【離婚問題】元妻に子どもとの面会交流を拒否されたらどうする
- 行政書士 服部祥明

- 2 日前
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面会交流は、離婚などの家庭の事情により、子どもが一方の親(おもに母親)と生活している場合に、他方の親(おもに父親)が子どもと定期的に面会する権利です。
面会交流の目的は、子どもが両親との関係を維持し、健全な成長を促すことにあるので、親が子どもに会う権利と同時に、子どもが両親との関係を維持する権利も保護されることが重要です。面会交流の実施にあたっては、子どもの安全や健康、心理的な福祉を最優先に考慮する必要があり、場合によっては制限や特定の条件が設けられることもあります。
ときに、母親によって子どもと父親との面会交流を拒否されたという話をときどき耳にします。
面会交流の拒否は原則難しい
家庭裁判所の実務では、面会交流を実施する方向で手続きが進められるのが実情です。
子どもの利益に反する事情がない限り、その子を監護する母親が、特段の理由なく、自身の感情や都合を理由に、面会交流を拒否することは認められません。
(1)面会交流を拒否できる正当な理由とは
面会交流を拒否できるのは、「正当な理由」がある場合に限られます。
正当な理由」として認められる例としては、以下のようなケースが挙げられます。
●子どもが自らの意思で会いたくないと主張している
同居する母親の顔色をうかがって、そのように言う可能性もあります。そのような場合に、子どもが自らの意思で拒否しているか否かを確認するために、調査官による調査が行われることもあります。
●父親による暴力
虐待の危険がある場合や、子どもの面前で、母親への暴力が行われる危険がある場合は、面会交流が認められないことがあります。
●面会交流の合意事項に反復して違反した場合
父親が面会交流の約束を何度も守らない場合は、子との信頼関係が失われ、子の心情や精神的安定を害することになります。
●子どもの連れ去りの危険がある
面会交流を利用して子どもを連れ去るおそれがある場合も、面会交流を拒否できる正当な理由になります。
(2)面会交流を拒否できない場合
面会交流を拒否する「正当な理由」として認められにくいのは、下記のようなケースです。
●母親が面会を拒否している
●母親の再婚、または子どもが養子縁組した
●父親が養育費を支払っていない
面会拒否された場合の対策(具体的なステップ)
(1)面会交流調停の申立て
相手方となる親(母親)の住所地を管轄する家庭裁判所、または当事者間で合意した家庭裁判所に申立てをします。
(2)面会交流調停期日
家庭裁判所の調停委員が間に入り、申立人と相手方から交互に事情を聴取して合意を目指します。子どもの意向や生活環境を確認する必要があれば、家庭裁判所の調査官による調査が行われることもあります。
(3)調停の成立
調停手続で面会交流の実施条件が整えば、その内容を「調停調書」にまとめて調停が成立します。
(4)審判手続きへの移行
調停で合意に至らない場合は調停不成立となり、自動的に「審判」という手続に移行します。調停で提出された資料等から事実関係を調査して、当事者の意見を聞いた上で、裁判所が面会交流実施の可否・内容について判断を下し、「審判書」が作成されます。
(5)調停および審判とそのあと
調停調書や審判書の内容に従って面会交流を実施します。調停調書や審判書は、判決と同じ法的効力がありますので、当事者は遵守しなければなりません。
面会交流を拒否したときに起こりうるリスク
母親が正当な理由なく面会交流を拒否した場合に、以下のようなリスクが存在します。
(1)間接強制
●家庭裁判所による履行勧告の申立て
家庭裁判所から相手方(母親)に対し、調停や審判で決まった面会交流の内容を守るよう勧告して、任意の履行を促します。ただし、履行勧告には強制力はありません。
●間接強制の申立てと実行
父親による申立てが認められれば、間接強制の手続きにすすみます。
間接強制では、裁判所が金銭の支払いを命じることによって履行を促す方法がとられます。具体的には,「1回会わせない度に母親に罰金を払え」というような命令を発します。
(2)慰謝料請求
父親からの慰謝料請求を受けることも考えられます。
父親が子どもと交流ができないことによる精神的な苦痛に対する賠償請求の形式になります。
慰謝料請求手続きには,裁判所の命令の先行がないので、いきなり慰謝料請求の訴訟を起こされることもありえます。
(3)親権者の変更
親子交流を拒否したことによって、裁判を経由して親権者の変更がされることもあります。
面会交流の拒否が原因で親権が変更されることは滅多にありませんが、実際に、離婚の際に親権者になった母親が、父親と子どもを交流させないということを理由に、親権者を父親に変更するとされた事例もあります。
トラブル予防のための公正証書の重要性
面会交流の合意は、口約束ではなく、書面で行うことが重要です。
書面化されていないと、相手が約束を守らなかった場合でも、不履行を主張することが難しくなる可能性があります。なお、離婚協議書は、「公正証書」で作成することをおすすめします。面会交流とともに、養育費や慰謝料、財産分与などの取り決めをした場合には、高い法的効力を持つ公正証書は大きなメリットになります。





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