【結婚】契約結婚の流れについて
- 行政書士 服部祥明

- 2025年11月13日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年11月21日

契約結婚とは、結婚する前に、婚姻生活上のさまざまな事柄について取り決めた上で結婚することです。
契約結婚をテーマとしたドラマや漫画が話題になるなど、見聞きした人も多いと思いますが、それが一体どういう契約なのか、実際にはあまり知られていないように思います。
そこで今回は、契約結婚の概要や注意点などについて、わかりやすく解説していきます。
契約結婚とは
契約結婚とは、婚姻をしようとする二人が、婚姻前に、婚姻生活について契約を締結して結婚するというものです。
その内容は、二人が話し合って合意を得ることになりますが、一般的には「生活費の分担」「家事の役割分担」「子どもの教育方針」「親族との付き合い方」「離婚の条件」などについて決めていきます。
契約結婚の目的
(1)結婚前にお互いの価値観を共有する
普通の結婚においても、結婚後の生活について話すことはあると思いますが、契約結婚においては、家事・育児・生活費の分担など、結婚生活における具体的な条件について、話し合いを行い、契約書に盛り込んでいきます。
契約締結に向けた話し合いの中で、これらの価値観について、お互いの考えを結婚前に共有するのが、契約結婚の目的です。
(2)良好な夫婦関係を築きやすい
結婚後の生活内容等について、あらかじめ合意してから結婚をするため、合意した事柄について言い争いが減ることが期待できます。契約内容に沿ってお互いが行動するようになるので、対等で良好な関係を築く可能性が高まります。
(3)離婚時のトラブルを防ぐ
契約結婚では、通常、財産分与などの離婚に際しての条件についても定めます。離婚時には、万が一離婚することになったとしても、契約の内容に基づいて離婚を進めることとなり、離婚の条件を巡るトラブルを防ぐことができます。
契約結婚で決めておく項目
(1)結婚契約書に盛り込むべき事項
結婚契約書では、以下の項目に従って、家事の分担、家計の管理方法、子どもの教育方針など、可能な限り詳細に、条件を決めておく必要があります。
・婚姻中の生活費などの分担
・日用品の購入などの日常の家事に関する連帯の責任
・夫婦間における特有財産や共有財産の所有権
・離婚の条件(財産分与、親権、子どもが生まれた場合の養育費など)
(2)結婚契約書に盛り込むべきでない事項
そのほか、たとえば、性交渉を最低でも週1回行う等の定めを設けることも考えられますが、結婚契約書に盛り込む条項としてはふさわしくないかもしれません。性交渉を行うか否かは本人の意思が尊重されるべきものなので、契約によって強制はできないと考えられます。
契約結婚の弱点
(1)契約書の内容の変更が難しい
結婚後、価値観の変化や夫婦関係の変化などに伴い、契約した内容を変更したいと考えることもあるでしょう。しかし、結婚前に合意した夫婦の「財産関係」の契約については、結婚後に、その契約内容を変えることはできません。
夫婦の財産関係以外の点については、結婚後であっても契約内容を変更することは可能ですが、気持ちが変わるたびに契約書を書き直すなどして契約内容を変更するとなれば、労力がかかってしまいます。
(2)契約に違反した場合は離婚となりやすい
裁判で認められる離婚原因には、「浮気」や「3年以上の生死不明」、「強度の精神病で回復の見込みがない」などの条件があります。契約結婚の内容に関する違反は、法律上、離婚の条件としては認められていません。
むしろ、契約結婚は、婚姻生活のあり方について事前に話し合い、明確にしておくことで、結婚後のトラブルを減らして夫婦関係を良好にすることを目的にしています。しかし、これによって、契約違反があった場合には、夫婦の合意による離婚を選択する可能性が高まります。
契約結婚の手続き
契約結婚は契約であるので、夫婦となる二人の協議を行い、合意して文書に落とし込む必要があります。
契約の方法については決まりがないので、口頭でも契約が成立し得るのですが、契約内容が不明確になってしまうので、やはり契約書を作成するべきです。契約書に当事者が署名・押印をすれば、有効な契約書として認められ得ます。
結婚契約書の作成は専門家にご依頼ください
結婚契約は、契約書のひな型や解説などが、専門書籍やインターネットサイトに掲載されています。
そのため、自ら契約書を作成することも可能ですが、契約書のひな型はあくまで一般的な条項を定めているだけなので、そのまま使用するのは危険です。
契約書の条項の有効性に疑義が生じると、契約を締結した意味がなくなってしまいます。契約内容が法的に問題ないかも含めて、結婚契約書の内容について法律の専門家に相談することは必須といえるでしょう。
結婚契約書を公正証書で作成しておくと、さらに信頼性が高まるので、ぜひ検討していただきたいところです。





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