【離婚問題】離婚した夫が亡くなって妻が遺族年金をもらえる場合
- 行政書士 服部祥明

- 2025年11月6日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年11月21日

公的年金は国が運営する年金制度で、老後の生活などを支える重要な役割を担っており、国民年金(基礎年金)と厚生年金の「2階建て構造」になっています。
年金というと老齢年金を思い浮かべる方も多いと思いますが、老齢年金のほかに、障害年金、遺族年金があります。
そこで今回は、夫の遺族年金について、離婚した妻が受給できるかどうかについて解説していきます。
遺族年金とはなにか
(1)遺族年金の種類
「遺族年金」とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者が亡くなったときに、被保険者によって生計を維持されていた遺族が受け取ることができる年金です。
一家の経済的大黒柱を失った遺族の生活を保障する目的で、一定の要件を満たす場合に支給されます。遺族年金は、ほかの年金制度と同じく、国民年金に対応する「遺族基礎年金」と、厚生年金保険に対応する「遺族厚生年金」の2種類があります。
たとえばサラリーマン家庭の場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給できます。
(2)基本的に離婚した妻は遺族年金を受給できない
原則的に、遺族年金は離婚した妻は受給できませんが、要件を満たした場合、受給できる可能性があります。正確にいえば、離婚した妻自身ではなく、子どもが受給できる場合があるのです。そのほか、例外的に元妻が受給できる可能性があります。
子どもが遺族年金を受給できるケース、受給できないケース
子どもが遺族年金を受給できるかどうかは、離婚後の父の家族関係により変化します。
(1)父が再婚していない場合
亡くなった父が再婚していなければ、原則として「子のいる配偶者」がいないので、子どもが受給資格を得ることになります。
この場合、亡くなった父に生計を維持されており、かつ18歳になった年度の3月31日を迎えていない(または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級)という条件を満たす必要があります。
ただし、父が法律婚をしていなくても、事実婚の妻との間に子どもがいる場合は、離婚した母側の子どもは父親の遺族年金を受給できません。
(2)父親と再婚相手の間に子どもがいない場合
亡くなった父が再婚していても、再婚相手との間に子どもがいなければ、「子のある配偶者」がいないので、前妻の子どもが遺族年金を受給できます(年齢条件があります)。
(3)父親と再婚相手の間に子どもがいる場合
亡くなった父が再婚しており、かつ再婚相手との間に子どもがいる場合は、「子のいる配偶者」である再婚相手が受給権者となり、離婚した妻の子どもは遺族年金を受給することができません。
(4)父親が連れ子のいる相手と再婚した場合
亡くなった父が連れ子のいる相手と再婚した場合は、父が連れ子と養子縁組していた場合は、再婚相手が「子のある配偶者」として受給権者となり、離婚した妻の子どもは遺族年金を受給できません。
父が連れ子と養子縁組をしていなかった場合は、再婚相手が「子のいる配偶者」ではないので、離婚した妻の子どもが受給権者となります(年齢条件があります)。
事実婚(内縁)の妻が遺族年金を受給できる場合
離婚した妻は、元夫が亡くなったとしても、原則として遺族年金を受け取ることはできません。
ただし例外的に、元夫との離婚後も事実婚関係を続けており、かつ元夫に生計を維持されていた場合には、遺族年金を受給できることがあります。つまり、「事実婚(内縁)」状態であれば、受給の可能性があります。事実婚として認められるためには、「実質的な意味で婚姻の意思を有している」「法律婚の夫婦と同等の共同生活を営んでいる」「社会的に夫婦と認められている」といった条件が必要です。
離婚しても遺族年金をもらえる可能性がある
離婚した元夫が亡くなった場合に、子どもが遺族年金を受給できることがあります。また、離婚後も元夫と事実婚状態にあった場合は、元妻自身も遺族年金を受給できる可能性があります。
遺族年金は、とりわけシングルマザーが子どもを育てていく上で、生活費の大きな助けとなります。元夫が亡くなったときには、年金事務所に問い合わせをして受給資格の有無を確認し、受給できる場合は漏れなく手続きを行いましょう。





コメント