top of page
検索

【相続問題】こんなときには相続放棄するべき

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2025年12月2日
  • 読了時間: 4分


相続放棄をすると、その人は「はじめから相続人ではなかった」ことになるので、資産も負債も一切相続しません。いったいどういった状況であれば「相続放棄すべき」といえるのでしょうか?

そこで今回は、相続放棄すべきケースと、相続放棄をする際の注意点をお伝えします。

 

  明らかに債務超過

被相続人が遺した資産と負債を比較して、高額な借金があるなど、明らかに債務超過であるケースでは、相続放棄をおすすめします。相続放棄すると、遺産を取得できない代わりに、負債を一切相続せずに済むからです。

あるいは、被相続人に負債はないが、遺産は売却が困難な空き家だけという事案で、空き家の保有を継続するためのコストや、老朽化した空き家が原因となる損害賠償リスクを考慮して、相続放棄を選択するケースなども考えられます。

 

  特定の人に遺産を集中させたい

特定の人に遺産を集中させたいときは、他の相続人が全員相続放棄する方法が有効です。

たとえば、被相続人が経営者の場合、会社の株式など、事業資産を複数の相続人に分散して相続させると、会社の意思決定が難しくなるなどの弊害が発生するおそれがあります。

このような場合に、事業の継承者を1人に定めるプロセスとして、相続放棄を活用する方法があります。

 

  相続トラブルに関わりたくない

遺産トラブルに関わりたくない方には、相続放棄をおすすめします。

他の相続人と折り合いが悪く、相続紛争に巻き込まれることを避ける目的で、相続放棄を選択される方もいます。

相続放棄すれば、最初から相続人でなかったことになるので、顔を合わせたくない親戚と一緒になって、遺産分割協議や調停に参加する必要はなくなります。

 

  申述期間制限に注意

相続放棄の注意事項のひとつに、相続放棄申述の期間制限があります。

(1)3か月以内が原則

相続放棄の手続きは、家庭裁判所に相続放棄の申述書という書類を提出することによって行いますが、この相続放棄の申述は、「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」にしなければならないと定められています。

これを相続放棄の熟慮期間といいます。

熟慮期間内に相続放棄をしない場合、その相続人は単純承認(相続放棄できない)をしたものとして扱われます。

(2)熟慮期間の伸長も可能だが

相続放棄をするかどうかを判断するための財産調査に時間がかかり、熟慮期間内に相続放棄の判断ができない場合、家庭裁判所に熟慮期間伸長の請求をすることによって、熟慮期間を延長してもらうことが可能です。

熟慮期間伸長の請求にあたっては、裁判所に対して以下のような事情を説明し、認めてもらう必要があります。伸長は3か月程度とされることが多いです。

・被相続人と疎遠だった
・被相続人の資産や負債が多岐にわたり、鑑定評価に時間を要した

上記のような事情がある事案であれば、実務上、熟慮期間の伸長は比較的容易に認められて

 

  相続放棄する際の注意点

最後に、相続放棄をする際の注意点についてお伝えします。

(1)他に相続人がいない場合は要注意

相続放棄するとき、「他に相続人がいない状況」であれば注意しなければなりません。

自分の次順位の相続人がいなければ、相続放棄した人が相続財産を管理し続けなければならないからです。

管理義務を果たさなかったために他人に迷惑を掛けると、損害賠償義務が発生する可能性もあります。管理義務を免れるためには、家庭裁判所で「相続財産管理人」を選任しなければなりませんが、そのために手間がかかり、高額な費用が発生するケースもあります。

(2)債務超過かどうかわからない場合

債務超過かどうか判然としない場合には注意が必要です。

相続放棄すると資産も受け取れなくなるので、資産超過のケースで相続放棄すると経済的に損してしまいます。

債務超過か資産超過かわからない場合には、「限定承認」を検討しましょう。限定承認すれば、資産と負債を差し引きしてプラスであれば遺産を相続できるし、マイナスになれば負債は相続する必要がありません。

(3)法定単純承認に注意

民法には、法律上定められた一定の事実があった場合には、相続人は単純承認をしたものとみなす規定があります。これを「法定単純承認」といいます。

法定単純承認に該当する事実があった場合には、その相続人は自動的に単純承認をしたことになり、その後に相続放棄の申述をしても、認められません。

法定単純承認には、被相続人が所有していた土地や自動車などを売却、名義変更する、預貯金を解約して私的な費用に充てる行為などが典型ですが、遺産分割協議書に応じる、遺産を担保として提供してしまうなどの行為も含まれます。

 
 
 

コメント


bottom of page