【相続問題】事実婚カップルに財産をのこすための有効な方法
- 行政書士 服部祥明

- 12 時間前
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婚姻届を提出せずに夫婦としての共同生活を送る「事実婚(内縁関係)」を選択するカップルが増加しています。
昨今、社会は少しずつ事実婚カップルへの配慮がされる様になりましたが、相続の場面においては、カップルは極めて厳しい現実に直面することになります。長年連れ添い、実質的な夫婦として支え合っていたとしても、法律上の婚姻関係がない限り、内縁の妻や夫には相続権が一切認められないのです。
しかし、諦める必要はありません。適切な対策行うことによって、大切なパートナーに財産を残す道は開かれています。
事実婚のパートナーに財産をのこす方法
事実婚のパートナーには原則、遺産を相続する権利はありません。パートナーに財産を渡すためには、特別な手続きが必要です。
(1)生前贈与を行う
生前贈与を行うことによって、事実婚のパートナーに財産を渡すことができます。
生前贈与は贈与者(財産をあげる人)と受贈者(財産をもらう人)との間に、血縁関係や婚姻関係がなくても行うことができます。なお、年間110万円までの贈与であれば贈与税の申告をする必要はありません。
(2)遺言書を遺す
遺言書を遺すことによって、事実婚のパートナーに財産を渡すことができます。
遺言書には、「事実婚のパートナーに遺産を遺す」旨の遺言を記載します。なお、遺言書の文言は「相続させる」ではなく「贈与する」となります。
注意しておきたいのは、遺言書の内容が法定相続人の遺留分を侵害しないようにすることです。自分に法定相続人(子どもや親、祖父母)などがいる場合は、遺留分を侵害しないように配慮してください。パートナーのどちらが先に亡くなるかわからないので、内縁の夫だけでなく内縁の妻が、お互いが財産を引き継ぐ内容の遺言書を作成しておきましょう。
なお、遺言書は、可能であれば、自筆証書ではなく、公正証書を選択してください。
(3)生命保険の受取人にする
生命保険の受取人にすることによって、事実婚のパートナーに財産を渡すことができます。
一般的に、保険金の受取人に指定することができるのは、配偶者または2親等以内の親族(兄弟姉妹、祖父母、孫)とされています。ただし、昨今では、保険会社によっては、内縁パートナーの双方に、婚姻届けを出した配偶者がいない場合や、一定以上の同居期間がある場合について、生命保険の受取人に指定ができるところもあるようです。
なお、事実婚のパートナーが受け取った死亡保険金には、相続税における生命保険の非課税枠が適用されないので、課税対象となる点に注意が必要です。
(4)特別縁故者の手続きをする
特別縁故者の手続きをすることによって、事実婚のパートナーに財産を渡すことができます。
特別縁故者とは、被相続人に法定相続人がいない場合に、特別に被相続人の財産を取得できる資格のある人のことです。
特別縁故者になるためには、家庭裁判所に「特別縁故者の申し立て」を行い、家庭裁判所が相当と認めた場合に限られます。事実婚のパートナーは一定の条件を満たし、特別縁故者になれる可能性は十分にあります。なお、パートナーが受け取る遺産額は、裁判所が決定した金額のみで、遺産の全額を受け取れるわけではありません。
その他の注意点
(1)事実婚カップルの間の子どもには相続権がある場合がある
事実婚カップルの間に生まれた子どもは、事実婚のパートナー(父親)が認知していれば、遺産を相続する権利があります。
事実婚カップルの間に子どもが出生すると、子どもは母親を筆頭者とする戸籍に入ります。この段階では、父親の欄は空欄となり、法律上、事実婚パートナーとの親子関係はありません。その後、パートナーが「認知」を行うことによって、子どもは法律的に事実婚パートナーと親子関係を結ぶことができます。
子どもは認知によって、事実婚パートナーの法定相続人になることができ、遺産を相続する権利を得る事ができます。
(2)居住権の問題
法律婚の配偶者には「配偶者居住権」という、配偶者の死亡後も自宅に住み続けることができる権利が認められていますが、内縁のパートナーには適用されません。
ただし、内縁の夫婦が賃貸物件に住んでいた場合は、内縁のパートナーが賃借人の権利義務を承継できる可能性があります。一方で、持ち家の場合は、遺言がないと、パートナーの相続人から退去を求められるリスクが高いでしょう。





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