top of page
検索

【離婚問題】離婚時の財産分与の基本

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 10月21日
  • 読了時間: 4分

更新日:11月21日


ree

離婚時の財産分与とは、婚姻生活の中で築いた財産を夫婦間で分割するための取り決めです。慰謝料や子どもの親権、養育費など、離婚時に決めなくてはならない項目がたくさんありますが、夫婦生活で築いてきた財産についても、正しく分割することで、不公平な離婚とならないようにしなくてはなりません。

 

  財産分与の基本

婚姻期間につくった夫婦の共通の資産を、離婚によって夫婦間で分割することを財産分与といい、慰謝料や子どもの養育費の支給とは別途のものと規定されています。

夫が働いていて妻が専業主婦の場合でも、夫婦の婚姻期間に築いてきた資産の半分を妻は受け取る権利があります。これが財産分与の基本的な考え方です。

財産分与は離婚をすると必ずおこなわなければならないというものではなく、あくまでも権利なので、夫婦の判断に任されています。

 

  財産分与の取り決めは離婚前に

離婚後に話し合いをして財産分割を取り決めることも可能ですが、常識的には、離婚前に財産分割の協議を完了しておくのが基本です。財産分与をせずに離婚を成立した場合は、後から気が変わっても相手に請求できなくなってしまうリスクも考えられます。

財産分割の事前準備として、お互いの資産がどのくらいあるのかを把握しておくことが大切です。

 

  財産分与の種類

財産分与の清算方法には3つの種類があります。清算的財産分与、扶養的財産分与、慰謝料的財産分与です。

離婚の経緯によって選択する財産分与の種類も変わってきます。離婚後にトラブルにならないように、しっかりと話し合いをして、分割の方法を決めておきましょう。

(1)清算的財産分与

清算的財産分与は最も一般的な方法で、婚姻生活の中で築いた資産を2分の1ずつ公平に分け合います。専業主婦であっても家庭内の家事は労働として判断され、夫の収入の大小に関わらず、公平に半分に分割します。

(2)扶養的財産分与

扶養的財産分与は、離婚をした時の職歴や年齢などの事情によって、相手の生活が著しく困窮してしまう場合などに、一定期間相手の生活を補助する目的でおこなわれるものです。

熟年離婚の場合は再就職が難しく、リタイアしているケースもあるので、受給する年金の中から相手に支払いがおこなわれることになるでしょう。

(3)慰謝料的財産分与

どちらかの不貞行為などによって、夫婦の信頼関係が崩れて離婚になった場合に選択できるのが、慰謝料的財産分与です。財産分与と慰謝料の請求を合算したものとして考えておけばよいでしょう。

 

  財産分与の対象

(1)財産分与の対象外となるもの

結婚前から所有していた不動産や個人的な預金、有価証券、親から相続した遺産は、財産分与の対象外です。また結婚後に購入したものであっても、洋服や化粧品などの個人的な持ち物は財産分与の対象外となります。

(2)退職金や年金の扱い

退職金も財産分与の対象となりますが、それは婚姻期間に限られます。

老後の生活を支える重要な年金ですが、年金の一部も分与対象です厚生年金や共済年金は財産分与であり、婚姻期間について、年金分割されます。

なお、国民年金や企業年金は対象外で、自営業者の場合は年金分割ができないので注意しましょう。

 

  財産分与の請求は離婚後2年以内

財産分与の請求は離婚後2年以内という規定があり、期限を超えると請求できなくなります。ずるずると財産分与の交渉を先延ばしにした結果、気づいたら期限切れで、相手方に請求できなくなったというケースも少なくありません。

そうならないためにも、離婚の前からしっかりと協議をおこない、かならず離婚届を提出する前に離婚協議を完了しましょう。

その際は、できれば公正証書による離婚協議書の作成をおすすめします。離婚後の生活を維持できるように話し合い、不幸にならない道を探しましょう。

 
 
 

コメント


bottom of page