【離婚問題】専業主婦が受けられる財産分与額について
- 行政書士 服部祥明

- 18 時間前
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離婚を考えている専業主婦のなかには、「収入がないから財産分与を受けられないかも」と不安に思われている方が多いかもしれません。
これは大きな誤解です。専業主婦であっても、夫婦間の取り決めによって、財産分与を受けることができます。
専業主婦でも財産分与を請求できる
財産分与とは、婚姻生活中に夫婦で協力して築いた財産を、夫婦の貢献度に応じて分配することです。
夫婦の婚姻中の貢献度は、基本的に等しいと考えられているので、専業主婦であっても、財産分与を請求できます。
(1)分与可能な財産の種類
専業主婦が財産分与によって、受け取れるのは、婚姻期間中に夫婦で協力して築いた共有財産です。現金や預貯金、不動産、年金、退職金、自家用車、保険などが対象になり得ます。
婚姻中に夫婦で協力して築いた財産であれば、名義は関係ありません。
たとえば、夫名義の預貯金であっても、結婚後に貯めたお金であれば、受け取れる可能性があります。
(2)分与の対象にならない財産
一方で、婚姻前から一方が所有していた財産や、婚姻中に夫婦の協力とは無関係に取得した財産は、「特有財産」として財産分与の対象になりません。
専業主婦が受け取れる財産の割合
(1)財産分与は2分の1が原則
財産分与の割合は、原則として2分の1ずつです。
夫婦の婚姻中の貢献度は等しいという考え方に基づいていて、夫婦の一方が専業主婦でも貢献度は同じと考えられています。
(2)財産分与の割合が変化するケース
一方で、夫婦で合意すれば、2分の1ルールにとらわれず、自由に財産分与の割合を決めることも可能です。
極端にいえば、合意のうえ、財産分与をせずに離婚することも可能です。そのほか、以下の場合には、財産分与の割合を2分の1から変更することは可能とされています。
●配偶者がギャンブルや浪費で財産を減らした場合
配偶者がギャンブルや浪費などによってお金を使い込み、大幅に財産を減らした場合は、専業主婦の妻が多めに財産を受け取れる可能性があります。
配偶者の浪費が原因で財産が減ったにもかかわらず、均等な割合で財産分与するのは不公平だと考えられるためです。
●婚前契約で財産分与の割合を取り決めていた
婚前契約とは、結婚後の生活に関するルールや離婚時の条件などについて、結婚前に取り交わしておく契約です。
婚前契約で取り交わした内容は、結婚したあとは原則として変更できません。そのため、婚前契約で財産分与の取り決めていた場合は、契約の内容に従うことになります。
●家事や育児を放棄していた
正当な理由なく、就労せず、家事や育児も放棄していた場合は、専業主婦が受け取れる財産が少なくなる可能性があります。
ただし、「家事・育児が苦手でうまくできなかった」という理由によって、離婚後に受け取れる財産が少なくなることはないでしょう。
●配偶者が特殊な能力や技術で収入を得ていた
配偶者が特殊な能力や技術などによって多額の収入を得ていた場合、専業主婦の方が受け取れる財産が少なくなる可能性があります。たとえば、配偶者が、会社経営者、医師や弁護士などの専門職、芸術家やトップアスリートなどの職業に就いていたようなケースでは、家庭の収入は配偶者の貢献度が極めて大きいと判断され、財産分与の割合が修正される可能性があります。
財産分与の注意点
(1)財産分与を請求できる期間は離婚後2年以内
財産分与は、離婚と同時に取り決めるのが一般的ですが、離婚後2年以内であれば、離婚が成立してから財産分与を請求することも可能です。
もっとも、離婚後はお互いに連絡が取りにくくなるだけでなく、財産調査が難しくなったり、共有財産を勝手に消費されるリスクもあるので、やはり離婚届を提出する前に、財産分与の取り決めをしておくべきでしょう。
また、年金分割の期限も、離婚してから2年以内に手続きしなければなりません。
(2)子どもの有無は財産分与に影響しない
子どもの有無は財産分与には影響しません。
したがって、子どもがいない専業主婦でも、受け取れる財産が減ることはありません。なお、子どもがいる場合は、財産分与とは別に、養育費の取決めが必要です。
(3)扶養的財産分与が認められるケースもある
扶養的財産分与とは、離婚後に夫婦の一方が生活に困窮する事情がある場合に、生計を補助するものです。
離婚した夫婦は、お互いに扶養義務を負わないため、離婚判決や離婚後の財産分与の審判において、扶養的財産分与が認められることは基本的にはありませんが、たとえば、離婚後の専業主婦に、病気やケガで働くことが難しいといった経済的困窮の事情がある場合に、扶養的財産分与が認められます。





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