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公正証書遺言の証人についての注意点

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分


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もし、知り合いの方から、遺言書の証人になってほしい」と依頼されたらどうしますか?

頼まれれば引き受けてあげてもいいけど、何かリスクがあるのではないかと不安になるかもしれません。

そこで今回は、公正証書遺言を検討中の方や、公正証書遺言の証人を知人や親戚から依頼された方に向けて、公正証書遺言の証人について、わかりやすく解説します。

 

  公正証書遺言のしくみ

遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言などがありますが、公正証書遺言を作成する際には証人が必要です。

公正証書遺言は、公証役場で公証人に遺言書を作成してもらう形式の遺言で、2人以上の証人の立ち会いが求められます。

 

  公正証書遺言の証人の役割と責任

(1)証人の役割

公正証書遺言の証人の役割は、次の3つです。

①遺言者の同一性の確認(人違いでないかどうか)

②遺言者は自分の意思で遺言内容を口述しているか

③公証人が筆記した内容は、遺言者が口述した内容と相違ないか

以上の点を確認して、間違えがなければ、証人は遺言書に署名と押印します。

(2)証人に課せられる大きな責任

上記の3つの確認事項に間違いがあったにも関わらず、証人が故意や過失によってこれを見逃して署名と押印した場合は、そのために損害を被った人(たとえば、遺言のために相続分が減った法定相続人)から、損害賠償請求されるリスクがあります。

相続開始後、相続人の間で遺言の有効性が争われて訴訟に発展した場合は、遺言に立ち会った証人は、裁判所に出頭して証言を求められることがあります。

 

  証人の責任や資格

(1)公正証書遺言の証人になるための資格

公正証書遺言の証人になるために、特別な資格は必要ありません。たとえば、目が不自由な方でも、読み聞かせによって、公証人の筆記の正確性を確認することができれば、証人になることは可能です。

ただし、以下の証人欠格事由に当てはまる場合は証人になることはできません。

(2)欠格事由

次の人は証人になることはできません。

①未成年者

18歳未満の人は証人になれません。

②推定相続人、受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族

推定相続人とは、相続が発生した時点において、相続人になると推定される人のことです。配偶者とは妻や夫、直系血族は、祖父母、父母、子、孫などが該当します。

要するに、相続人の近い親戚は証人になれません。

なお、遺言書作成時に推定相続人でなければ、遺言書の作成後に、結果的に推定相続人になったとしても問題ないとされています。

③公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

公証人と親族関係のある人も証人になれません。

 

  公正証書遺言の証人がみつからない場合

実際問題として、公正証書遺言の証人探しに困るケースは少なくありません。

親戚や仲のいい友人であっても、責任を負うことが負担だとか、遺言者側の都合として、他人に遺言を作成したことを知られたくないといった事情も考えられます。

そのような場合は、弁護士、行政書士、司法書士等の専門家に証人になってもらうことも可能ですし、公証役場で証人の紹介を受けることも可能です。

 

  公正証書遺言の証人の報酬

公証役場で証人の紹介を受けた場合で、証人ひとりにつき1万円前後の手数料が相場のようです。2名依頼すると、2万円になります。

あるいは、証人を自分で手配する場合の謝礼については、遺言者と証人との間で自由に取り決めて構いません。

 
 
 

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