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【内容証明】内容証明を無視したらどうなるか

執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
行政書士 服部祥明
10 分前
読了時間: 4分

普通の生活をしていれば、内容証明を受け取ることは少ないでしょう。実際に、このような郵便物を送られる側には理由があります。

もし内容証明が送られてきたら、それを無視した場合にどうなるのでしょうか。結論からいうと、内容証明を無視し続けても、直接的なペナルティが発生するわけではありません。しかし、無視することによって、問題が解決することはなく、むしろ、状況は刻一刻と「裁判」や「差し押さえ」といった、取り返しのつかない強硬手段へと進んでいくリスクがあります。

 

  内容証明の目的

内容証明は、文書を差し出した日時や差出人、宛先、文書の内容を証明するためのサービスです。その目的は、自分の主張を確実に知らせるためのものであり、受け取り側にすぐに請求書の内容通りに義務が発生するというわけではありません。

また、内容証明によって、発信者の請求の内容が正当であると証明されるわけではありません。

 

  内容証明の受け取り拒否自体は可能だが

内容証明の配達時に受取拒否を伝えた場合や、不在通知が届いて保管期間内に受け取らなかった場合は、発信者に文書が返送されます。

(1)内容証明を無視しても「なかったこと」にはならない

ただし、内容証明の受領拒否をしても、請求がなかったことにはなりません。具体的な事情によって法的な判断は異なりますが、正当な理由なく意思表示の到達を妨げた場合は、通常到達すべき時に、文書が到達したものとみなされることがあります。

(2)発信者の反応はどうか

内容証明の受け取り拒否によって、発信者がそこで諦める可能性もありますが、内容証明を送付している時点で、請求に関して相当の熱量を持っているので、簡単に諦めるとは考えにくいです。さらに追加で内容証明を送ってくる、あるいは、相手方の感情がさらに悪化し、一気に訴訟に発展するなど、大きなトラブルになる可能性があります。

 

  内容証明のその先にあるもの

(1)「無視すれば時効になる」という大きな誤解

文書を無視して逃げ回っていれば、そのうち時効(消滅時効)が成立して、請求に応じずに済むと軽く考えている人がいますが、これは実務上、極めて困難です。

①内容証明による「6か月の足止め」

内容証明が届いた時点で、時効のカウントは止まります。その6か月以内に裁判を起こされれば、時効は完全にリセットされます。

②判決による「時効の10年延長」

通常の債権の時効は原則5年ですが、裁判で判決が確定すると、時効期間は10年に延長されます。さらに、10年が経過する前に再度裁判を起こされたり、債務の一部を返済(債務の承認)することで、時効は何度でも更新されます。債権者が諦めない限り、一生逃げ切ることは不可能なのです。

(2)内容証明郵便を無視していると突然訴状が届く

多くの場合、内容証明郵便には、「いつまでに回答せよ」という回答期限が書かれています。また、その期限を過ぎると、「損害賠償の支払いを求める裁判を起こす」旨の記述もされているでしょう。「どうせ脅しだろう」とタカをくくって期日を過ぎても無視を続けていると、ある日突然、裁判所から訴状が届くかもしれません。

(3)専門家のサポートが必要になる

もし、発信者の要望に従うつもりがないのであれば内容証明を無視するのではなく、その旨を伝えるべきです。相手方と直接連絡を取るのが怖い、勇気が出ないという場合は、弁護士等の専門家に相談してみるとよいでしょう。いずれ裁判になれば、自力で立ち向かうことは不可能です。

 

  無視しても問題は解決できない

内容証明を無視することによって、一時的に嫌なことから目を背けることはできるかもしれません。しかし、法的な世界では、無視は「反論の放棄」であり、「相手の主張を認める第一歩」となります。発信者にすれば、文書を無視されれば、それは相手の不誠実さを証明するチャンスとなり、速やかに次のフェーズ(支払督促や訴訟)へ進むことが可能になります。

無視を続けても、給与や預金が差し押さえられる未来が待っているだけです。手遅れになる前に、回答書を送るか、専門家に相談して解決の糸口を探すべきです。内容証明は、あくまで解決のための「対話の入り口」です。正しいステップを踏んで、誠実に対応してください。

 
 
 

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