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【遺言】自筆証書遺言が無効になるケースとは

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2025年11月14日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年11月21日



遺言書とは、亡くなられた方が生前に、「自分の財産を誰にどれだけ」残すかについて、意思表示した内容を文書に記したものです。

遺言書には大きく分けて「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。この中で、よく作成されるのは「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」です。

自筆証書遺言は、手間がかからず簡単に作成できる一方で、書きかたの不備などにより無効になる事例もあるようです。

そこで今回は、これから自筆証書遺言の作成を検討している方に向けて、遺言が無効になるケースについて解説します。

 

  自筆証書遺言が無効になるケースとは

(1)方式に不備がある

自筆証書遺言は、以下のような方式に反すると、無効になってしまうことがあります。

・全文が自書であること
・日付が明記されていること
・押印があること

なお、法改正によって、「全文の自書」の例外として、相続財産の目録を添付するときは、その目録は自書でなく、ワープロ書きやコピー(預金通帳など)でも可能になりました。なお、目録の毎葉には、署名と押印が必要です。

(2)内容が不明確

遺言書の内容が確定できない遺言は無効です。もっとも、遺言者の最終的な意思を尊重するため、できる限り有効となるように解釈がなされる裁判例もあります。

(3)公序良俗に違反している

公序良俗に反する内容の遺言は無効です。

公序良俗違反として争われる代表例は不貞相手に遺贈する事例です。そのほか、一般常識から明らかにかけ離れている遺言内容は無効となるリスクがあります。

(4)遺言能力がない状態で作成された

遺言能力について民法上明確な定義は存在しませんが、抽象的には「遺言当時、遺言内容を理解し遺言の結果を弁識し得るに足る能力」などと言われるケースが多いです。

たとえば、遺言当時に認知症であった場合は、遺言能力がないと判断される可能性があります。ただし、認知症といっても症状の程度はさまざまです。遺言能力の有無は、遺言者の年齢や病状を含めた心身の状況など、諸事情を総合的に考慮して判断されます。

(5)共同で書かれている

たとえば、夫婦で遺言書を作成する際に、ひとつの書面にまとめて書くことはやめましょう。共同書面の遺言書作成は民法で禁止されています。

(6)錯誤、詐欺、強迫による

錯誤、詐欺、強迫による遺言は取り消すことが可能です。

ただし、実際の裁判例においては、詐欺や強迫については、すでに遺言者が亡くなっており、立証が極めて困難であるため、主張が認められることは少ないようです。

(7)偽造された場合

偽造された遺言書は、当然「自書」ではないので、無効です。また、遺言書を偽造した人は、相続人になることができません。

 

  自筆証書遺言の検認

(1)遺言書を開封すると無効になる?

自筆証書遺言書は、開封せずに家庭裁判所に持ち込み、裁判所で開封して検認手続きを行うと定められています。

遺言は被相続人の最終の意思表示であり、可能な限り尊重されるべきものです。したがって、勝手に遺言書が開封されたとしても、それだけで遺言自体が無効になってしまうというわけではありません。

なお、自筆証書遺言書を開封してしまったときも、家庭裁判所にその旨を説明したうえで、検認手続きを行うことが必要です。

(2)検認についての注意

検認とは、家庭裁判所と相続人が、遺言書の存在とその内容を認識するとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付や署名など、検認日現在における遺言書の形式や内容を明確にし、それ以降の遺言書の改ざん等を防止するための手続きです。

要するに、検認日における遺言書の現状を確認するだけであって、遺言の有効性について、家庭裁判所が判断し、担保するということではないので、注意しましょう。

 

 
 
 

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