【遺言】動物保護のために寄付する人が増えている
- 行政書士 服部祥明

- 2025年12月1日
- 読了時間: 4分

自身が大切に築いてきた財産を「不幸な犬や猫のために役立ててほしい」という希望のもと、動物保護団体などに寄付する人が増えています。
このような遺言による寄付行為を「遺贈」といいます。昨今では、動物保護団体への遺贈は、とくに子どものいない夫婦や、「おひとり様」と呼ばれる、身寄りのない人に注目されています。
遺贈とは
財産の全部または一部を、相続人以外の第三者に寄付することを「遺贈」といいます。
遺贈先は個人でも団体でも可能で、動物動物愛護のための活動資金として活用してもらうために、動物愛護団体を指名する人が増えています。これらの団体に遺贈するためには、遺産の全部または一部を、応援したい団体に寄付する内容の遺言書を作成する必要があります。
遺贈する財産
遺贈する財産は、預貯金や現金だけでなく、不動産や株式等も可能ですが、一般的には現金による寄付が望ましいと思います。たとえば不動産の処分については、不動産会社を介在する必要があり、処分できる時期や価値が不明であり、そもそも処分できるかどうかも未定なので、先方から歓迎されないことが多いようです。
遺贈する団体の選定方法
動物たちのために寄付をしたい、遺産を遺したいと思っても、寄付先となる信頼できる動物関係団体が見つからなければ遺贈することができません。
遺言書に遺産を寄付することを記載する遺贈は、遺言書を書いてからすぐに発効するものではなく、遺言書を書いた本人が亡くなってから、寄付をすることになります。そのため、たとえば数年のうちに廃業してしまう可能性のある団体を選択するわけにはいきません。
そこで、以下では、信頼できる寄付先となる動物愛護・保護団体の選定のためのポイントを検討していきましょう。
(1)積極的に情報発信を行っている団体
情報発信は、その団体が信頼できるかどうか判断する上で、必要不可欠です。
団体のホームページや公式アカウントで、積極的に情報発信を行っていない団体はその時点で除外しましょう。
(2)法人格の有無
個人事業ではなく、法人格のある団体を優先すべきでしょう。
なかでも、認定NPO法人や公益財団法人のような、公益性が担保されている団体は、より信頼度が高いといえます。
(3)数年で廃業しない団体
団体の活動の継続性は非常に重要です。実際に遺贈が発効する段階で、その団体が解散していたら元も子もありません。
●設立年数の古さ
長く活動している団体の方が、継続性は高いといえます。長期にわたって安定した活動実績がある団体であれば、すぐに廃業する可能性は低いでしょう。
●代表者の年齢
活動が長い団体であっても、代表者の年齢が高齢だと、活動の継続性に疑問符がつきます。
あるいは、後継者の存在があるかどうかという点も確認するとよいでしょう。
(4)第三者認証を取得している団体
信頼できる団体を探すにあたって、第三者認証を取得しているかどうかは重要なポイントです。たとえば、NPOの評価に使われる第三者認証としては以下のものがあります。
・グッドガバナンス認証
・CANPAN情報公開レベル
・認定NPO法人の取得の有無
遺贈する際の注意点
(1)遺言書を作成する
遺贈は遺言書によって行います。なかでも、とくに強力な公正証書によって作成することをおすすめします。
遺言書には、相続人への遺言とともに、動物愛護団体への遺贈をあわせて、遺産の行き先を記載します。法的に有効な内容にするためには、弁護士や行政書士などの専門家に作成を依頼しましょう。
(2)遺留分に注意する
法定相続人(配偶者、子、親)には、遺言書の内容にかかわらず、遺産の一定割合を相続する法的な権利が認められています。この保証割合を「遺留分」といいます。
将来の遺産トラブルを避けるためには、相続人がいる場合、その遺留分に配慮して割合を決める必要があります。
(3)遺言執行者を指定する
遺言書を作成する際には、遺言執行者を指定しましょう。
遺言執行者は、遺言者が亡くなった後に遺言書の内容を実行する人です。一般的な遺言においても遺言執行者を指定することが推奨されていますが、とくに、遺贈の場合は、普通の相続とは趣旨が違う財産処分なので、弁護士や行政書士などの専門家を指定しましょう。





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