【夫婦問題】配偶者の不倫相手との示談書の作り方
- 行政書士 服部祥明

- 2 日前
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配偶者の不倫が発覚した場合、不倫をした配偶者やその相手に対して慰謝料を請求することができます。
慰謝料の金額や支払い方法などについて相手方と話し合い、双方が納得できる内容で合意に至った際には、その取り決めを「示談書」という形で書面に残すことが重要です。そこで今回は、不倫慰謝料に関する示談書について、作成する際のポイントや記載すべき内容について解説します。
不倫慰謝料の示談書とはどのような文書か
不倫慰謝料に関する「示談書」とは、不倫問題について、当事者同士が話し合い、取り決めた和解内容を記録した文書のことです。
その目的は、慰謝料の金額、支払い方法、支払い期限、「今後は接触しない」といった約束事を明確に記載し、あとになってから「言った言わない」のトラブルを防ぐことです。名称が異なる「合意書」や「和解書」といった文書もありますが、役割は示談書と同じです。
「誓約書」と「示談書」の違い
そのほか、慰謝料示談書と似たような文書に「誓約書」があります。
誓約書は、不倫をした側が一方的に「慰謝料として〇〇万円支払います」「二度と連絡しません」といった内容を約束する形で作成されます。
誓約書と示談書の目的は同じですが、双方を比較すると、当事者同士が内容を確認して合意し、署名捺印した示談書のほうが、合意について、より強力な証明であるといえます。
示談書の構成
示談書を作成する際には、以下の5つの項目を含めることが重要です。
これらの項目を漏れなく記載することによって、合意内容が明確になり、後々のトラブルを防ぐことが期待できます。
(1)表題には「示談書」「合意書」などと記載する
文書の表題には、「示談書」「合意書」「示談合意書」などと記載します。どの名称を用いても法的な効力に違いはありません。
(2)前文に事件の背景について記載する
どの問題について、どのような合意するのかを明確にする「前文」を記載します。
具体的には、合意する当事者双方の氏名と住所を正確に記載し、不貞行為の当事者関係に関して、事件の内容と合意の概略を簡潔に記載しましょう。
(3)合意した内容を各項目にまとめて記載する
以下の7つの項目について、それぞれ具体的な内容を記載します。
①不貞行為の事実確認と謝罪
まず、合意の前提となる不貞行為があった事実を明確に記載し、相手方にその事実を認めさせることが重要です。不貞行為についての謝罪の文言を入れることも一般的です。
②慰謝料の支払い
慰謝料の金額、支払方法、支払期限、振込手数料の負担者を定めます。
銀行振込の場合は、振込先の口座情報を正確に記載します。分割払いの場合は、支払いが遅れた場合のペナルティ条項を入れておきます。
③接触禁止条項
接近禁止条項は、今後不倫相手が配偶者と連絡を取ったり、会うことを禁止する条項です。
電話やメールなど、具体的な連絡手段を挙げて、それらを禁止する旨を明確に記載しましょう。ただし、職場が同じなど、業務上やむを得ない接触が必要な場合は、「業務上の必要最低限の接触を除く」といった例外を設けます。
④守秘義務
不倫の事実や合意内容について、第三者に口外したり、インターネット上に書き込んだりしないことを相互に約束します。
⑤違約金条項
接触禁止条項や口外禁止条項などの約束に違反した場合には、罰金と支払う金額を定めます。合意書上の約束を守らせる心理的な効果が期待できます。
⑥求償権の放棄
不倫は、不倫した配偶者と不倫相手の二人による共同の不法行為とされ、原則として二人が連帯して慰謝料の支払い義務を負います。
こちらが不倫相手から慰謝料の全額を受け取った場合、相手は、共同で責任を負う配偶者に対して、慰謝料の一部(たとえば半額)を請求する権利(求償権)があります。そのため、示談書の条項には、不倫相手に求償権を放棄させる条項を入れておきます。
⑦清算条項
精算条項によって、不倫問題に関して、示談書に定めた内容以外には債権も債務も存在しないことをお互いに確認します。この合意をもって不倫問題は完全に解決したことになります。
(4)保管方法について記載する
示談書の末尾に、保管方法を記載します。「本合意の成立を証するため、本書を2通作成し、甲乙各自署名押印の上、各1通を保有する」のように記載します。
(5)日付と署名
合意が成立した日付を正確に記載します。西暦でも和暦でも構いません。日付は、合意の効力が発生した時点を示す重要な証拠となります。
最後に、示談書の当事者全員が、それぞれの氏名を自筆で記入して印鑑を押します。
本文とともにパソコンで氏名を印字して押印しても有効ですが、自筆の署名のほうが証拠としての価値が高いとされています。押印は認印でも実印でも効果は同じですが、シャチハタ印は避けましょう。
示談書を作成する際の注意
(1)強迫や強要をしない
示談書を作成する際に、相手を脅したり、精神的に追い詰めて無理やりサインさせるようなことは、絶対にやめてください。
詐欺や強迫によってなされた契約は、あとから取り消すことができることが、法律で定められています。
(2)示談書を公正証書にする
当事者同士で作成した慰謝料合意書も法的に有効ですが、より確実に法的効力を高めるためには、示談書を「公正証書」という公的な文書にしておくことを強くおすすめします。
とくに、慰謝料の支払いが分割払いになる場合や、金額が高額になる場合については、公正証書で作成するメリットが非常に大きいです。





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