婚条件を決めないままで、とにかく早く別れたい一心で、「離婚届を先に出してしまおう」という考えは危険です。
「離婚の条件は後から決めればいい」 と安易に離婚届を出してしまうと、相手側が離婚成立後に離婚協議書の作成に応じてくれないなどのトラブルを招くケースもあります。
離婚成立前の交渉こそ、互いに柔軟に譲歩する余地があり、有利な取り決めが可能なタイミングです。このタイミングを逃さないよう、相手側に離婚協議書の作成を提案しましょう。
離婚協議書は離婚後に作成してもOKだが
離婚後であっても離婚協議書は作成できます。離婚協議書を作成する時期について法律上の制限はありません。ただし、以下の点に注意が必要です。
(1)離婚の条件を決めるのはいつか
大切なのは離婚に至る過程です。まずは離婚条件について夫婦で話し合い、納得できる内容で合意する必要があります。
離婚後に離婚条件について話し合うこともできますが、お互いが別世帯になることから、話し合いが難しくなったり、連絡が取れなくなるおそれがあります。
(2)離婚の意思がないのに離婚届を書いてしまったら?
離婚する意思がないのに、喧嘩の勢いなどで、離婚届を書いて配偶者に渡してしまうケースもあるようです。
廃棄してくれれば良いのですが、そのまま配偶者が役所に提出してしまえば、当然ですが離婚届は有効です。もし、勢いで離婚届に記入して配偶者に渡してしまった場合は、すぐに役所に「離婚届不受理申出」を提出しましょう。
離婚協議書は離婚届の前に作成するべき理由
(1)離婚して暫くすると財産状況がわかりづらくなる
離婚協議のおもなテーマは、財産分与や慰謝料、養育費といった金銭の取り決めです。
なかでも、財産分与については注意が必要です。財産分与とは、夫婦で協力して築いた財産を清算する手続きのことです。離婚して別居となると、お互いの保有する財産が分かりづらくなるので、財産分与の合意が難しくなることが考えられます。
(2)財産分与の請求権は離婚後2年以内
財産分与請求は、離婚後2年以内でなければ、裁判を通して相手方に請求をすることができません。離婚後の慌しい日々のなかで、2年はあっという間です。
財産分与を支払う側が、「分与する財産はない」などと開き直ってしまうと、請求期限が迫るなかで、財産分与を請求する側の状況は厳しくなります。
(3)言い分を変えてくるかもしれない
離婚時には「慰謝料を〇〇円払う」、「養育費は月々〇〇円支払う」と主張していても、いざ離婚届が提出されると、気持ちが変わって、主張を変えてくるかもしれません。
同様に、慰謝料の請求についても、支払うことが嫌になって、約束がウヤムヤになってしまうこともあり得ます。
近い将来のトラブルを防ぐために
離婚届を離婚協議に優先させてしまうと、慰謝料や財産分与の合意が難しくなる可能性が否めません。
したがって、離婚協議を離婚前に行って、離婚協議書を作成することは、離婚後の新生活のライフプランを計画するうえで、大変に重要な手続きです。さらに、強制力のある公正証書として合意内容をまとめておけば、力強い安心材料となります。
離婚を決意してから、離婚届を提出する間は気持ちの上でも落ち着かない時期だと思います。お互いに冷静に意見を話し合い、上手く離婚合意をするために、冷静になる時間も必要です。





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