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【離婚問題】婚姻費用について解説

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2025年11月12日
  • 読了時間: 4分

更新日:2025年11月21日



民法には、「夫婦には、互いに協力して扶助しなければならない」と定められています。

別居をしても、法律上夫婦であることは変わらないため、その義務は継続します。

夫婦間の協力・扶助義務の一環として、夫婦のうち収入が多い方が少ない方に対して、生活費を負担する義務があります。これを「婚姻費用」分担義務といいます。

そこで今回は、婚姻費用について解説していきます。

 

  婚姻費用とは

夫婦には、お互いに生活を助け合う義務があります。

平穏に婚姻生活を営んでいる場合は、夫婦は同一の家計で生活しており、同水準の生活が保障されているため、婚姻費用の分担は問題になりません。

しかし、夫婦関係が悪化して別居をしている状況であれば、同一の生計で生活をしているという前提が崩れ、婚姻費用の分担が問題となります。

なお、婚姻費用とは、婚姻中の費用のことであり、離婚後の生活費を補填するものではありません。したがって、離婚後に元配偶者が支払うのは、婚姻費用ではなく養育費となります。

 

  婚姻費用の請求

(1)婚姻費用が支払われる期間

別居している夫婦の間で婚姻費用の精算を行うべき期間は、婚姻費用が請求されたときから離婚が成立するまでとされています。

つまり、遡及して請求することができないので、別居後できるだけ早く請求することが肝心です。

(2)請求の合意

婚姻費用の請求方法としては、基本的に夫婦お互いの合意によりますが、合意が得られない場合は、家庭裁判所への調停の申立てが有効な手段になります。

 

  婚姻費用の内訳

婚姻費用には、家族が通常の社会生活を維持するために必要な、あらゆる費用が含まれます。具体例としては次のものがあります。なお、請求できるのは、その家庭の収入や資産、社会的地位に見合った範囲内に限られます。

・衣食住にかかる費用

・医療費

・子供の養育費、教育費

・一般的に必要と考えられる範囲の交際費や娯楽費

 

  婚姻費用を請求できるケース、請求できないケース

婚姻費用は、夫婦のうち、収入が多い方が少ない方に支払います。そのほか、請求するための条件が設けられています。

(1)婚姻費用を請求できるケース
●相手よりも収入が少ない

婚姻費用の分担義務は、夫婦が同程度の生活水準を維持することが目的なので、夫婦のうち収入が多い方が支払います。

●夫婦の収入は同等だが、子どもを引き取っている

婚姻費用は、子供を養育するために必要な費用も含まれています。したがって、夫婦の収入は同等であっても、子どもの養育費相当額は請求できます。

●同居しているが家庭内別居状態

家庭内別居中で生活費を受け取っていない場合は、夫婦のうち収入の少ない側は、収入が多い側に対して婚姻費用を請求できます。

(2)婚姻費用を請求できないケース
●別居の原因が自分にある

正当な理由なく自分から別居した場合や、自分の行いが別居の原因である場合は、基本的に婚姻費用の請求が認められないか、減額される可能性が高いでしょう。

●すでに離婚が成立している

前述のように、離婚後は婚姻費用を請求できません。

●過去に遡って請求できない

婚姻費用は、請求をして相手が応じてから支給が開始します。通常は過去に遡って相手に請求する事はできません。

 

  婚姻費用の目安

裁判所は、婚姻費用の目安額(月額)を簡単に計算できる「婚姻費用算定表」をホームページで公表しています。

たとえば、夫が給与所得者(年収600万円)、妻が給与所得者(年収200万円)で、子ども1人の夫婦の場合、夫から妻に支払われる婚姻費用の目安額は10~12万円(月額)になります。

 

  婚姻費用の請求は早めに

離婚を前提にしてすでに別居している、または別居を検討している場合は、配偶者に対する婚姻費用の請求を検討しましょう。

これまで解説したように、別居後に遡って婚姻費用を請求するのは、基本的に困難です。したがって、早めに準備をするのが肝心です。

また、将来の離婚に備えて、離婚給付公正証書に条件を盛り込んでおくといいでしょう。公正証書作成の際は、行政書士や司法書士などの専門家のサポートをぜひご検討ください。

 
 
 

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