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【離婚問題】離婚を決める前に必要な準備とは

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2025年11月19日
  • 読了時間: 5分

更新日:2025年11月21日



結婚が自分だけの意志ではできないように、離婚もまた、自分だけの意志ではできません。

「とにかく別れたい」「はやく離婚したい」という衝動にかられたまま行動すると、泥沼化して離婚が難しくなったり、不利な条件で離婚して後悔することになるかもしれません。

だからこそ、冷静になって離婚という事実に向かい合い、あらかじめ、離婚後の生活を見据えた準備をしておくことが重要です

 

  本当に離婚したほうがよいのか、改めて考える

(1)自分の気持ちと現実的なデメリット

離婚すると、あなたの生活はどのように変わるでしょうか。まずはそれをじっくり考えてみてください。

たとえば、仕事、家事、育児など、これまで夫婦ふたりで協力して行っていたものの多くを、ひとりで背負うことになります。

おそらく自分が想像している以上に、経済的な環境も変わります。「離婚したい」という気持ちと、これらのデメリットを考慮して、それでもなお離婚すべきかどうか、改めて考えておく必要があります。

(2)離婚協議における数々のダメージと向き合う

多くの場合は、離婚の話し合いはスムーズには進みません。

打ち合わせの時間とともに、金銭面や精神的にもダメージが積み重なっていきます。たとえば、話し合いの途中で離婚を思いとどまる場合もあるでしょう。そのような場合も、一度口に出してしまった「離婚」という言葉に縛られて、復縁しても、しこりになって残るケースは少なくありません。

だからこそ、離婚をしたいかどうかの事前の自問自答はとても重要なのです。

 

  離婚を決意したら必ずしておきたい準備

自問自答を行って、離婚の意思が固まったら、現実的な離婚の準備をすすめていきます。

(1)経済的自立の準備

離婚後、もっとも問題になるのは、やはり経済問題です。

とくに、女性の場合は、経済面の不安から離婚をあきらめてしまうケースは多々あります。男性の場合も、多額な慰謝料や養育費の支払いを考えて、離婚を断念することもあるでしょう。

離婚をすすめていく際に最初に必要となるのが、生活費です。話し合いの行方によって、離婚が成立する前に別居をしなければならないケースもあるので、当座の生活費は準備しておく必要があります。

離婚する前から就業の準備をしておけば、離婚後の当座の生活に困る確率を大幅に減らすことができるでしょう。

(2)離婚理由を明確にする

離婚は双方が合意すれば成立します。しかし、相手が離婚に合意しなかった場合は、離婚を求めて争うことになります。裁判となれば、民法で定められている特定の理由がなければ離婚することができません。現在の夫婦の状況が以下の項目に該当するかどうか、確認してみましょう。

●不貞行為

配偶者以外の人と自由な意思に基づいて性的な関係を結んだとき

●悪意の遺棄

配偶者が生活費を払わない、勝手に別居してしまったなど、婚姻生活を送るにあたっての同居、協力、扶養義務を行わないとき

●3年間の生死不明

配偶者と3年以上連絡が取れず、生死すらわからないとき

●強度の精神病となり回復の見込みがない

重度の精神疾患により、夫婦間の協力義務を十分に果たせない状況から回復しないことが明確なとき

●その他婚姻を継続しがたい重大な事由

婚姻関係が破綻して婚姻の本質に応じた共同生活の回復の見込みがないと認められるとき。具体例として、DV、モラルハラスメント、過度な浪費、借金、過度な宗教活動など

 

これらの条件は、「法定離婚事由」と呼ばれています。これらの事由のいずれかが当てはまる場合は、裁判所は離婚を認める可能性が高いでしょう。

(3)請求可能なお金や資産のリストアップ

離婚した際には、置かれている状況によって、援助などを受けることができる場合があります。どんな援助を受けることができるのかについては、家庭の状況によって異なります。

それを明確にするために、以下の項目について検討してリストアップしておきましょう。

●婚姻費用

離婚する前に生活費を受け取っていない場合や、離婚を前提とした別居をすることになったときには、相手に生活費(婚姻費用)を請求することができます。

家庭裁判所でも広く活用されている基準(算定表)を参考にして、具体的な金額を決めるケースが多いです。

●財産分与

婚姻中、夫婦が協力して築いた財産は、夫婦ふたりの共有財産です。

専業主婦の場合も同じです。妻が家事をして家庭生活のサポートをしていたからこそ、夫が仕事に専念してお金を稼ぐことができたと考えられるからです。

それぞれが独身のときに貯めた貯金や、相続で受け取った不動産やお金などは、財産分与の対象になりません。

なお、婚姻後に契約したローンなどの借金の残額も、財産分与対象となるので、注意が必要です。

●慰謝料

配偶者が、法定離婚事由に当てはまる行為をしていたときは、慰謝料を請求できる場合があります。

なお、慰謝料は男性側が支払うものとは限りません。

●養育費

配偶者の一方が子どもの親権者になる場合は、相手から養育費を受け取ることができます。

養育費の額については、婚姻費用と同様に算定表に基づいて決まることが多いですが、子どもの教育計画を明確にし、何のためにいくら必要なのかを説明できるようにしておきましょう。。

(4)精神的な自立の準備

結婚と比べて、離婚は何十倍もの気力と体力を使うといわれています。

離婚にあたっては、夫婦が一緒に築いてきた財産を分ける手続きが必要になります。

感情のすれ違いも発生しやすく、生活環境も大きく変わります。子どもがいれば、その将来にも関わる問題であるため、一過性の感情だけで性急にすすめるべきではありません。

離婚をするためにもっとも重要で不可欠な準備は、妻の精神的な自立かもしれません。

 

  離婚を決断する前には冷静になる時間が必要

その場の勢いで配偶者に離婚を切り出してしまうと、不利な条件で離婚に至ってしまう危険があります。大きな後悔をすることなく納得のうえで離婚するためには、入念な事前準備が必要です。

ひとりで離婚に向けて準備を進めることが難しいと感じたときや、方向性に迷ったときは一旦立ち止まって、冷静に考える時間をもっていただくといいと思います。

どうすればよいか迷ったときは、離婚問題の知見・経験が豊富な専門家のアドバイスを受けてみましょう。

 
 
 

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