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【離婚問題】離婚給付公正証書を作るために、どれぐらいの期間がかかるのか

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2025年11月27日
  • 読了時間: 5分

離婚の形は人それぞれで、「絶対にこれがいい」という方法はありませんが、将来にわたっての約束ごとがある場合は、離婚協議書を作成するケースが多いと思います。

離婚はそれでなくても心身ともに疲弊することが多く、なるべく楽に早く済ませたいという気持ちになりがちです。しかし、養育費や慰謝料、年金分割など、きめ細かく離婚の条件を決める場合は、普通の離婚協議書ではなく、5年後、10年後の安心のためにも、公正証書(離婚給付公正証書)を検討していただければと思います。

しかし、一般の方にとって、公正証書や公証役場というと、敷居が高いと感じられるのではないでしょうか。

そこで今回は、離婚給付公正証書を作成するための手順と、完成までのスケジュールについて、わかりやすく解説します。

 

  公正証書を作成するために、どれぐらい時間がかかるの?

多くの方が「公正証書を作成するためにはどれくらいの期間がかかるの?」「急いで作りたいけど間に合うかな?」という疑問を抱えています。

仕事の都合や、子どもの学校の関係で、決められた期限までに離婚手続きを完了させたいという事情もあることでしょう。

実際のところ、公正証書の作成期間は一律ではありません。「準備」と「作成」のそれぞれの段階で時間が必要で、案件の内容や当事者の準備状況によっても大きく変わります。

 

  準備段階

最初のフェーズは準備期間です。公正証書作成のために必要な書類を収集し、合意内容を明確な文章にまとめて公正証書の原案を作成します。
(1)必要書類の取得

必要書類には、戸籍謄本(夫婦と子ども)、住民票(同)、印鑑証明書などの基本的な書類のほか、財産分与の対象になる不動産登記簿謄本、預金通帳のコピー、給与明細書などが含まれます。

コンビニの証明書取得サービスを利用できる場合もありますが、戸籍謄本や登記簿謄本は直接、市町村役場の窓口での取得が必要です。平日の昼間に足を運ぶ必要があり、働いている方にとっては時間的な制約があります。

遠方に住んでいる場合や、本籍地が現住所と異なる場合は、郵送請求も可能です。

(2)公正証書原案の作成

必要書類の取り寄せと並行して、公正証書の「原案」を作成します。夫婦双方の合意内容を、原案の形に整理していきます。

離婚協議書の場合、養育費の金額、支払方法、面会交流の詳細、財産分与の内容、年金分割などの条件を具体的に文章化していきます。

この作業は、当事者だけで行うことも可能ですが、法的に適切な表現にするために、弁護士や行政書士などの専門家に依頼することも多くあります。

●自分で作成する場合

専門書籍やインターネットのサンプル文面などを参考にしながら、夫婦間の条件に合わせて文案を作成します。

原案作成については、法律用語の使い方や条項の記載順序、強制執行に関する条項の追加などについての知識が問われます。

●専門家に依頼する場合

弁護士や行政書士に文案作成を依頼すると、法的に適切で実行可能な文案を作成することができます。専門家への依頼費用は案件の内容によって異なりますが、後のトラブルを避けるためには有効な投資と考えます。

(3)原案送付

準備した原案を公証役場に送付します。多くの公証役場では、メールでの原案送付を受け付けており、FAXや郵送でも対応しています。

公証人は、原案について、法的な問題がないか、表現が曖昧でないか、実行可能な内容かなどをチェックします。この初回確認には、数日程度の時間がかかります。

(4)原案の修正

原案に問題があれば、公証人から修正の指示が出され、当事者は原案を修正して提出します。修正作業は、内容の複雑さによって、複数回にわたる場合もあります。

一般の方が初めて公正証書を作成する場合には、法律用語の使い方や契約条項の記載方法について、公証人から詳しい指導を受けるケースが多々あり、この段階でかなりの時間を要します。

(5)署名日の決定

原案の修正の結果、公正証書の案文が確定すると、公証役場で署名押印を行う日時の調整に入ります。

案文が決定してから日程調整に入るのが基本で、最速で2週間後を目安にしてください。公証役場の混み具合では、1か月以上先のスケジュールを指定される場合もあります。

署名日は平日の昼間が基本です(一部の公証役場では土曜日や夜間の対応も行っているようです。特別な時間帯の利用には追加費用がかかります)。

 

  公証役場での公正証書の作成と署名

決められた日時に、当事者全員が公証役場に出向き、公証役場で公正証書を作成し、署名押印を行います。

当日は、公証人が作成した公正証書の内容を読み上げ、当事者が内容を確認した後、署名押印を行い、手数料を支払います。

当日の手続き自体は、通常30分程度で完了します。

 

  全体の期間の目安

全体の期間は、準備状況によって大きく異なります。原案完成後、署名当日までの期間については、2週間~1か月を目安にするといいでしょう。

 

  専門家との連携

公証役場の公証人は、聞かれたことには間違いなく答えてくれますが、聞かれていない事柄に対してコメントすることはありません。具体的には、「これも決めておいた方がいいですよ」といったアドバイスはしないということです。その点は、少し心配です。

そのような懸念がある場合は、弁護士や行政書士と連携して、原案の作成から公証役場との打ち合わせまで、トータルで依頼することをおすすめします。

専門家は公正証書作成の経験が豊富で、適切な原案作成と効率的な手続き進行ができます。一般の方が作成するのに比べて、大幅な時間短縮も可能ですので、ぜひご検討ください。

 
 
 

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