【内容証明】債務の消滅時効を主張する際の注意点
- 行政書士 服部祥明

- 18 時間前
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債務は、弁済期(原則として、借金や利息の支払期日から5年)を経過すると、時効によって消滅します。
ただし、時効期間が経過したからといって、自動的に債務が消滅するわけではありません。債務を消滅させるためには、時効期間が経過した後に、債務者が消滅時効を援用する意思表示をしなければなりません。援用とは、一定の事実を自分の利益のために主張することです。
消滅時効とは
消滅時効とは、権利を有する者(債権者)が一定期間その権利を実行しない場合に、債務者から消滅時効の主張をすることによって、権利自体が消滅するという制度です。消滅時効が完成すると、権利義務自体がなくなり、その後は請求をされても支払い義務がなくなります。
消滅時効の条件
それでは、具体的に消滅時効が成立する条件を確認していきましょう。
(1)貸金、売掛金などの消滅時効
以下のいずれかに該当すると、消滅時効の期間が満了になります。
①債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき
②権利を行使することができる時から10年間行使しないとき
一般的には、①が適用されます。
(2)不法行為による損害賠償請求権の消滅時効
具体例としては、交通事故被害の損害賠償請求権、配偶者の不貞相手に対する損害賠償請求権、名誉毀損被害の損害賠償請求権などがあります。以下のいずれかに該当すると、消滅時効の期間が満了になります。
①被害者またはその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき
②不法行為の時から20年間行使しないとき
人の生命や身体を害する不法行為の場合には、上記①についての期間が5年になります。
消滅時効が完成しないケース
上記期間の経過にかかわらず、以下の条件や債権者側の対策によって消滅時効は完成しません。注意しておきたいところです。
(1)一部でも支払った場合
債権者への支払は、少額であっても債務の承認にあたり、時効が更新されてしまいます。なお、さらにその時点から時効期間が経過すれば、消滅時効を援用できます。
(2)債務を承認した場合
「借金があることを認める」といった書面にサインをしたり、「必ず支払う」という誓約をした場合には時効が更新され、その時点からさらに時効期間が経過しないと消滅時効が援用できなくなります。
(3)民事訴訟や簡易裁判所の支払督促を申立てされた場合
これらの裁判上の手続中は、時効の進行がストップします。勝訴判決等が確定すれば、時効が更新され、その時点からさらに時効期間が経過しないと消滅時効が援用できません。
なお、住民票を放ったらかしにしたまま何度も転居していると、所在不明の扱いとなり、「公示送達(裁判所の掲示板に訴状を貼り付けること)」によって、自分の知らぬ間に裁判が進んでいる可能性があるので、注意が必要です。
(4)強制執行をされた場合
裁判所による差押えなどの強制執行手続きが行われた場合は、時効の進行がストップします。強制執行が終了した場合は、その時点からさらに時効期間が経過しないと消滅時効が援用できなくなります。
(5)催告をされた場合
時効期間の満了前に、支払催告を受けると、催告から6か月間は、消滅時効は完成しません。ただし、催告による時効延長の効力は1回だけです。
時効完成までの期間が迫っていて、裁判を起こすまで時間がないときに、裁判を起こすまでの時間稼ぎとして催告が利用されることがあります。
消滅時効援用の手続の流れ
消滅時効援用の通知をする際の一般的な流れは以下の通りです。
(1)時効期間の確認
最終の弁済日や取引日から5年が経っていることを確認します。また、その間に裁判などを起こされていないことが要件です。なお、時効期間満了前6か月以内に、請求書等で支払の催促があった場合は、最終の請求から6か月経過している必要があります。
なお、消滅時効の完成には、相手方の了承や承諾は必要ありません。
(2)消滅時効援用通知書の発送
相手方に対して、文書によって消滅時効を援用するという意思を伝えます(消滅時効援用通知書といいます)。普通郵便でなく、内容証明郵便(配達証明付)で発送しましょう。
相手が消費者金融やカード会社などの金融業者の場合には、「時効更新事由を主張される場合は、2週間以内に具体的な理由と根拠を書面でお送りください」と入れておくことをお勧めします。
消滅時効援用通知の注意点
(1)消滅時効援用通知は必ず内容証明郵便で
消滅時効援用通知をする際には、いつどのような文面を発送したのかが極めて重要です。
「送った送らない」といったトラブルを避けるため、消滅時効援用通知書は必ず内容証明郵便(配達証明付)で発送しましょう。
(2)債務の承認にあたらないように注意
たとえば、相手が主張している債権額と、こちらが把握している債権額に争いがあるケースについて、「金額が違う」といった主張をするのは避けましょう。単純に債務があることを認めることになってしまう危険があります。主張する金額の違いに触れず、消滅時効援用通知書の本文末尾に、「本書面は債務承認をするものではない」と一文入れておくとよいでしょう。





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