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【相続問題】遺言執行者のトラブル事例と対策について

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2025年11月19日
  • 読了時間: 4分

更新日:2025年11月21日




遺言書は、相続におけるトラブルを防ぐための重要な手段ですが、遺言執行者の行動が原因で、相続トラブルに発展するケースもあるようです。

遺言者が亡くなったあと、遺言書の内容にしたがって財産が受け継がれます。この財産の引き渡しを行うのが、遺言執行者です。かならずしも、遺言書のなかで遺言執行者を指名する義務はありませんが、スムーズな相続手続きをおこなうために指名されることが多いです。

故人の最後の意思である遺言書の内容をスムーズに実現するために、遺言執行者は重要な役割を担います。しかし、その遺言執行者が「いつまで経っても手続きをすすめない」「特定の相続人に有利な対応をする」といった問題がある人物であれば、残された相続人は大きな不安と不満を抱えることになります。

そこで今回は、遺言執行者にまつわるトラブル例と対策について解説します。


  遺言執行者とは

(1)遺言執行者の役割

遺言執行者とは、遺言の内容を実現するために、相続財産の管理やその他、遺言の執行に必要な一切の行為をする権利と義務を持つ人のことです。

遺言によって指定されるか、家庭裁判所によって選任されます。

遺言執行者には、相続人の代理人としての権限が与えられており、具体的には、以下の職務を行います。

●相続人の調査、確定
●遺産の調査と財産目録の作成
●預貯金の解約や払い戻し、有価証券の名義変更
●不動産の名義変更(相続登記)
●遺言の内容に従った遺産の分配
(2)遺言執行者になれる人

未成年者や破産者でなければ、誰でも遺言執行者になることができます。個人に限らず法人も指定することができ、法定相続人(配偶者、子どもなど)などの利害関係者も含まれます。

しかし、遺言執行の手続きには、相応の時間と手間、専門的な知識を要する場面があるため、専門家に依頼されることも多いようです。

 

  遺言執行者が原因で相続トラブルに発展する背景

遺言執行者は、個人の利益分配を扱う立場にあるため、人としての誠実さや信頼の有無がトラブルの原因になることが多いです。具体的には、以下のようなケースが考えられます。

(1)任務懈怠(なにもしない)

最も多いトラブルが、遺言執行者が正当な理由なく手続きを全くすすめないというトラブルです。

いつまで経っても遺産や相続人の調査に着手せず、相続人からの連絡を無視したり、進捗報告を一切しないといった、遺言執行者のサボタージュ問題です。

(2)特定の相続人との結託

遺言執行者は、全ての相続人に対して中立公平な立場でなければいけません。

しかし、特定の相続人と結託し、その相続人の利益だけを優先するような行為は、解任の理由となります。具体的には、一部の相続人にだけ有利な遺産評価額を提示するとか、相続財産を不当に安く特定の相続人に売却しようとするといった問題行動が挙げられます。

(3)人として非常識な行為

そのほか、常識外の様々な行為も解任事由となり得ます。

相続財産を自分のものと混同して使い込む、相続人に対して高圧的な態度をとる、暴言を吐くなどの非常識な行為などが考えられます。

 

  遺言執行者とのトラブルを避ける方法

(1)遺言書の存在と内容を共有する

遺言書の存在を知らずに、不誠実な遺産執行者によって相続手続きがすすめられると、後々トラブルが発生する可能性があります。

遺言書の存在とその内容を、あらかじめ相続人と共有することが、遺産執行者とのトラブル防止に役立ちます。

(2)専門家のアドバイスを受ける

遺言書作成にあたっては、司法書士、行政書士、税理士、弁護士などの専門家の助言を受けることが重要です。専門家のサポートを受けることで、法的に有効で適切な遺言書を作成することができます。

遺言執行者は、遺言書の内容を確実に実行する責任を負うため、公平かつ信頼性のある人物を選ぶことが求められます。

信頼できる専門家がいれば、遺言執行者に就任してもらう事も検討してください。そのほか、遺言執行者となる適任者が見つからず、遺言書にも指定がない場合は、利害関係者が家庭裁判所に申し立てをすることで、遺言執行者を選任してもらうことも可能です。


 
 
 

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