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【相続問題】農地の相続で注意するポイントとは

執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
行政書士 服部祥明
15 時間前
読了時間: 4分

農作物をつくる土地として重要であるとの観点から、農地の相続は、通常の不動産とは異なる手続きが必要であり、売却することも容易ではありません。

そこで今回は、農地の相続や処分する場合の手続きについて解説します。

 

  農地の相続で必要な2つの手続き

(1)法務局への相続手続き

相続によって農地を相続した場合は、宅地などと同様に法務局で相続登記をおこないます。相続人は、その農地の所有権の取得を知った日から3年以内に、相続登記の申請をする義務があります。

(2)農業委員会への届出

農地を相続した場合は、法務局での相続登記のほか、対象の農地が所属する農業委員会への相続の届出をおこなう必要があります。

 

  農地の活用について

(1)農業を引き継ぐ場合

農地を相続し、そのまま耕作を引き継ぐ場合は、相続登記と農業委員会への届出をすれば、手続きは完了です。

(2)農業を引き継がない場合

農地を相続しても農業をおこなう意思がない場合は、その土地をどう活用するかという問題があります。この場合、農業以外の活用(農地転用)を検討する、もしくは、売却するという2つの方法が考えられます。

●農地転用手続き

農地を他の地目に変更して利用する方法を「農地転用」といいます。転用できる地目には、宅地、店舗、工場、駐車場、資材置き場などがあります。相続した農地を、農地以外の用途に転用する場合は、事前に農業委員会に許可申請をしなければなりません。

市街化区域内の農地であれば、届出をすれば転用は可能です。しかし、それ以外の区域にある農地は許可が必要です。そのほか、開発許可も必要となることがあり、許可が下りないケースもあります。なお、対象の農地がどの区域に該当するかについては、役所に問い合わせて確認できます。農地転用を検討する際は、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。

 

  農地を売却する手続き

農地を売却する場合、相手が農業従事者かどうかで対応が違います。

(1)農家に売却する場合

農地をそのまま売却する際には、農業委員会の許可(農地法第3条の許可)が必要です。この場合、土地の購入者は農家である、または、新たに農業に参入しようとしている人(もしくは団体)であることが求められます。購入者が農業経営に関する一定の要件を満たしていると農業委員会が判断した場合に、売却の許可が下ります。

(2)農家以外に売却する場合

原則として、農地は、農業を営む人もしくは団体であることが農業委員会で認められ、許可された相手にのみ売却が可能です。農業を営まない人や法人に農地を売却するためには、売却前に農地以外に用途変更する必要があります。

 

  相続した農地の処分に困ったときの最終手段

(1)相続放棄

自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ相続放棄の申述をおこなうことにより、農地を含む一切の遺産を引き継がない選択が可能です。

ただし、相続放棄は財産を選んでおこなうことができないので、預貯金や自宅など価値のある財産も全て放棄することになります。放棄前に遺産を処分すると、単純承認とみなされて相続放棄が認められなくなるため、注意が必要です。

(2)相続土地国庫帰属制度の利用

相続土地国庫帰属制度は、2023年4月に創設された制度で、相続や遺贈で取得した土地を、一定の要件のもとで国に引き取ってもらうことができる仕組みです。

相続登記が未了でも申請できますが、その場合は申請者が相続等で取得した所有者であることを、戸籍や遺産分割協議書などで証明する必要があります。

ただし、国が引き取ってくれる土地には厳しい条件があります。建物がある、担保権や賃借権が設定されている、境界が明らかでない、土壌汚染がある、放置物がある、地下に除去が必要な物がある、隣接地との争いがある、管理に過分な費用がかかる土地などは、対象外なので注意してください。

 
 
 

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