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【内容証明】内容証明を最大限生かす方法とその先の手続き

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 1月16日
  • 読了時間: 5分


内容証明郵便は、金銭の請求、契約の解除、借地・借家の更新拒絶や解約の申し入れ、債権譲渡の通知、相殺の通知、抵当権実行の通知等などのトラブル解決に活用されています。

内容証明には、相手にどんな手紙をいつ出したかを証明できるという本来の効果と、相手に対する心理的強制力があります。内容証明を上手に利用するコツは、この2つの効力を理解し、これを使い分けることです。

 

  内容証明のメリット

(1)心理的圧迫の効果

内容証明郵便を出しても、直接的に強制力が生まれるわけではありません。

手紙を受け取っても、返事を出す義務はなく、返事を出さなかったとしても、内容証明郵便に書いてあることを認めたことになりません。それでも内容証明を初めて受け取った人は、以下のようなことから、心中穏やかでなくなります。

●内容証明郵便は、普通の手紙とは異なる格式張った用紙と形式で書かれている

●書留郵便で配達され、いかにも重要な文章のように感じさせる

●郵便局長が内容証明郵便として差し出されたことを証明するという記載と押印がある

●この先に法的アプローチがあるかもしれないという疑心暗鬼を抱かせる

(2)証拠づくりや相手方の出方を見ることができる

たとえば、「100万円を貸したが、借用書を取っていない」など、証拠がないため、裁判に訴えにくい事情がある場合に、証拠づくりのために、内容証明を出して返済を迫っておくアプローチが考えられます。

相手側から、「返済を待って欲しい」というように、自分から債務を認めるような、具体的なアクションを引き出すことができるかもしれません。

通常の文面で内容証明を出しても返済してこない債務者の場合には、貸金が80万円であっても、わざと100万円として請求文面を作ることがあります。

受取人は「借金は80万円のはずだ」と反論したくなるはずで、返答も期待できるし、裁判上、80万円の債務承認の証拠にもなる可能性が高まります。

 

  内容証明を出してはいけない場面

内容証明郵便は宣戦布告の手紙です。内容証明郵便を発送することは、相手方と戦争状態に入ることを意味し、後戻りのできない道を選択したことになります。

しかし、すべてのトラブルに、内容証明郵便が有効に働くわけではなく、むしろ、内容証明郵便を出してはいけない場面があります。

(1)相手に誠意が見られるとき

相手が誠意を示しているときは、多少は不利な解決案であっても、内容証明郵便を出すのではなく、相手の案にのって解決する方が得策です。

最終的に裁判に訴えるにしても、できればその前に、同意によって解決したほうがいいのです。合意の内容については、契約書や誓約書など文章化して、証拠として残します。

(2)トラブル解決後も、相手と付き合いたいとき

これからも今までどおりの付き合いをしていきたい、あるいは付き合わなければならない相手にに対しては、内容証明郵便を出したり、訴訟を起こすのではなく、粘り強く話合いで解決すべきです。

(3)こちらに弱みがあるとき

こちらに弱点がある場合は、内容証明郵便を出したことで相手は身構え、弁護士を立てたりして、こちらの弱みを突いてくる場合があります。

こうなれば、やぶへびです。自分側に弱みがある場合は、内容証明郵便ではなく、相手を警戒させず、平和に交渉を進め、ある程度譲歩してでも話をまとめたほうがいいでしょう。

(4)相手が倒産(破産)しそうなとき

相手が倒産(破産)しそうになったときに、売掛金を支払えとか、貸した金を返せと内容証明郵便で請求すれば、相手は急いで財産を隠したり、夜逃げしてしまいます。

このような緊急の場面では、直ちに相手の財産に仮差押えをして、財産を隠したり、売却できないようにすべきです。

手形が不渡りになったときも、内容証明はやめましょう。手形交換所に供託金をつんでいれば、急いで供託金を仮差押えします。交換所に供託していない場合は、ほかの財産を仮差押さえします。

 

  内容証明郵便の次の手を考えておく

(1)民事調停

「取引先からの債権回収がなかなかできない。だけど、訴訟を起こして気まずい関係になるの   は避けたい」というときに最適な手段です。

第三者である調停委員が間に入り、双方の合意を目的として、争いごとの実情に即した現実的な解決を目指す法的手続きです。

法律知識があまりない人にとっても、訴訟のように難しくはなく、調停が成立して調書が作成されれば、判決と同じ効果が得られます。

ただし、民事調停は双方の合意が基本であり、対立が激しく歩み寄る余地がない争いごとは、最初から訴訟を起こしたほうがよいでしょう。

(2)支払督促

支払督促は、最も簡単な債権回収手続きです。

「相手が自分に債務があることは認めているけど、なかなか支払ってくれない」という場合、時間や費用をかけて面倒な訴訟をしなくても、迅速で簡単に支払を実現させる法的手続きです。

●支払督促が利用できる場合

貸し金(金額の上限なし)、売掛金、家賃など、主に金銭の支払請求が対象です。

土地や家屋の明け渡し、動産の引渡しなどを求める争いには利用できません。

(3)少額訴訟

60万円以下の金銭の支払請求に限り、利用できる訴訟制度で、動産の引渡し請求には   利用できません。

通常の民事訴訟を簡略化したものであり、原則として1回で判決がでるので、簡単、迅速で費  用も安いです。内容証明郵便には反応のなかった相手も、訴状が送られてきただけで、驚いて支払いに応じるケースもあります。

 
 
 

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