【内容証明】不貞行為に対する慰謝料請求の時効について
- 行政書士 服部祥明

- 6月8日
- 読了時間: 3分

配偶者の不貞行為は、離婚原因になりうる夫婦間の重要な事件です。
もっとも、婚姻中に不倫が発覚するとは限らず、離婚後に元配偶者の不倫の事実が発覚したケースもあるでしょう。そのような場合はどうすればいいのでしょうか。
不貞行為に対する慰謝料を請求する場合には、期限(時効)があるのです。
不貞行為の時効とは
(1)誰に慰謝料請求できるか
不貞行為の被害者である配偶者は、不法行為(不貞行為)による精神的苦痛に対する損害賠償として、加害者に不貞慰謝料を請求することができます。
この場合の加害者とは、「不貞行為をした配偶者」と「不倫相手」の両方のことで、慰謝料はどちらにも求めることが可能です。
(2)不貞行為の時効期間
加害者への慰謝料請求はいつでもできるわけではなく、一定の期間が経過すると、請求権が消滅してしまいます(消滅時効といいます)。
不貞行為に対する慰謝料請求権の消滅時効は、被害者が不貞行為の事実と不倫相手を知ったときから3年間、不貞行為が行われた日から20年間です。
「不倫相手を知ったとき」というのは、「不倫相手が誰か」が判明した状態を指します。つまり、不倫相手が誰かわからず、その後3年以上経過してから、不倫相手が誰かわかった場合は、不貞行為が行われてから20年以内であれば、慰謝料請求権は消滅しません。
なお、配偶者に不貞行為に基づく慰謝料請求をする場合は、婚姻中は時効が完成せず、離婚成立から6か月経過するまで時効が延長されます。したがって、配偶者の不貞を知った時点から3年以上経過していても、離婚していなければ請求できることになります。
(3)時効の中断とは
時効は3年、20年で自動的に発動するのではなく、条件により、更新や完成猶予が認められています。
「時効の更新」とは時効がリセットされるという意味です。時効が更新されると、新たにその時点から時効が進行します。「時効の完成猶予」とは時効が中断するという意味で、一定期間、時効の進行をストップさせる効果があります。
時効を更新、完成猶予する方法
時効が成立してしまうと慰謝料を請求することができなくなってしまうので、時効が間近に迫っている場合には、時効の期限を遅らせる方法を検討しましょう。
(1)内容証明郵便を送付する
相手に慰謝料請求の意思表示をすることを「催告」といい、内容証明郵便で催告することで、時効の成立を6か月間猶予することが可能です。
ただし、内容証明郵便の送付はあくまでも「完成猶予」にとどまるため、時効を更新するためには訴訟を提起する必要があります。また、催告は繰り返し行うことができない点に注意が必要です。
したがって、慰謝料を請求する内容の内容証明郵便が相手方に到達した後、訴訟提起せずに6か月経過すると、消滅時効が完成してしまいます。
(2)訴訟を提起する
不貞慰謝料請求の裁判を起こすことで、判決が出るまで、時効完成が猶予されます。
そして、裁判が決着し、判決確定または和解成立した場合は、その時点から10年間時効が更新され、慰謝料の請求権が有効となります。この期間内であれば、相手が支払いをしない場合には強制執行(差し押えなど)を行うことが可能です。
(3)不倫相手に慰謝料を払う意思を示させる
加害者が慰謝料を払う義務を認めることを「債務承認」といいます。
加害者の債務承認は、時効の完成猶予の効果があります。後になって「言った言わない」の水掛け論にならないように、口頭の約束ではなく、合意書を作成しましょう。
また、相手方と不貞行為に対する慰謝料請求について、協議を行うことの合意を取り、書面にすることで、合意があったときから1年間は時効の完成が猶予されます。
上記の期間内に協議がまとまらない場合は、再び協議するという合意ができれば、最長5年まで、時効の完成が猶予されます。





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