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【相続問題】自筆証書遺言が無効になるケースとは

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 1 時間前
  • 読了時間: 3分


遺言書の効力は絶対ではなく、無効になる場合があります。

遺言書には大きく分けて「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。自筆証書遺言は、手間がかからず簡単に作成できる一方で、書きかたの不備などにより、無効となることが少なくないので、とくに注意が必要です。

 

  遺言書の基本ルール

(1)作成日を記載する

遺言書には、全文、作成日付、遺言者の氏名を自書し、押印する必要があります。作成日付は、特定できるように正確に記載しなければなりません。たとえば、「令和8年4月吉日」といった、日にちを特定できないあいまいな記述は無効です。なお、複数の遺言書が存在する場合は、もっとも新しい日付のものが有効とされます。

(2)遺言者の氏名を自署し押印する

遺言書が複数枚ある場合には、すべてに契印をします。実印である必要はありませんが、遺言書の信頼性を重視するため、実印を選ぶケースが多いです。

(3)代筆は禁止

夫婦や親子であっても、遺言書の代筆は認められません。

遺言は書面で作成する必要があり、口頭やビデオなどの画像による遺言は認められません。

(4)共同遺言は禁止

たとえば、同じ遺言書に書かれた複数人の遺言書は無効です。夫婦が遺言をのこす場合、それぞれ別々の遺言書を作成する必要があります。

 

  遺言書が無効になる具体的なケース

(1)ルールの逸脱や不明瞭な内容

誰に何を相続させるのかなど、不明瞭な内容の遺言は、無効になる可能性があります。

誤字脱字の訂正方法が間違っている場合や、作成日が記載されていないなど、記載ルールを守っていない遺言は無効です。

(2)遺言能力がない人による作成

遺言能力がない人が作成した遺言書は無効です。

15歳未満の人が作成した遺言書は無効です。認知症などで遺言能力がないとされるかどうかは、病状、遺言内容、受贈者との関係などを総合的に考慮して判断されます。

遺言を作成する時点で、遺言内容を理解し、その結果を認識できる能力(遺言能力)が必要とされるので、単に認知症であることだけでは無効とは判断されません。

訴訟になった場合は、裁判所がこれらの要素を評価して遺言書の有効性を決定します。

(3)内容が公序良俗に反している

遺言書の内容が公序良俗に反している場合も無効です。

愛人や不倫相手への贈与は、必ずしも無効になるわけではありません。不倫関係を継続させることを目的としたような場合は無効になる場合があります。

(4)錯誤や詐欺、強迫により作成されている

遺言書が錯誤(まちがい)によって作成された場合も無効となりますが、実際に認められるケースは少ないようです。

また、詐欺や脅迫によって作成された遺言書は無効となり、詐欺や脅迫を行った人が相続人であれば、相続権を剝奪されます。また、偽造された遺言書は無効で、遺言書を偽造した人は相続権を失います。

 

  遺留分の侵害に注意

遺言書の内容で、一部の相続人を優遇するような遺産配分が指定されている場合は注意が必要です。

複数の相続人がいる場合、極端にひとりの相続人に財産を相続させるなど、偏った内容の遺言書は、ほかの相続人の遺留分を侵害しているとされ、遺留分を侵害された相続人には、遺留分侵害額請求をする権利があります。

遺留分侵害額請求がされると、遺言で決められた財産関係を一度リセットし、分配しなおす作業が必要になります。つまり、遺言が無駄になるのと同じことになるので、遺言書を作成する際には、遺留分に充分注意することが求められます。

 
 
 

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