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【離婚問題】アスペルガー夫との離婚問題

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 1月20日
  • 読了時間: 5分


アスペルガー症候群は発達障害のひとつで、「対人関係の障害」「コミュニケーションの障害」「活動や興味のパターン化」などの症状がみられます。

アスペルガー症候群の夫との離婚は一筋縄では進まないケースが多数です。妻が周囲に相談しても理解を得にくく、ひとりで悩んでいると、いわゆるカサンドラ症候群となって心身の調子を崩しかねません。

そこで今回は、アスペルガー夫との離婚問題について解説します。

なお、「アスペルガー症候群」というのは以前の診断名で、現在は「自閉症スペクトラム障害」の一種と診断されるようですが、ここでは「アスペルガー症候群」の呼称に統一して紹介します。

 

  アスペルガー症候群の特徴

アスペルガー症候群は知的障害ではありません。

言語や知的発達に遅れはなく、学力的にも問題がないケースが多いため、子ども時代には発見されず、大人になってから発覚する場合も珍しくありません。大人になってからも、周囲から「多少風変わりな人」という程度に受け止められて、本人も障害であることを認識していないケースもあります。

(1)対人関係の障害

アスペルガー夫は、相手の気持ちを想像したり、空気を読んだり、一般的な社会ルールを理解することが苦手です。

自分の感情を表現したり、自らの言動が相手にどのような印象を与えるかについてイメージすることが苦手な人も多く、その場の雰囲気に合わない行動を取ってしまうことがあります。

(2)コミュニケーションの障害

アスペルガー夫は、他人との意思疎通が難しい傾向があります。

難解な言い回しを使ったり、文脈や間接的表現を読み取ることが苦手で、相手の発言を言葉通りに受け取ったり、ユーモアやお世辞、皮肉を理解することが難しいです。

(3)パターン化した興味や活動

臨機応変な対応が苦手な傾向にあります。

アスペルガー夫は、予想外の事態に直面すると、不安になったり、パニックを起こしてしまうことがあります。物事の細部にこだわり、全体像を把握することが不得意な傾向もあります。

(4)学力的に高い人もいる

アスペルガー夫のなかには、高い記憶力や集中力を持つ人もいます。

興味があることには何時間でも集中して取り組み、単純作業や反復作業も厭わずにやり抜くことができ、特定の分野で業績を上げる人もいます。

 

  アスペルガー夫との離婚協議が難しい理由

(1)意思疎通がさらに難しくなる

アスペルガー夫とのコミュニケーションについて、「何を考えているか分からない」「会話がかみ合わない」という感覚を持つケースが多いのですが、離婚協議となると、その傾向がさらに増します。

妻から離婚話を切り出されたことをきっかけに、夫が自室にこもり、コミュニケーションが、ままならなくなる場合もあります。どのようなアプローチをしても、「だんまり」で全く話が進まないこともあります。

(2)離婚したい気持ちを察してくれない

アスペルガー夫は、相手の気持ちを察したり、場の雰囲気を読むことが苦手です。

自分が苦痛でなければ、夫婦関係の悪化や、家庭の雰囲気が悪くなっていることに気がつきません。

(3)こだわりや思い込みが強い

アスペルガー夫に、「結婚したら簡単には離婚しない」「子どもは夫婦揃って育てる」といった強い思いがあると、それ以外の選択肢はありません。

離婚を言われると、「自分は悪くない」という主張を繰り返す人もいます。

(4)攻撃的になる

プライドの高い高学歴夫に多いのですが、さまざまな理論をこねくり回し、「子どもが不幸になってもいいのか」「母親失格だ」「おれに反抗していいと思っているのか」といった具合に、妻を攻撃するようになります。アスペルガー夫は、相手の気持ちを想像したり、行間を読むことが苦手ですが、一方的に主張するのは得意なのです。

激高した結果、妻に暴力をふるうこともあります。

 

  カサンドラ症候群の問題

アスペルガー夫との夫婦生活による心的ストレスから、妻の精神状態にマイナスの心的症状が起きる状態を、カサンドラ症候群といいます。

睡眠障害や抑うつ状態、自己肯定感の低下などの症状が現れます。

 

  アスペルガー夫との離婚協議

離婚協議の基本は夫婦で話し合うことですが、夫がアスペルガーの場合、話が進まないことがあります。

家族や友人が間に入って話し合いをしても合意を得ることは難しく、口が立つ夫に周りが飲み込まれてしまうこともあるでしょう。このような場合は、第三者を交えた話し合いの機会を模索しましょう。

(1)家庭裁判所

家庭裁判所というと、ハードルが高いように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。管轄の家庭裁判所に、離婚調停を申し立てたい旨を伝えてみましょう。

妻からの離婚協議の申し出に対して、これまでだんまりを決め込んでいた夫も、裁判所からの呼び出しであれば、応じてくれる場合があります。

(2)弁護士に依頼する

法的な専門家が自分の味方となって戦ってくれることが最大の強みです。

弁護士報酬が高いことが」デメリットですが、経験値の高いプロが間に入ってくれれば、問題解決の可能性は高まります。

(3)ADR(民間調停)やNPO団体などを使う

ADRは民間の調停機関です。平日夜間や休日の利用や、オンラインの調停が可能であるという利便性がメリットです。

また、家裁の調停委員と異なり、弁護士をはじめとする専門家が調停人を務める点も大きな違いです。費用は弁護士報酬と比べると格安ですが、大抵は解決までに数万円かかります。ADRの費用の一部負担をしてくれる自治体もあるので、相談してみてください。

また、NPO団体やボランティア団体に相談するのも有効な手段になります。弁護士の紹介に応じてくれる団体もあるので、一度相談してみるのもありでしょう。

 
 
 

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