【相続問題】遺言書はいつ作成するべきか
- 行政書士 服部祥明

- 21 時間前
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遺言書は、自分の死後の資産の分配や、大切な人へのメッセージを保証する文書です。遺言書には、不動産や預金などの財産の具体的な分配方法や、特定の人への特別なメッセージを記載することができます。
人生には不測の事態がつきものです。残される家族のために自分の意志を明確に伝え、相続人の間に相続トラブルが起こらないようにするためには、適切なタイミングでの遺言書の準備をすることが不可欠です。
遺言書は何歳から書くべきか
民法では、「15歳に達した者は、遺言をすることができる。」旨が定められています。もっとも、未成年の人が遺言書を書くケースはほとんど見聞きしません。固有の財産がほとんどないからです。
実際に何歳で作成するのがベストかというのは、それぞれの状況によって異なります。実際には、高齢になってから遺言書を書かれる人が多いのが現状ですが、遺言書は早めに作成しておくのがおすすめです。
遺産相続と遺言書
(1)遺言書のあるなし
遺言書は、「誰に、どの財産を、どのように渡すか」という、遺言者(遺言する人)の希望を記載した書面です。遺言書がある場合、遺産は遺言書の内容にしたがって分配されます。
遺言書がない場合は、相続人同士で話し合って(遺産分割協議)分配方法を決めるか、協議がまとまらなければ最終的に裁判所に申立てをして遺産の分配方法を決めます(遺産分割審判)。
(2)遺言書作成のきっかけ
遺言書を作成するかどうかは自由です。また、いつまでに作成しなければならないという決まりもありませんが、心境やライフステージが変化したときは、遺言書を作成するためにふさわしいタイミングかもしれません。
財産の状態の変化や、人間関係が変化したタイミングは、遺言書を作るきっかけになります。
遺言書を作成すべきタイミングとは
法律上、有効な遺言を作成できるのは15歳以上ですが、実態として、遺言書を作成する人の平均年齢は70歳以上といわれています。しかし、「いつかそのうち」と決断を後送りした結果、遺言書を作成できなくなるケースも多いのです。
遺言書は年齢を重ねてから作成しなければならないというものではなく、必要と考えるタイミングで作成しておきたいものです。そこで以下では、遺言作成のきっかけとなる事象を紹介します。
(1)収入や支出の変化
①就職や独立、定年退職
就職、昇進、独立起業など、収入の変化が生じたときに、遺言書の作成を検討する選択があります。あるいは、サラリーマンの場合は、定年退職のタイミングで、遺言書作成を検討するケースがあります。
②住宅購入や住宅ローンの完済
自宅や不動産の購入時に遺言書作成を検討するのも一考です。住宅ローン完済のタイミングで遺言書の作成を検討するのもいいでしょう。不動産を含む相続は、資産を複数の相続人に平等に分けることが難しく、相続トラブルの原因になりがちです。
(2)結婚や出産
家族関係(相続関係)が大きく変わることによって、遺言書を残す人も多いです。配偶者は、常に一定の財産を相続することになり、子どもが生まれれば、配偶者と子どもが相続人になります。
子どもがいない夫婦の場合は、配偶者だけでなく、両親や兄弟も相続人になります。たとえば、配偶者へ多く財産を残したいときは、遺言書で指定することが可能です。本来相続人ではない孫に遺産を渡したい場合には、遺言書で遺贈することも可能です。
(3)親からの遺産を相続したとき
親の遺産を相続して資産が増えたときは、自身の遺言書を検討するタイミングでもあります。たとえば、先祖代々の土地を相続し、その土地をさらに特定の相続人に引き継がせたい場合は、遺言書による指定をしておくといいでしょう。
(4)配偶者を亡くした(離婚した)
配偶者が亡くなるということは、主要な相続人がひとりいなくなることを意味するので、改めて資産の遺し方を考える機会となります。離婚した場合の配偶者も同様です。
配偶者がいる間はトラブルがなくとも、子どもの間で相続トラブルになるケースがわりと多いです。
(5)親戚関係の問題
子どもがそれぞれ独立すると、関係が疎遠になるケースも散見します。交流のない親戚の間で相続が発生すると、今までの不平不満が合わさって揉めることもあります。それぞれの相続人が絶縁状態になっていると、遺産分割協議が難しくなることも考えられます。
このようなトラブルが予見される場合は、有効な遺言書を作成して、トラブル対策をしておくべきでしょう。
遺言書はできるだけ早く作成すべき理由
(1)先送りすることのリスク
現時点では、上掲のようなトラブルやきっかけはなくても、将来的にどうなるかはわかりません。
あまり想定したくないことですが、突然の事故や病気によって亡くなったり、遺言書を作成できなくなるケースもあります。
また、年を重ねて認知症を発症すれば、有効な遺言書を作れなくなります。「転ばぬ先の杖」で、可能であれば、遺言書は年齢にかかわらず早めに作成しておくことをおすすめします。
(2)遺言書は何度でも作り直すことができる
遺言書を作るのが早すぎると、その後に自分の気持ちや状況が変わる可能性があります。それは実際その通りですが、状況が変化すれば、遺言書は何度でも作り直すことができます。





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