【相続問題】公正証書遺言を変更する手続きについて


遺言を公正証書にすることによって、そこに記されている内容が法的に有効であることが担保され、遺言書の紛失や、第三者による変造の危険を回避することが可能です。
しかし、公正証書遺言を作成したあとで事情が変わり、内容の変更を希望する場合もあると思います。公正証書遺言の内容の変更は自由に行うことができますが、法律が定める遺言の方法に従って変更手続きをしなければ、無効になってしまうリスクがあるので、慎重な手続きが要求されます。
公正証書を変更するためには公正証書でなければならないのか
公正証書遺言を変更する際には、公正証書によっておこなうのが一般的ですが、自筆証書遺言でもかまいません。
自筆証書遺言はコストがかからずお手軽ですが、一定のリスクがあります。紛失や改竄、隠蔽の危険や、変更内容が記載された自筆証書遺言が家族に発見されないまま、相続手続きがおこなわれる可能性もあります。あらたに作成した自筆証書遺言の形式に不備があれば、無効になる危険もあります。
したがって、手続きが多少面倒でも、公正証書遺言によって作成したのであれば、公正証書遺言による変更を行う方が望ましいといえるでしょう。
公正証書遺言を変更する方法
(1)公正証書の場合は遺言書を作り直す
公正証書遺言で内容を変更する場合は、遺言の変更箇所が一部であっても全部であっても、遺言の作り直しをしなければなりません。原本が公証役場に保管されているため、直接修正することはできません。
作成済みの以前の遺言書と内容が矛盾する公正証書遺言をあらたに作成すると、日付の新しい遺言書が優先され、古い遺言は撤回されたものとみなされます。
(2)自筆証書遺言であれば一部変更も可能だが
手元にある遺言書が自筆証書であれば、変更部分に修正箇所を明記して、署名捺印することによって、修正を行うことができます。
しかし、公正証書の場合は、直接筆を入れて修正をしても無効です。原本が公証役場に保管されているからです。公正証書遺言の内容を変更するためには、あらたに日付のあたらしい自筆証書遺言を作成することで、遺言の内容を上書きできます。
遺言書が複数見つかったら
複数の遺言書が見つかった場合は要注意です。自筆証書遺言、公正証書遺言の形式に関わらず、新旧それぞれの遺言書の内容が矛盾するときは、最新の日付の遺言書が優先します。
もっとも、法的にはそのような整理ができるとしても、複数の遺言書が残されていると、相続人の間で紛争の種になる危険があります。古い公正証書遺言しか発見されなかったり、相続人の誰かによって新しい遺言書が破棄されてしまうといったトラブルや問題行動が発生するケースも考えられます。そのようなトラブルを避けるためには、公証役場で公正証書遺言の撤回の申述をして、古い遺言を撤回し、そのうえで、一から新たに遺言書(自筆証書もしくは公正証書)を作り直すのが無難な対策だと思います。





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