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【相続問題】子どものいない夫婦の相続問題

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2 時間前
  • 読了時間: 4分


子どもがいない夫婦の相続について、「どちらか一方が亡くなった場合は、自動的に配偶者が全財産を相続できる」という勘違いをされている人は少なくありません。

実際に、夫婦のどちらかが亡くなった場合は、残された配偶者だけではなく、亡くなった人の両親または兄弟姉妹にも相続する権利があります。無用な相続トラブルを避けるためには、夫婦の生前対策が重要です。

 

  子どものいない夫婦の遺産は誰のものか

子どもがいない夫婦のどちらかが亡くなって相続が発生した場合は、配偶者だけではなく、被相続人の両親または兄弟姉妹も法定相続人になります。相続の発生時点で兄弟姉妹が死亡しているのであれば、甥姪が代襲相続人となります。

(1)両親が死亡し、兄弟姉妹(甥姪)がいなければ配偶者が全部相続できる

前述の前提から、被相続人(亡くなった配偶者)の家族構成が、「配偶者あり、子どもなし、両親死亡、兄弟姉妹なし(死亡含む)・甥姪なし(死亡含む)」の場合は、配偶者が全部相続できます。

(2)配偶者以外の法定相続人の優先順位

遺言書がない場合は、被相続人の財産は、法定相続人が相続します。

法定相続人とは「相続する権利がある親族」のことで、優先順位が定められています。配偶者は常に法定相続人であり、第一順位である子どもが不在なので、第二順位である「両親(亡くなっている場合は祖父母)」に相続権が移ります。第二順位の該当者もいない場合は、第三順位である「兄弟姉妹(死亡している場合は甥姪)」に移ります。

(3)遺留分の問題

遺留分とは「被相続人の財産を最低限相続できる割合(法定相続分とは異なる)」のことです。

遺留分権利者に該当するのは、兄弟姉妹(甥姪)以外の法定相続人です。子どもがいない夫婦のどちらか一方が亡くなった場合、遺留分権利者は「配偶者」と「両親(または祖父母)」になります。遺留分権利者が相続した財産が遺留分よりも少なかった場合は、他の相続人(この場合は配偶者)に対して遺留分侵害額請求をして、自己の遺留分を取り戻す権利があります。

 

  子どものいない夫婦の相続で注意したい場面

(1)被相続人に現在の配偶者以外に子どもがいる場合

被相続人が過去に離婚して、元の配偶者との間に子どもがいる場合や、認知した子どもがいる場合は、その子どもには相続権(遺留分も)が発生します。

(2)配偶者が認知症になってしまった

高齢の子なし夫婦の一方が亡くなった場合、その時点で、配偶者が認知症になっているケースが少なくありません。

認知症で判断能力がなくなった相続人が、相続手続きを進めるためには成年後見人をつけなければなりません。家庭裁判所に対して、後見人選任の申し出を誰が行うのかという問題もあり、相続手続きが大変面倒になります。

(3)遺産相続の話し合いがまとまらない

被相続人と両親、あるいは兄弟姉妹との関係が疎遠な状況であると、残された配偶者としては、遺産分割の話し合いをするのが精神的にも大変辛いものになります。

場合によっては、配偶者以外の相続人の所在を確認するのも困難なケースもあるでしょう。

 

  遺言書の作成で問題解決

子どもがいない夫婦の相続に特有のトラブルを避ける方法としては、遺言書の作成が非常に有効です。法的に有効な遺言書を作成しておくことで、生前の意思を実現することができるでしょう。

(1)遺言書作成のメリット

法的に有効な遺言書があれば、法定相続人全員で行う遺産分割協議は不要です。相続人同士が疎遠であっても、遺言執行者を決めておけば、相続手続きがスムーズにすすみます。

(2)遺留分に注意する

遺言書を作成するときは、法定相続人の遺留分に注意しましょう。

被相続人の兄弟姉妹や甥姪に遺留分はないので、遺言によって配偶者にすべての財産を与えても問題はありません。

(3)遺言書は「公正証書遺言」がおすすめ

遺言書は、書き方に細かなルールが設けられており、基準を満たしていないと無効になってしまうリスクがあります。したがって、遺言の内容の実現性を担保するためには、「自筆証書遺言」ではなく「公正証書遺言」の作成が絶対におすすめです。

公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が作成し、法的な正当性を満たした内容を保証してくれます。遺言書は公証役場で保管されるため、紛失や改ざんの心配もありません。

 
 
 

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