【相続問題】両親の離婚で疎遠になった実父の死亡連絡がきたら
- 行政書士 服部祥明

- 2025年11月13日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年11月21日

両親が離婚して以来、父親とは会っておらず、連絡先や所在も知らないというケースはよくあります。
「疎遠の父が死亡したら連絡は来るの?」「その場合、誰からどうやって連絡が来るの?」といった疑問をお持ちの方がいるかもしれません。連絡が来る理由はさまざまですが、多くは、疎遠の父が亡くなり、遺産相続の手続きが必要になった旨の連絡です。
そこで今回は、疎遠の父の死亡連絡を受けるケースについて、またその対応について解説します。
疎遠の父の死の連絡はどこから来るか
疎遠の父が死亡した場合は、その子どもに連絡が来ることが多いです。
その場合、自動的に連絡が来るわけではなく、次のいずれかのパターンが考えられます。
(1)父の親族からの連絡
もっとも多いのが、父の親族からの連絡です。
親族は父の兄弟姉妹のほか、離婚後に再婚した相手やその子どもなど、顔も存在も知らない人からの連絡であるケースもあります。
遺産相続においては、原則すべての相続人が共同して手続きをしないと、解約や名義変更ができません。父と長年連絡が途絶えていても、戸籍をたどれば親子関係は判明します。父の親族が相続人調査を行い、遺産分割協議のために、前妻との間の子どもに連絡してくるわけです。
(2)役所などからの連絡
独居の父が亡くなった場合、病院やアパートの大家さんから連絡を受けた役所が戸籍をたどって調査をし、連絡がくるケースがあります。
(3)家庭裁判所からの連絡
父の親族が遺産分割調停を申し立てた場合、家庭裁判所から相続人の一人である子どもに対して、遺産分割調停が行われていることや、遺産相続手続きに関する意向の調査の連絡がされる場合があります。
このほか、自筆証書による遺言書がある場合は、検認手続きの過程で、法定相続人に対して検認期日を実施する旨の連絡が入ります。その段階で、疎遠の父が死亡した事実や遺言書の存在を認識することになります。
(4)警察からの連絡
突然、警察から連絡を受ける場合があります。
事件や事故に巻き込まれた場合や、孤独死などの不審死であったケースです。警察の調査の過程で、遺留品から家族の手がかりを見つけて、連絡があることが考えられます。
疎遠の父の死亡連絡を受けた時の対応
(1)遺産放棄するかどうかを検討する
死亡連絡を受けた場合は、遺産相続するか、相続放棄するかの検討を行いましょう。
遺産相続を完了するためには、相続人全員の合意により、遺産分割の方法を決める必要があります。
この場合、父親が財産を残していればいいのですが、借金を残して亡くなったケースもあります。実父が借金を作って死亡していた場合は、相続人である子どもは、借金も相続して引き継がなくてはなりません。その場合、相続放棄を選択すれば、借金を相続する必要はありません。
●すべて相続するかすべて放棄するかの選択
ただし、相続放棄をするとプラスの財産もマイナスの財産も一切受け取ることができなくなります。その際に、プラスの財産は受け取って、マイナスの財産は放棄するという都合の良いことはできないので要注意です
●相続放棄には期限がある
相続放棄の手続きには期限があります。原則として死亡を知ってから3か月以内に行う必要があります。したがって、父の親族から連絡を受けた場合は、速やかに相続するか相続放棄するかを検討し、手続きを進めるようにしましょう。
(2)遺品や遺骨の引き取りについて検討する
役所から相続人である子どもに、実父の遺品や遺骨の引き取り葬儀や納骨を依頼されることがあります。警察からも、同様の連絡が来るケースもあります。
しかし、役所から遺品や遺骨の引き取りを依頼されても、遺族には法律上の義務はありません。
遺族に引き取りを拒否されると、役所は「行旅死亡人(こうりょしぼうにん※)」として火葬し、遺骨は無縁仏として納められます。
連絡が来ないことがある
疎遠の父が死亡したという連絡が、かならず来るとは限りません。
父の再婚相手やその子どもが、離婚前に子どもがいたことを知らないこともあります。その状況のままで、死亡手続きや相続手続きが終了してしまうケースも考えられます。
その場合は、受け取るべき遺産を相続できなくなってしまうことも考えられます。したがって、疎遠の実父であっても、存命かどうかを知っておく必要があります。
実父が存命かどうかを知りたい場合は、戸籍で確認することができます。親族の戸籍は、親や祖父母、子や孫などの直系親族であれば取り寄せることができます。離婚後の父親の戸籍も、実子であれば取得可能です。





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