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【内容証明】内容証明を無視したらどうなるか

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 11 分前
  • 読了時間: 4分


内容証明郵便とは、「いつ・誰に・どんな内容を送ったのか」を郵便局が証明してくれる特殊な郵便です。文面を3通作成し、差出人と郵便局がそれぞれ1通ずつ保管します。そのため、後日トラブルになった際には、送付した事実やその内容を明確に示す証拠になります

 

  内容証明郵便を無視したら

相手が内容証明郵便の受け取り拒否をした場合、「通知が届いていない」と主張されてしまうのではないかと不安に思う人も多いでしょう。

しかし、実際には、受け取り拒否があっても一定の条件のもとで「到達した」とみなされることがあり、法的効力が失われるわけではありません。

(1)到達主義と「到達みなし」の考え方

民法では、意思表示は、相手方に到達した時点で効力を生じるとされています。これを「到達主義」といいます。

もっとも、裁判実務では、受取人が正当な理由なく受け取りを拒否した場合、通知を受け取ったとして扱われ(いわゆる「到達みなし」)、受け取り拒否によって法的責任を逃れることは難しいとされています。

(2)裁判での証拠としての役割

受け取り拒否によって郵便物が返送された場合でも、発送した事実自体は残るため、相手に対して通知を送ったことを立証することが可能です。

 

  実際の拒否のパターン

内容証明郵便は配達員が手渡しで届けるため、受取人はその場で受け取りを拒否することができます。受け取り拒否の方法としては、以下のようなパターンがあります。

① 居留守を使うケース

インターホンに応答せず、不在であるかのように装うケースです。この場合、配達員が不在票を残します。その後、郵便局が一定期間郵便を保管して、その後差出人に返送されます。

② 受取拒否を明言するケース

配達員に対して「受け取りません」とはっきり伝えるケースがあります。郵便物には「受取拒否」と記載され、差出人に返送されます。

 

  受け取り拒否が発生する様々なパターン

(1)クーリングオフ通知

クーリングオフ制度は、特定商取引法に基づいて消費者を保護する制度です。クーリングオフができる期間は、契約内容によって法律で定められています。

●8日間・・・訪問販売、電話勧誘販売、特定継続的役務提供、訪問購入など。
●20日間・・・連鎖販売取引、業務提供誘引販売取引など。

郵送による通知については、「発送した時点」で効力が生じます。事業者が受け取りを拒否しても、期間内に手紙が届けば、その時点でクーリングオフは成立し、返品や契約解除の効力を免れることはできません。

(2)契約解除通知

契約解除通知については、契約書の定めがある場合以外、一般的には「到達時」に効力が発生します。

判例や裁判実務では、「受取人が正当な理由なく受け取りを拒否した場合は、到達したとみなす」ことがあり、法的には「届いた」と評価される可能性が高いです。

(3)催告による時効の完成猶予

債権回収の場面でよくみられるのが、時効完成を防ぐための催告です。

時効期間が迫っている債権について、相手に対して支払いを求める意思を伝える行為で、法律上、催告は相手に到達した時点で効力が生じます。契約解除通知と同様、受け取り拒否された場合でも、到達したとみなされることがあり、債務者が受け取り拒否をしても、時効による責任逃れができるとは限りません。

(4)その他

内容証明郵便は、企業間のトラブルや労働問題でも多用されます。たとえば以下のようなケースです。

●債務不履行に基づく損害賠償請求
●未払い残業代や賃金の支払い請求
●取引先への売掛金請求

これらはいずれも、相手に通知が「到達」すれば法的効力を持ちます。

故意に受け取り拒否をした場合には、到達したとみなされる可能性が高く、拒否を理由に効力を免れることは困難です。

 

  受け取り拒否された側の対応手段

内容証明郵便を受け取り拒否された場合でも、差出人の対策はいくつかあります。

① レターパックを併用する

レターパックで内容証明と同一の書面を送付して、相手が受け取り拒否をしようとしても受領してしまう状態を作る方法があります。

② 再送付

相手がたまたま不在だった可能性もあるため、一度返送されてしまった場合でも、日時を改めて再度内容証明を発送する方法があります。

再送することによって、相手が一貫して拒否している事実を証明できる点も大きなメリットです。

③ FAXやメール

内容証明の補完的手段として、FAXやメールを併用してみましょう。FAXの送信記録や送信済みメールのログは、通知を行った証拠になります。

④弁護士に解決を依頼する

内容証明郵便を受け取り拒否するというのは、誠実に対応する気持ちがないことの証明です。内容証明郵便そのものには、法的拘束力はないので、最終的な問題解決のためには、弁護士への依頼を検討しましょう。

 
 
 

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