【離婚問題】養子縁組解消の手続き方法について
- 行政書士 服部祥明

- 2025年12月8日
- 読了時間: 4分

再婚によって、再婚相手の子ども(連れ子)と養子縁組を行うケースがあります。
その後、不幸にもその配偶者と離婚した場合、連れ子との親子関係を継続したくないというケースは多いと思います。
養子縁組をそのままにしておくと、離婚後も養育費の支払いをしなくてはならず、また、自分の死後には、遺産が離婚した元配偶者の連れ子に相続されることになります。
そのような問題を避けるためには、養子縁組を解消しなくてはなりません。
養子縁組の解消とは
養子縁組の解消とは、養子縁組によって成立した法的な親子関係を消滅させることです。
結婚相手の連れ子を養子にした場合、その子どもと血縁関係がなくても法律上の「親子」になり、自分の血縁である実子と同様の権利を有することになります。
(1)養子縁組を解消しない場合に生じる義務や権利
養子縁組を解消しないと、親として養子に扶養義務を負い続けることになります。
元配偶者から子どもの養育費を請求があれば、収入状況に応じて養育費を払わねばなりません。
養親が死亡すれば、養子が子どもとして遺産を相続します。死亡時に実子がいれば、実子と養子との間で大きなトラブルが発生する可能性もあります。
(2)養子縁組を解消できないケース
養子縁組を解消するためには、基本的に養子と養親が話し合いをして「離縁届」を役所に提出することが必要です。この手続きを「協議離縁」といいます。
相手が協議での養子縁組解消に応じない場合、離縁調停や離縁訴訟が必要です。しかし、調停でも最終的には相手が同意しなければ離縁できませんし、訴訟においては、「法律が認める離縁理由」を証明できないと離縁できません。
なお、離縁前に養子または養親が亡くなった場合は、家庭裁判所の許可を得て離縁することが可能ですが、養子縁組が有効なタイミングで養親が亡くなっている以上、相続は有効です。
結局、養子への相続を避けたい場合には、自分の存命中に養子縁組の解消をしておかなければなりません。
養子縁組の解消で変わること
実際に養子縁組を解消すると、養親と養子の戸籍や姓(名字)にどのように影響があるでしょうか。
(1)養子の姓
養子縁組を解消した場合、養子の姓は、基本的に養子縁組前の姓に戻ります。ただし、養子縁組から7年が経過している場合は、離縁から3か月以内の届出によって、養子縁組時の姓を名乗ることが可能です。
(2)養子の戸籍
養子縁組中、養子は養親の戸籍に入っています。
養子縁組が解消されると、養子は養親の戸籍からは抜けるので、元の戸籍に戻るか、新しい養子のみの戸籍を編成するかを選択することができます。夫婦が離婚したときの妻の戸籍の扱いと同じこの取り扱いです。
(3)養親の戸籍
養子縁組を解消した場合、養親の戸籍はそのままです。
ただし、戸籍の中に入っていた養子が抜けるので、「○月○日養子縁組解消」との記載がなされ、養子が戸籍から転出したことが明記されます。
養子縁組解消の手続きの流れ
(1)協議離縁
まずは養子と話し合いをして、協議離縁による養子縁組解消を目指します。
養子が養子縁組解消に同意したら「協議離縁届」を作成し、役所に届出をします。離縁が成立すると、戸籍が書き換えられます。
(2)調停離縁
話し合いをしても相手が離縁に応じない場合や、話し合いができない状態であれば、家庭裁判所に「離縁調停」を申し立てます。
離縁調停をすると、調停委員が間に入って離縁のための話し合いを仲介してくれます。
すでに配偶者の離婚が成立しており、各事情を考慮しても養子縁組を継続する必要性がないのであれば、調停委員からも養子に対し養子縁組解消に応じるよう説得してもらえるはずです。
調停が成立すると、調停調書が作成されます。その謄本の交付を家庭裁判所に申請して取得したうえ、これを役所に持参して離縁届を提出すると、戸籍が書き換えられます。
離縁届は調停成立の日から10日以内に出さないといけないので注意しましょう。
(3)審判離縁
調停でおおむね離縁することに合意できているのに、相手が突然裁判所に来られなくなったなど、離縁を認めるのが相当と判断されるケースでは、「審判」によって離縁が認められるケースもあります。
審判が成立すると、自宅宛てに「審判書」が届きます。その後2週間経つと審判が確定し、裁判所に申請して確定証明書を入手します。
審判書と確定証明書を役所に持参すれば離縁届を有効に提出できます。
(4)裁判離縁
調停でも養子が養子縁組解消に同意しない場合は、離縁裁判によって離縁するしかありません。ただし、裁判で離縁が認められるためには、以下の「法律上の離縁理由」が必要です。
・相手から悪意で遺棄された
・相手が3年以上生死不明
・その他縁組を継続しがたい重大な事由がある
単に「親同士が離婚した」「養子に相続させたくない」という理由だけでは必ずしも裁判離縁を認めてもらえない可能性もあります。したがって、できれば訴訟前の話し合いの段階で縁組を解消しておくことが望ましいといえます。





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