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【相続問題】在日韓国人も日本で公正証書遺言を作成することが可能

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 1月5日
  • 読了時間: 4分


在日韓国人の方から「遺言書を作成したい」という相談を受けることがあります。

家族を亡くした経験がある方であれば、相続手続きの大変さはご存知だと思いますが、悲しみと不安で茫然とするなか、葬儀や法要だけでなく、預貯金や保険、財産分与や名義変更、不動産の登記まで、気が遠くなるほどの手続きが待っています。

ましてや、亡くなった方が外国籍であれば、手続きの手間が格段に跳ね上がります。

そこで今回は、在日韓国人の公正証書遺言の作成について、民法のルールを示しながら、わかりやすく解説します。

 

  相続が発生すると相続人を確定する必要がある

相続人を確定するためには、被相続人(故人)が生まれてから亡くなるまでの戸籍書類の取寄せが不可欠です。

在日韓国人は、韓国や北朝鮮に親戚があります。その人たちが相続人であるかどうかを証明するためには、かれらすべての戸籍の取寄せと翻訳が必須です。

相続に必要な韓国戸籍には、①基本証明書②家族関係証明書③婚姻関係証明書④入養関係証明書⑤親養子入養関係証明書があり、これらが日本の戸籍に該当します。

 

  在日韓国人に適用される法律

日本に居住する外国人が死亡した場合、相続に関して適用される法律は、被相続人の国籍により決定します。

在日韓国人が被相続人の相続は、原則「韓国民法」が適用されます。ただし、遺言により相続の準拠法を「日本民法」とすることが可能なので、「相続の準拠法を常居所地である日本法とする。」と遺言で指定し、死亡するまで日本に居住して相続が発生した場合は、日本の民法の規定に従って相続を実行することが可能です。

遺言の形式については、日本の国籍をもつ人と同じで、自筆証書遺言のほか、日本の公証人役場で公正証書遺言を作成することができます。

 

  公正証書遺言が有効な理由

遺言書のなかでも証明性、有効性が高い、公正証書遺言書を用意しておけば、スムーズな相続手続きが可能です。

(1)相続人調査が不要

多くの在日韓国人の方が公正証書遺言を検討する大きな理由は、被相続人の戸籍収集が不要だという点があります。

これは、被相続人が在日韓国人に限ったことではないのですが、遺言がない場合、遺産を分配するためには、相続人「全員」による遺産分割協議が必要です。

その前提として、戸籍調査による相続人の確定が欠かせません。在日韓国人については、日本国内の記録のほか、韓国の戸籍によって相続人を調査しなければなりません。

ただでさえ、膨大な資料集めが必要なのですが、多くの場合、在日韓国人は、婚姻や出生を本国に申告していないという実態があります。そうなると、相続人の確認が非常に困難になります。

公正証書遺言を作成する際には、戸籍調査を求められないので、煩雑な資料集めのストレスから解放されます。

(2)相続手続きも簡素になる

もうひとつのメリットとして、相続手続きの際に提出する書類の数が少なくなる点があります。

たとえば、在日韓国人が日本国内に所有していた不動産の相続について、遺言がない場合は、外国人登録原票の写しや、家族関係登録簿等に係る証明書(登録事項別証明書)、除籍謄本(被相続人の出生から戸籍制度廃止までのもの)や、それらの翻訳文が必要になります。

遺言書があれば、提出する書類が少なくなり、翻訳手数料の負担も軽くなります。

 

  在日韓国人の相続と遺言書を作成するときの実務上の注意点

(1)死亡届の提出
●まずは日本の役所に死亡届を提出

初めにしなければいけないのが、日本の役所への死亡届です。

病院から死亡診断書を受け取ったら、親族などが死後7日以内に、市区役所に「死亡届」と「埋火葬許可証交付申請書」を提出します。

一連の手続きを葬儀社が代行してくれるケースもあります。

●韓国領事館にも死亡届を提出 

韓国籍のまま亡くなった場合は、日本に死亡届を出した後、韓国領事館にも死亡届を出さなければなりません。

(2)遺言書には準拠法の記載を忘れずに

日本の法律に則って遺言書を作成する際には、「相続は日本法に準拠する」旨の条項を盛り込むことが重要です。

ただし、韓国に不動産や預金がある場合は、日本の遺言書だけでは処理できない可能性があることも留意しておきましょう。

 
 
 

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