【内容証明】時効援用のための内容証明郵便の活用について
- 行政書士 服部祥明

- 2025年12月2日
- 読了時間: 4分

借金には時効があります。
債権者が債務者に対して、「お金を返してほしい」と請求をせずに放置しておくと、一定期間が経過すると、時効が完成します。
ただし、これには条件があって、債務者が「時効援用」の意思表示をしなければ、いつまでも債権者から請求を受けることになります。
そこで今回は、時効の援用と、その意思表示の際に内容証明郵便を活用すべき理由について解説します。
時効とはなにか
物を購入したり、借金をすれば、支払い義務(債務)を負います。
債務者は、支払いを請求する債権を持っていますが、一定の期間が経てば、時効によって債権は消滅します。
消滅時効の期間は、それぞれの債権によって異なります。たとえば、売掛金の時効は2年ですが、借金の時効は5年または10年です(業者からの借り入れは5年、個人からの借金は5年)。
これらの債権の時効が成立した場合に、債務者は、時効の主張をして支払を拒むことができます。
時効援用とは
(1)債務者のアクションが必要
時効の効果を主張するには、時効の援用をしなければなりません。
時効援用とは「時効を援用します」と意思表示をするということです。たとえば、借金や買掛金債務の消滅時効を主張するときに、債務者に対して債務の時効を主張(時効援用)して、債務を消滅させることが可能です。
(2)時効援用を知らない債務者が多い
消滅時効期間が経過しても、債務者から時効援用の意思表示がなければ、債権者はいつまでも請求を継続します。
現実的に、債務者は時効援用の権利を行使するケースは少ないです。道義的に借りたものは返すという思いから、あえて返済するケースもあるでしょう。一度でも返済してしまうと、時効は中断して、時効の援用はできなくなります。
時効援用に内容証明郵便を活用すべき理由
時効援用をする場合には、普通郵便でも内容証明郵便でも、FAXでも構いません。電話で口頭による時効援用を行っても有効です。
ただし、相手に電話で時効援用をすると伝えても、通常は「書面でしてください」といわれるはずです。また、あとから「言った言わない」のトラブルになる懸念があることから、文書で「時効援用通知書」を送付するのが普通の手続きです。
さらに、普通郵便ではなく、内容証明郵便を使えば、「配達証明」によって、相手に、いつ、どんな文面で、時効援用の主張をしたことを確実に証明することができます。
内容証明郵便の書き方
(1)必ず入れるべき一文
時効援用通知書には、「消滅時効を援用します」という一文を入れます。
時効の起算点は、支払期限の翌日または最終弁済日の翌日の遅い方です。一度も支払いをしていなければ、支払期日の翌日から時効期間を起算し、一度でも返済をしているときは、最終返済日の翌日から時効期間を計算します。
(2)時効は完成しているか
確実に時効が完成していることを確認してから、時効援用通知を送ることが重要です。
時効が完成していないときに、先走って援用通知を送ってしまうと、「債務承認」と受け取られて、後々大きな問題を生ずる危険があります。
(3)債務承認しない
また、時効援用通知書を送るときには、「債務承認」的な表現をしないように注意が必要です。債務承認とは、支払い義務があることを認めることです。債務承認すると、時効の効果を主張できなくなってしまう危険があります。
内容証明郵便は弁護士や行政書士に依頼する
時効を援用するほど長期にわたって借金を支払っていない方は、住所変更をしていて債権者に居場所を知られていないことも多いでしょう。
内容証明郵便には自分の連絡先や住所を書かなければならないので、時効援用通知書を送付することにより、債権者に自分の居場所を知られることになります。
そうなると、債務返済などの督促を開始することになり、「やぶ蛇」になるリスクもあります。
このような懸念を回避するため、弁護士や行政書士などに依頼し、代理で時効援用通知を出す選択も考えられます。
発送元は、士業の名前と連絡先になるので、債務者の住所を知られる可能性はなくなり、債務承認が成立してしまうリスクも発生しないことになります。





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