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【内容証明】内容証明郵便を無視するとどうなるか

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 7 日前
  • 読了時間: 5分


内容証明郵便は、一般書留郵便物の内容文書について証明するサービスです。

内容証明郵便として文書を郵送すると、いつ、どのような内容の文書を、誰が誰宛に送ったのかを郵便局が証明してくれるため、法律効果を有する通知や請求を行う場面でよく利用されています。今回は、内容証明郵便が届いたときに、受け取り拒否や無視するとどうなるかについて解説します。

 

  内容証明郵便の受け取り拒否は危険

内容証明が届いたとき、「何か大変なことになったのでは…」「どう対応すればいいのだろう…」と、気が動転してしまうかもしれません。

しかし、内容証明郵便を受け取り拒否するのは大変危険です。

内容証明は、相手方が何らかの法的な意思表示をしてきている証拠であり、文書の中身を確認することもなく、受け取りを拒否すると、自身の立場が不利になる可能性があります。正当な理由がない受け取り拒否は、法的に「到達した」とみなされ、意思表示の効果が及ぶ可能性もあります。

まずは文書を受け取って、その中身を確認しなければなりません。これは大原則です。

 

  内容証明郵便を無視するとどうなる

内容証明郵便の中身を確認したうえで、先方の要求を無視したとしても、即座に支払義務などが生じるわけではありません。しかし、以下のような問題が発生するリスクがあります。

(1)交渉が難しくなる

内容証明を無視する行為は、対話を拒絶する意思表示と受け取られ、相手は話し合いによる解決が困難であると判断します。

相手の感情を害し、関係性を悪化させてしまうため、本来であれば可能だった和解案(たとえば貸金返済の減額や分割払いなど)を交渉する機会を失います。

(2)訴訟リスクが高まる

内容証明を無視すると、相手は、交渉の意思がないと判断し、訴訟などの法的手段に移る可能性が高まります。

裁判になった場合、内容証明を無視した事実が不誠実な印象を与え、不利に働くことも考えられます。

 

  放置すると危険な内容証明

内容証明での通知に対しては、基本的に、なんらかのリアクションをするべきですが、とくに注意しなければならないケースがあります。

(1)契約の申込や解除

契約に関する通知を安易に放置すると、意図せず契約が成立したり、重要な権利を失ったりする不利益が生じることがあります。

契約の申込や解除に関する内容証明は、返答の有無が法的な効果に直結するため、早急な対応が必要です。通知を放置した場合、申込みを承諾したとみなされ、自動的に契約が成立してしまいます。

また、自分に契約解除権がある場合に、相手側から、「期間内に解除するか否かを決めてください」という催告が届くことがあります。この通知を無視して期間内に返答しないと、解除権が消滅してしまいます。

(2)相続の承認や放棄

自分が相続人になった際に、故人の債権者や他の相続人から、「相続を承認するか放棄するか決めてほしい」旨の内容証明が届くことがあります。

相続放棄は、原則3か月以内に家庭裁判所での手続きが必要で、これを怠ると相続を「単純承認」したとみなされます。

単純承認とは、プラスの財産だけでなく借金などのマイナスの財産も含めて、すべてを引き継ぐことです。もし、故人に多額の借金があり、この催告を放置したまま3か月が過ぎてしまうと、故人の借金を相続し、返済しなければなりません。

(3)無権代理の追認請求

誰かが無断で、自分の代理人と名乗って第三者と契約を結ぶ行為を「無権代理行為」といいます。その契約相手から、「この契約を認めますか(追認しますか)」と訊ねる文書が、内容証明で届くことがあります。

この文書を無視して期間内に返答しないと、契約を「追認拒絶」したとみなされ、契約は無効となります。一方で、自身が追認を拒絶したことで、契約の相手方は、無権代理行為をした張本人に対して、契約の履行や損害賠償を請求できます。

無権代理人は、自分の家族や知人かもしれません。したがって、内容証明を受け取った場合には、無権代理人が誰であるかを確認したうえで、追認するか、拒絶するかを判断し、返答するようにしましょう。

(4)抵当権の抹消

抵当権は、ローン完済後に抹消登記をしなければ、登記簿に残ったままです。

そのことで、すぐに実害が発生するわけではありませんが、抵当権を抹消しない状態で不動産を売却すると、買主から抹消を求める内容証明が届くことがあります。通知を無視して抹消登記をしないと、債務不履行となって、買主から契約を解除されてしまうかもしれません。

一方、逆の立場もあり得ます。

自分が契約解除権を持つ場合、相手から解除するか否かを決めるよう求める催告が内容証明で届くことがあります。この通知を無視して期間内に返答しないと、自分の解除権は消滅してしまいます。

 

  士業名義の内容証明郵便を無視するのは危険

弁護士、行政書士、司法書士など、士業名義の内容証明郵便を無視してはいけません。相手が法律の専門家や士業に依頼した事実自体、事態が深刻である証拠です。

書かれている内容は単なる警告ではなく、訴訟を見据えた準備段階と考えられます。無視すれば、交渉の余地なしと判断され、速やかに訴訟を提起される可能性が高いでしょう。

相手の主張の根拠や落とし所を探るためにも、受け取った側もすぐに弁護士に相談し、適切な対応を協議するべきです。

 
 
 

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