【相続問題】タンス預金はなぜ税務署にバレてしまうのか
- 行政書士 服部祥明

- 24 時間前
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「税務署にはバレないだろう」とタカをくくって、タンス預金を隠して相続税申告をしても、税務調査によってその存在が発覚して、ペナルティが課せられる危険があります。税務署は、相続税の税務調査によって、タンス預金の存在を把握することができるからです。
税務調査の仕組み
税務署は税務調査によって、相続財産を把握します。実際に、どうやって税務調査を行い、どのようなポイントをチェックして、タンス預金を見つけるのでしょうか。
(1)税務署はKSKシステムで納税者情報を一元管理している
KSK(国税総合管理システム)とは国税庁と全国の国税局、税務署を結ぶネットワークです。被相続人の死亡届を市区町村役場に提出すると、その事実は自動的に税務署に通知されます。そして税務署はKSKシステムを元に、被相続人の過去の申告データや法定調書を調べます。
(2)税務署の実地調査や反面調査
KSKシステムには、被相続人が過去に行った税関連のデータが蓄積されているので、税務署は被相続人のおよその保有資産や収入を把握しています。提出された相続税の申告書と比べて、明らかに申告額が少ない場合は「申告漏れ(タンス預金の存在など)」を疑います。
そして、タンス預金などの申告漏れが事実であるか否かを調べるために、税務調査(実地調査や反面調査)を実施します。
(3)税務調査はどのように行われるか
①相続税の税務調査がくるタイミングと可能性
過少申告を疑われた場合の税務調査は、相続税の申告をした翌年、もしくは翌々年におこなわれます。また、実際に税務調査が入る可能性は20%程度といわれています。
②税務調査の詳細
税務調査では、「質問」と「実地調査」、「反面調査」が行われます。
●どんな質問があるか
被相続人の経歴や趣味、交友関係、蓄財の方法などを、相続人については経歴や職業、現在の収入などが聞かれます。雑談で始まりますが、さりげない一言や質問から、所得隠しがバレることがあります。
●実地調査について
自宅などに調査員が入り、通帳や印鑑などが調べられますが、被相続人の所有だけではなく、相続人も対象です。通帳を保管している家具の引出し、仏壇や金庫、銀行にある貸金庫も調査対象です。
●反面調査について
実地調査で実態が把握しきれなければ、反面調査が行われます。取引銀行のほか、被相続人と生前交流のあった個人を訪ねるなど、徹底的に調べられます。
③預貯金は過去10年以上前にさかのぼって調べられる
預貯金の記録は、最短でも過去10年分を調べられます。多額の引き出しがあるのに、支出目的が不明で、合理的な説明ができなければ、タンス預金の可能性が疑われます。
税務調査のポイント
(1)生涯収入と支出のバランスから予測される「資産の不整合」
税務署は、被相続人の過去の所得データをもとに、生涯で築ける資産総額を予測します。亡くなった時点の預貯金額が予測額よりも明らかに少なければ、計上されていない現金が手元にある可能性が疑われます。
(2)相続人の口座に入金された出所不明の現金や高額な買い物の監視
相続発生前後に、家族の口座に高額の入金があったり、収入に見合わない不動産や高級車を購入したりするような動きがあれば、隠していたタンス預金を引き出した可能性が疑われます。
(3)税務調査の対象になるタンス預金の金額
生活費の延長線上として数十万円を自宅に保管するという程度であれば、気にすることはありません。一般的には、預貯金の口座から100万円を超える使途不明の出金があれば、税金逃れを疑われ、税務調査が入る可能性があります。
相続税の無申告や過少申告に課せられるペナルティ
申告漏れに対するペナルティは、単に不足分を払うだけでは済みません。意図的な隠蔽はもちろん、うっかりミスでも、重い罰則金が課されます。
(1)期限後の申告や過少な申告に対する「無申告加算税」や「過少申告加算税」
申告期限を過ぎた場合は「無申告加算税」、実際の財産より少なく申告した場合は「過少申告加算税」が課せられます。意図的な隠蔽でなかったとしても、本来納めるべき税額に対して罰金が上乗せされます。
(2)悪質な隠蔽工作に課せられる最大40%の「重加算税」
財産の意図的な隠匿や、通帳の偽造など、悪質な隠蔽工作が認められた場合は、最も重い罰則である「重加算税」が課されます。税率は最大で40%に達します。
(3)納付遅れの利息として加算される「延滞税」
納付期限の翌日から完納までの期間に応じて、利息にあたる「延滞税」が発生します。税務調査によって数年後に申告漏れが発覚した場合、経過した期間分について、日割りで利息が蓄積される可能性があります。





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