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相続発生時の相続人調査について

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 10月22日
  • 読了時間: 4分

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亡くなった方(被相続人)の相続手続きをする際には、相続人が誰であるかを確定させる必要があります。そのために必要なのが相続人調査です。

相続人調査をして相続人を確定しないと、遺産分割も相続税の申告もできません。しかし、ときにこれが大変な作業になる場合があります。

 

  戸籍調査について

(1)相続人を確定する理由

相続の手続きにおいて、最初にやらなければならないことは、相続人を確定することです。

相続手続きをする際には、多くの場合、相続人全員で遺産分割協議書を作成しますが、相続人のうち、誰か1人でも欠けていれば、その状態で遺産分割協議をしても無効になってしまいます。

(2)戸籍謄本からわかること

相続人を確定するためには、被相続人の出生から亡くなるまでのすべての戸籍を取得して、相続人調査をする必要があります。

戸籍謄本には、被相続人の出生から死亡までの親子関係だけでなく、いつ結婚していつ離婚したのかという婚姻関係、養子縁組や認知した子どもの有無、兄弟姉妹の有無など、相続に重要な情報すべてが記載されています。

調査の結果、被相続人と前妻との間に子どもがいたり、養子縁組をしていることが発覚するなど、親族の誰も知らない人が相続人だったことが判明することもありえます。

 

  家族関係によって異なる必要となる戸籍謄本

以下に、必要となる戸籍謄本の種類について例示します。

(1)被相続人に子どもがいない場合

被相続人に子どもがいない場合は、被相続人本人の戸籍に加えて、父母や祖父母などの戸籍謄本を集める必要があります。父母や祖父母が亡くなっているか、存命かによって必要になる戸籍謄本が変わります。

また、被相続人に兄弟姉妹がいれば、その人の出生から最後までの連続した戸籍謄本が必要です。

(2)被相続人が離婚していた場合

被相続人に離婚暦があり、前の配偶者との間に子どもがいた場合には、その子どもは相続人になり、その子の戸籍謄本も必要になります。

(3)被相続人が養子縁組していた場合

被相続人が再婚していた場合でも、再婚相手の連れ子は、かならずしも被相続人の相続人になるわけではなく、養子縁組をしていれば相続人になります。

養子自身がすでに亡くなっていた場合、その子どもに代襲相続が発生します。

養子に子どもがいた場合、養子縁組後に、養子に子どもが生まれれば代襲相続の権利を得ます(養子縁組時に、すでに生まれていた子どもは相続人になりません)。

 

  想像以上に大変な戸籍調査

相続人調査では、被相続人の出生から死亡までの全部の戸籍を取り寄せて、そこから相続人を調べることになります。

ただ戸籍を集めるだけと思われるかもしれませんが、想像よりもかなり大変な作業です。個別の状況により大幅に異なりますが、人によっては戸籍を軟十通も集めなければならないこともあります。そのため、戸籍収集のために、数か月も要する場合もあります。

(1)集める戸籍の数が多い

被相続人が高齢であればあるほど、集めなければならない戸籍の数は増えていきます。また本籍地を変えていれば、その数だけ必要な戸籍が増えます。

少ない人でも4~5通、多い人は数十枚になる場合もあります。

(2)戸籍謄本の改製

明治の初期に戸籍制度が始まってから、現在のデータ化された戸籍になるまで、これまで何度も法改正がおこなわれてきました。それに伴って戸籍の改製もおこなわれ、その度に前の戸籍は「改製原戸籍」に変わっています。

過去の改製原戸籍は記載の様式が違うだけでなく、手書きで判読が難しいものも含まれています。

(3)連続性がなければならない

被相続人の戸籍謄本を辿る際には、出生から死亡までの連続性がなければなりません。

ひとつでも欠けている戸籍があれば、すべての申請がやり直しになります。抜けている戸籍の中で、子どもが生まれていたり、養子縁組の記載がある可能性があるからです。

 

  相続人調査は専門家にお任せください

相続人調査に近道はなく、根気と専門知識が求められます。戸籍を集めて読み解くのは、煩雑で複雑な作業です。

ケースによって、数十通も取得する必要があり、何か所もの役所とやりとりをしなければなりません。また、昔の戸籍は様式が違う上に、手書きのものもあるため、読み解くための知識が求められます。

普段から戸籍謄本に触れていない方にとっては、かなりハードルの高い作業になることが想像されます。相続人調査を自分でおこなうことが難しい場合は、行政書士や司法書士などの専門家に調査代行を依頼しましょう。

 
 
 

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