【内容証明】身に覚えのない内容証明は無視してもいいか
- 行政書士 服部祥明

- 3月12日
- 読了時間: 4分

もし、身に覚えがない内容証明郵便が自宅に届いたらとしたら、誰しも対応に困ってしまいます。受け取りを拒否すべきか、受け取っても開封していいのかどうか、判断が難しいと感じるかもしれません。
結論からいえば、身に覚えがない差出人や内容の内容証明であっても、放置するのは賢明な対応ではありません。なぜなら、差出人は、かなり強硬に何らかの権利を主張していると推察できるからです。
受け取り拒否するとどうなるか
内容証明は、配達員が受取人の玄関先で手渡しをしますが、こちらが配達員に対して「受け取りません」と受け取りを拒否した場合、送られてきた内容証明はどうなるのでしょうか。
(1)差出人に返送される
受け取り拒否された内容証明は、郵便局に一週間程度留め置きされ、その後、差出人に返送されます。返送時には、差出人に「受取拒否」や「不在」、「宛所不明」「転居先不明」といった理由が伝えられます。
(2)意思表示は「到達した」と判断される
裁判所の判断は一定ではありませんが、受け取り拒否については「意思表示が到達した」と認定されるケースが多いとされています。到達したかどうかの最終判断を下すのは裁判所なので、安易に「受け取らなければ到達したことにはならない」と考えるのは危険です。
(3)訴訟に発展する危険がある
内容証明郵便自体には、強制力はありません。しかし、内容証明郵便を無視して相手との交渉を避けていると、相手から裁判を起こされるリスクがあります。
身に覚えのない内容証明が届いたら
それでば、内容証明に対してどのような対応が望ましいのでしょうか。
(1)差出人を確認する
内容証明が送られてきたら、差出人に覚えがなくても、まずは差出人を確認しましょう。
差出人だけをみて「身に覚えがない」と判断するのは危険です。心あたりのある相手ではない名義で内容証明が送られてくる例として、保証会社や債権回収会社、士業事務所などが考えられます。未払い代金の請求の場合、実際に利用した店舗名と法人の名義が異なる場合もあります。
(2)冷静に文面を確認する
次に、まず落ち着いて文面をよく読んで内容を正確に把握しましょう。
この先の対応方針を決める重要なポイントとなるため、とくに「脅迫文言」や「金銭請求」があるかどうかに注目してください。
「支払いをしなければ裁判を起こす」、「期限内に返答しなければ法的手段に訴える」といった記載がある場合は、相手がどの程度本気で法的手続きを検討しているかを見極めるヒントになります。そのほか、内容証明の中に「第三者に口外するな」という記載がある場合は、相手が問題解決よりも脅しに重点を置いている可能性も考えられます。
内容証明に書かれている主張の真意について、冷静な気持ちで整理しましょう。
(3)反論すべきか無視すべきかを判断する
内容証明の内容を確認したら、次に「反論すべきか」「無視してもよいか」を判断します。判断するポイントは、無視することで後々不利益を被る可能性があるかどうかという点です。
①反論すべきケースとは
金銭請求や訴訟予告がある場合は、基本的に反論を検討すべきです。
たとえば、「期限までに支払わなければ訴訟する」といった記載がある場合、その期限を過ぎてしまうと、相手が実際に法的手段に出る可能性があります。
また、借金の返済請求や未払い賃金の請求の場合、相手の主張内容に虚偽があったとしても、一部に事実が含まれているのであれば、どの部分が事実で、どの部分に異議があるのかを明確にして、反論を準備すべきです。
②無視してよいケースとは
明らかに嫌がらせ目的の脅し文書や、事実無根の内容であれば、無視しても大きな問題にはならないケースがほとんどです。
ただの脅し文句だけで、損害賠償金要求がされていない内容であれば、実際に裁判などの法的手段に出る可能性は低いと判断できるのではないでしょうか。
ただし、無視する場合でも、受け取った内容証明は、破棄するのではなく、必ず保存しておきましょう。後々のトラブルの証拠として役立つ場合があります。
(4)弁護士や警察に相談する
困った場合は、自分だけの判断ではなく、法律の専門家や警察に相談することもおすすめします。
身に覚えがない内容証明で、金銭要求が含まれているものについては、弁護士への相談も検討しましょう。実際に不当な請求であれば、弁護士から「要求に従う意思はない」と回答してもらって、以後の請求や通知を拒む旨を通知することが可能です。それでも相手が権利を主張して裁判に発展するようなら、法的対応も一任できます。
また、脅迫する内容であれば、警察に相談することも検討してください。





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